習慣化を成功に導くためには? 読書日記『超AI時代の生存戦略 シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』落合陽一 著
今日の読書日記は、『超AI時代の生存戦略 シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』から、習慣化のための「報酬」という考え方について。
これからは、「遊び」という概念がますます重要になってくる。
たとえば、ゲームをする、将棋をする、ごっこ遊びをする、スポーツをするというのも、あるフレームの中に、問題と解決と報酬があって楽しいわけだ。
たとえば、スキーがゲームかといえば、スキーそのものはゲーム的ではないと思うかもしれないけれど、スキーをゲーム的に捉えると、「より速く降りるということを問題として、その滑り方を解決し、その報酬として風を切る感覚がすごく気持ちいい」など、ゲーム的に分解することができる。
スキーに限らず、あらゆるスポーツや運動は、そのようにあるフレームの中で、問題、解決、報酬という形でゲーム的に遊びとして定義ができる。
報酬がわかっていないと継続性がなく、続けることができず、それ限りになってしまうのでワークアズライフとしてキャリアデザインが難しい。
そういったことから、今後の「仕事」では、自分でゲーム的なフレームワークを考えて「遊び」にしていくということが重要になってくる。
仕事を遊びにして1日中労働をしろというわけではなく、小さい遊びとして仕事を生活の中にたくさん詰め込んでいくと、豊かな人生になるのではないかということだ。
そうなってくると、遊びの中で、自分が何をすれば喜ぶか、つまり自分にとっての「報酬」が最も考えないといけなくなる概念になるだろう。
射幸心としての「ギャンブル的な報酬」と、収集欲としての「コレクション的な報酬」。それと、より体感的な「心地よさの報酬」というのもあるだろう。
これらの3つの報酬が、物事の継続性を生む。
たとえば、「ギャンブル的な報酬」であれば、毎回チャレンジして、競争して、誰かに勝つということが挙げられる。
「コレクション的な報酬」であれば、積みあがっていることが「見える」という点が非常に重要で、可視化させたり、わかりやすくさせたりすることが必要になる。
以上のように、あなたが何の報酬で喜ぶのかということを意識して、「遊び」として人生をデザインしていくことが、これからの時代のキーワードになるだろう。
そしてこれは、どれが正解ということではなく、人それぞれ違っていい。
そして逆に考えれば、あなたのやっていることに継続性がないのであれば、この3つの要素がどれか欠落しているのではないだろうか。
好きで何かを続けている理由を細かく分解すると、そのギャンブル、コレクション、快楽のどれかに誰もが集約されるだろう。
「ドキドキしたい」し、「充実感を得たい」し、「単純に気持ちがいい」と感じたいのだ。
あなたが今やっていることでも、その3つを意識してみてほしい。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 「ゲーム」として捉える
2. 報酬を用意する
3. まとめ
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1. 「ゲーム」として捉える
大学の先生でアーティストでもあるという著者が、AI普及後、シンギュラリティ後に向けて、どのように生活や仕事をしていくのが良いのかについて述べられた本です。
おそらく「一般向け」に書かれた本だとは思うのですが、本文中に登場する言葉、例えばシンギュラリティとは何かとか、著者が提唱するデジタルネイチャーとはどういうものか、などの詳しい説明はありません。
また、一部哲学的な用語が多数登場する部分がありますが、そういった用語に対する説明もほぼありません。
おそらく読者にとってはそのような言葉は「既知の情報」、という前提で書かれているのだと思います。そういった意味では、「少し敷居の高い」本です。
また、これからはこうなるだろう、という予測が色々示されているのですが、そう考えられた根拠となる情報を読者が知りたいと思っても、その部分については述べられていません。
優れた著者がどのような発想、考え方を持っているのかを知ること。そして、自分との考え方の差はどこにあって、どうすればそれを埋めることができそうかを考えること。
これは私にとっては本を読む楽しみの1つなのですが、そういった意味では取り扱いにくい本でした。
それでも一冊を通して完全に「置いてきぼり」にされる、というわけではなく、要所要所に「なるほど!」と思った鋭い視点も多数登場します。
前置きが長くなってしまいましたが、今日はそんな一節を取り上げました。
著者によると「遊び」や「ゲーム」の構成要素として、「問題」、「解決」、「報酬」の3つがあると言います。
この3つが備わっているから、「ゲーム」は楽しい。
であれば、仕事においてもこのようなゲーム性を見つけ出してやれば、「面白くない」、「苦しい」と感じる仕事の中にも「楽しみ」が生まれてくるのではないかと。
よく言われることですが、1日の労働時間を仮に8時間とすると、人生の3分の1は仕事をしていることになります。そうするとこの仕事の時間を如何に充実させるかが、人生の充実感に直結してきます。
3分の1という大きな割合を占める時間がただ「苦しみ」だけであっては大変です。
これを「楽しみ」に変えられとしたら?
きっと人生は今よりも充実して感じられますよね。
そこで仕事を「再設計」してやろうということですね。自分の携わる仕事の「問題」は何で、どうなれば「解決」で、それにより自分が得られる「報酬」は何なのか?
これらを明確にしておくと、モチベーションの管理もやりやすくなるのではないかと思います。
仕事でもその他のどんな挑戦でも当てはまることですが、自分にとって魅力的な「報酬」、つまり、それがあるから頑張れる、というものを認識することができれば、それを最初から「意図的に」設定してやることで、困難に立ち向かう駆動力を得ることができる、ということになります。
そのような「ゲーム的な要素」を日常生活の中にたくさんちりばめることができたならば、私たちの「人生の色彩」は、きっとより鮮やかに感じられるようになってくるのだと思います。
2. 報酬を用意する
そしてこの報酬には3種類あるということです。もう一度整理しておくと、
・ギャンブル的な報酬・・・ドキドキしたい!
・コレクション的な報酬・・・充実感を得たい!
・心地よさの報酬・・・気持ちいい!
の3つです。
これらを私たちが今から取り組もうとしているタスクの中に報酬として「埋め込む」ことが、物事を「続ける」ためのポイントになるそうです。
ということは、自分が習慣化したいことをこの原則に則ってデザインしておくことが、そのまま「習慣化のコツ」ということになりますね。
例えば、習慣化したいことを「早起き」として考えてみましょう。
早起きすることの報酬は、
・ギャンブル的な報酬・・・ドキドキしたい!
無事、起きたい時間に目が覚めるか、目が覚めてもベッドから身体を起こすことができるか、というギャンブル性があります。
早起きによって生まれた時間を何に使おうか、と考えることでドキドキ感を感じることもできますね。
・コレクション的な報酬・・・充実感を得たい!
早起きできた日にはカードにスタンプを押して貯めていく、というような感じで、達成できたことを視覚化しておくと、充実感が感じられます。
また、続けることで、自分に自信がついてくるのが分かります。
・心地よさの報酬・・・気持ちいい!
これはそのまま。早く横になってぐっすり寝て、まだ外が薄暗く静かな時間帯、小鳥のさえずりで目を覚まします。そして窓を開け放って、早朝の新鮮な空気を胸いっぱい吸い込むと気持ちがいいですよね。
このように、3つの報酬を設定することができたら、後は、その報酬が得られた状態を毎日欠かさず「強くイメージし続ける」ことだと思うのです。
得られる報酬のことを考えると、それがやりたくて「居ても立っても居られない」ぐらいの状態にまで自分をマインドセットできるように持っていく。
時間はかかるかもしれませんが、訓練する価値はあります。応用できる範囲が広いからです。
3. まとめ
・「遊び」や「ゲーム」は、「問題」と「解決」と「報酬」で構成されている
・「問題」、「解決」、「報酬」を設定することで仕事の中の楽しみを見出しやすくなる
・「ドキドキ」、「充実感」、「気持ちいい」を設定して強くイメージし続けることが習慣化のコツ
〈今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・来るべきシンギュラリティに備えて
できることを洗い出す
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・自分の中にない新たな視点をいくつか取り入れることができた
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・自分の仕事の「問題」「解決」「報酬」を考えてみる
・「報酬」で「行動」をコントロールする訓練を行う
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・行動における躊躇いを、達成した時のイメージで軽々乗り越えられる
マインドセットを身につけている
・3つの報酬を考えることで新たに3つの良い習慣を身につけている
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