読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

読書日記『0(ゼロ)ベース思考』スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 著①

 

0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる

0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる

 

 

今日の読書日記は『0(ゼロ)ベース思考』から、問いの立て方を変えることと、限界の設定について。

 

 

あの胸がスカッとするような小林尊の成功を 、ホットドッグの早食い競争以外の 、もっと有意義なことに応用できないだろうか ?できるはずだ 。フリ ークみたいに考えれば 、彼のやり方から広く応用できそうな教訓を 、少なくとも 2つ引き出せる 。

 

1つは 、問題を解決する方法全般に関わる教訓だ 。コバヤシは解決しようとしている問題を 、自分なりにとらえ直した 。

 

ライバルたちはどんな問いを立てていただろう ?ひと言でいうと 、 「ホットドッグをもっとたくさん食べるにはどうする ? 」だ 。

 

コバヤシはちがう問いを立てた 。 「ホットドッグを食べやすくするにはどうしたらいい ? 」

 

この問いをもとに実験を重ね 、フィ ードバックを収集して 、ついにはゲ ームのル ールを書き換えることができた 。問題をゼロベ ースでとらえ直したからこそ 、新しい解決策を見つけられたのだ 。

 

コバヤシの成功から学べる 2つめの教訓は 、ぼくたちが 「受け入れる限界 」 「受け入れようとしない限界 」と関係がある 。

 

コバヤシは言った 。訓練を始めたとき 、コニ ーアイランド大会の 25と8分の1本という世界記録を正当なものだと思わないようにしたと 。なぜか ?それまでの出場者はホットドッグの早食いについて的外れな問いを立てていたから 、過去の記録には大して意味がないと考えたのだ 。

 

彼の目には 、記録そのものが人為的なバリアになっているように見えた 。だからコバヤシは 、 25と 8分の1本が上限だなんてまったく思わずに大会に臨んだ 。自分がいま何本目のホットドッグを食べているかだけに集中するよう意識をもっていき 、どうやって食べるかに神経を注いだ 。

 

もし 25と8分の1本をバリアとして意識していたら 、初めての大会で優勝できただろうか ?できたかもしれないが 、記録を 2倍に伸ばしたとはとても思えない 。

 

 この本の中では「フリーク」という言葉を「常識の枠に収まらない人、既存の慣習にとらわれない人」という意味で使っています。

 

冒頭の小林尊(こばやしたける)さんという方は、アメリカのホットドッグ早食い大会で6連覇を果たされた方だそうです。それまでの大会記録が12分間で25本のホットドッグ完食であったところ、小林さんはその倍の50本のホットドッグをたいらげて、ライバルに圧倒的な大差をつけて優勝しました。

 

〈参考〉

-----------------------------------------------------------------------

小林尊  ウィキペディア

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/小林尊

 

小林尊  全米デビュー  2001年  ホットドッグ早食い選手権

http://m.youtube.com/watch?v=mNBvV0fPz3k

-----------------------------------------------------------------------

 

それまでの記録を2倍に更新するなど、常識的な方法で達成できるわけがありません。

 

そんな常識破りの記録を達成するために彼のとった作戦は「問いを変える」ことでした。

 

ホットドッグ早食い選手権は、制限時間内に最も多くのホットドッグを食べることができた選手が優勝となります。だからほとんどの選手が、「どうすればたくさんのホットドッグを食べられるか?」という問いを立て、工夫と練習を続けていました。

 

一方、小林さんは、ホットドッグのソーセージよりもパンの方が喉に詰まりやすく食べにくいことに気がつきました。そこで彼は「どうすればホットドッグを食べやすくできるか?」という問いを立てました。それから試行錯誤を続け、遂には彼独自のホットドッグの食べ方を発案しました。

 

この方法(後に「ソロモン・メソッド」と呼ばれるようになり、他の選手達もこぞってこの食べ方を真似するようになります)を用いることで、圧倒的な記録で優勝を果たすことに成功したのです。

 

上記のホットドッグ早食い選手権の参考動画を見て頂くのが一番分かりやすいのですが、他の選手はホットドッグを端からかぶりつくように食べています。いわゆる「普通の」食べ方です。

 

それに対して小林さんは、ホットドッグをまず2つに折り、食べやすいソーセージから先に食べてしまいます。その後、喉に詰まりやすいパンは水に浸してから小さく潰して、口の中に押し込んでしまうのです。口の中でパンを細かく咀嚼する作業を、口の外で事前にやってしまった訳ですね。だから食べるスピードが非常に早い。

 

そして、「如何にホットドッグを食べやすくするか」を追求した結果、「制限時間内にたくさんのホットドッグを食べる」という問題解決にも成功したのです。

 

 

私達が日常ぶつかる困難だと思われる問題に対しても、 「問いの立て方を変える」、「視点を変える」ことで、解決の糸口が見つかることがあるかもしれません。

 

行き詰まりを感じたら、「今の自分の問いの立て方は適切か?」を一旦立ち止まって、見つめ直してみようと思いました。

 

そして、意識的か無意識的かに関わらず、「自分で自分の限界を設定してしまわない」ことも大切だと感じました。

 

私達はついつい他者と「比べてしまう」生き物です。おそらく小林さん以外の選手は、「前回の優勝者はホットドッグを25本食べて優勝した。それなら今年は自分が26本食べて優勝してやろう」と考えていたと思います。

 

この時点で他の選手達は自分の意識の中に「26本」という上限のバリヤを設定してしまったことになります。

 

目標を達成することは大切ですが、その目標が天井を決めてしまうと、無意識のうちに萎縮してしまうことになるのではないかと思います。

 

それならばいっそのこと、「破天荒」で「青天井」な目標を立ててみた方が良いのではないかという印象を持ちました。 そうすれば、その目標の達成のためには「問い」自体を根本から立てなおさなざるをえなくなるため、ブレイクスルーやイノベーションに繋がりやすくなるのではないでしょうか?