読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

AIを使いこなす側に回るには? 読書日記『AI時代の人生戦略』成毛眞 著

 

今日の読書日記は『AI時代の人生戦略』から、AIに使われる側に回らないために、身につけておくことについて。

 

 

「人工知能」や「ロボット」、「ドローン」や「自動運転」などという単語は、一般の新聞や雑誌でも珍しくなくなっている。

 

そんな今、苦手だから、興味がないから、知らないからと、理数系の話を遠ざけるのは損である。というか、まったく危険だ。

 

遠ざけたければ、それも個人の自由だろう。だが近い将来、そのような人は職を失う可能性が高い。あらゆる仕事が、サイエンスやテクノロジーとかかわるようになるからだ。

 

仕事だけじゃない。生活全般とかかわるようになる。

 

それゆえにサイエンスやテクノロジーに無頓着であることは、命にさえかかわってくるわけだ。では、どうすればいいのか?

 

シンプルに言おう。STEM + Aの「STEAM」を学べばいい。加えて、SFも。

 

 

STEMとは、

サイエンス(科学)の「S」

テクノロジー(技術)の「T」

エンジニアリング(工学)の「E」

マセマティックス(数学)の「M」

 

 

今やアメリカの教育界でSTEMは常識になっているが、これに「A」を加えた「STEAM」という言葉も生まれている。Aはアート(芸術)のAだ。

 

 

 

AIやロボットが普及すれば、それまでにはなかったような新しい仕事も生まれる。

 

ではこの先、どんな仕事が生まれるのか。

 

まず踏まえておかなければならないのは、AIやロボットを使う側の仕事と、使われる側の仕事が生まれるということだ。

 

使う側とは、AIやロボットを道具のように扱ってイノベーションを起こす仕事であり、使われる側とはAIやロボットに命じられるままに働かされる仕事である。

 

「職業に貴賎なし」ではある。しかし、AIを使いこなす仕事と、AIに使われる仕事と、どちらの仕事を望むだろうか。

 

 

AIを使いこなすためには、技術的な知識が必要になる。さらには数学などの能力もいるかもしれない。

 

 

そこで、だ。STEM(STEAM)に目を向け、学習することで、AIを使う側を目指すことが必要になる。

 

現代は、自律的でなくても生きられるようになっている。すすめられたものをすすめられるままに享受して生きることができる世の中なのだ。

 

日常生活での"ブラックボックス"は、大きくなる一方なのだ。

 

ブラックボックスが大きくなるということは、考えなくて済む範囲が広くなるということを意味する。そして、それは実に楽なことである。

 

楽であることに身を委ねるという選択は、AIに使われる側になることに直結する。

 

仕事を離れてもなお古い思い込みにとらわれ、間違った判断をし、その結果、さまざまな面で損をしかねない。

 

 

 

〈今日のコンテンツ〉

ーーーーーーーーーーーーーーーー

1. 利便性の向上という「思考停止」

2. 考える力

3. まとめ

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1. 利便性の向上という「思考停止」

 

 

元マイクロソフト日本法人の社長で読書家としても知られる著者が、人工知能などの技術により社会が変化していく中で、私たちが生きていくためには何を学ばなければならないか、について述べられた本です。

 

その結論を一言でいうと、サイエンスやテクノロジーなど「科学技術に対するリテラシーを高めましょう」ということになります。

 

それをSTEAM(Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Mathematics(数学) + Art(芸術))というキーワードで説明されています。

 

とは言っても、なにも「専門家になれ」と主張されているわけではなく、サイエンスやテクノロジーに関する雑誌や、簡単に書かれた入門書を読んだり、サイエンスに関するTV番組などを見ることで十分とのことです。

 

「自分は『文系』だから、、」と盲目的に拒否反応を起こすのではなく、「興味のアンテナ」を広げておけるようにする、ということが大切だということです。

 

また、学びよりも先にサイエンスやテクノロジーを「実感する」ことが大事だと述べられています。

 

例えば、「VR(Virtual Reality: 仮想現実)」と呼ばれる技術があります。これもVRとはどんな技術なのか?を最初から学ぼうとするよりも、先にPlayStationVRなどのゲームで「体験してみる」ことだと。

 

そうすると、さまざまな興味や疑問点が湧いてきて、そこからは「自らの意志で」学ぶことができるからです。

 

最新のテクノロジーを体感することで情報に対するアンテナの感度が上がり、それがイノベーションの種となり、新しい世界を形作っていく、そういうことなのだと思います。

 

 

昨今ブームになっている「AI」を始め、「ドローン」や「IoT」など新しく登場したテクノロジーで、世の中と私たちの生活はますます便利になってきています。

 

「機械化」、「自動化」の目指す所は「生産性を極限まで高めること」です。

 

工場での部品の受発注から、製品の製造、不良品の判定、装置の定期的メンテナンス、出荷の手配まで全てAIが最適な判断を下して自動で行ってくれる。そうなると人手はいらなくなります。

 

医療の現場でも、腫瘍の発見のための画像診断にAIが導入されているというニュースをよく聞きます。

 

現状はまだまだ、AIによる判定精度は低いともいいますが、それが改善され、卓越した知見を持つベテラン医師と同程度の実力を持つようになったとしたら?

 

例えば、新人の研修医の判定よりも、AIによる画像診断の方が信頼ができるレベルになったとしたらどうでしょうか?

 

これをポジティブに捉えると、ベテラン医師並みの知見を持つAIの導入と普及は、医師不足の問題を解消し、患者に提供できる医療サービスレベル全体の底上げに繋がるでしょう。

 

一方で、ネガティブに捉えると、新人研修医がAIの判定にすっかり頼り切ってしまうようになり、自分自身で症例を判定する能力をつけるための画像診断の勉強を行わなくなるかもしれません。

 

そうなると万が一、AI(の稼働するコンピュータ)が壊れてしまった場合、この研修医は、「自分自身の」判断に従った結果、重大な医療ミスをおかしてしまう可能性も出てきます。

 

 

世の中のビジネスは「不便」や「不快」を解決する、言い換えると、「便利」や「快適」を提供することで成り立っています。

 

ただ、私たちは、ひとつの「便利」や「快適」を得るのと引き換えに、ひとつずつ、「考えること」を手放してもいます。

 

例えば「スマホ」を手に入れた私たちは、

・ノートパソコンを持ち歩く悩み

・デジカメを持ち歩く悩み

・手帳を持ち歩く悩み

・音楽プレーヤーを持ち歩く悩み

などから解放されました。

 

が、それと同時に「スマホ」を失うと何もできない、という状態にもなってしまいかねないのです。それは上の新人研修医の例えと同じことです。

 

進歩したテクノロジーによる「利便性の向上」にただただ身を任せる、ということは「考える機会を自ら手放す」ということと同義なのです。

 

 

2. 考える力

 

 

STEAM、つまり科学技術に対する基本的な理解の有る無しによる格差が今後広がってくると著者は予想されています。

 

引用した文章内の「ブラックボックス」とは中身がどうなっているのか分からない箱のことです。これが今後ますます、技術の進歩と共に至る所に広がってくることになります。

 

そうすると目の前が黒い箱で埋め尽くされて「視界不良」になり、何も見えないために果たして何をすれば良いのかも分からなくなってしまいます

 

一方で、「ブラックボックス」の中身がどうなっているか、何と何と何で構成されていて、大事な核となる部分がどこなのかが分かっているとしたらどうでしょうか?

 

そうなれば、その箱はもう、ブラックボックスではありませんよね。自分の視界を妨げることもないでしょう。

 

科学技術に対するリテラシーが必要、とはそういうことだと思います。

 

 

私たちが決して失ってはいけない力、AIに対抗しうる力は「考える力」です。

 

利便性を手に入れることで「悩む」のに使っていた脳のリソースを解放されたならば、それを新たに何かを「考える」ために振り分けることが必要になってきます。

 

STEAMの素養を身につけることは必須として、もう少し大くくりで「考える力」をつけるためにはどうすれば良いでしょうか?

 

それは「なぜ〇〇なのか?」、「どのようにすれば〇〇できるのか?」などのように「問いをたてる」習慣を持つことだと思います。

 

そして頭の中で問いについて考えるだけでなく、「書き出してみる」ということを強くお勧めします。書くことによって思考は展開されていくからです。

 

アウトプットしたものを視覚により再インプットすることで、思考が深まっていきます。これを頭の中だけで行おうとすると、同じ所をぐるぐると堂々巡りしてしまうことになります。

 

考える力を醸成しておくことは、テクノロジーの発展により到来する「思考停止社会」の暗闇の中で、止まらず動き続けるための「懐中電灯」となるはずです。

 

 

3. まとめ

 

STEAM(Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学),

Mathematics(数学) + Art(芸術))の素養を身につけることは

 私たちがこれから身を守るために必要なことである

 

・科学技術による「利便性の向上」は「考える機会を手放すこと」と同義

 

・「考える力」を養うには「問いを立て」、「書き出す」ことを

 続けることが必要

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・何を学んでおくべきかを知る


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・受験料収入を得るための私大の「私立文系受験」という

 システムが日本の科学技術リテラシーを下げることに

 一役買っている、ということを学んだ

 

・ブックガイドが参考になった


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・考える力を養うために文章を書き続ける

 

・ブックガイドから読んでみたい本を選んで読んでみる


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・ゲームだからと避けたり、侮ったりするのではなく、

 最新のテクノロジーを積極的に体験するイノベーターとなっている

 

・考える力が高まり、思考の精度のスピードが向上している

 

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