相手の話に興味を持つためには? 読書日記『銭湯の番台が心がけている常連さんが増える会話のコツ』田村祐一 著①
今日の読書日記は『銭湯の番台が心がけている常連さんが増える会話のコツ』から、会話中にお客様を不快にさせない5つの心がけについて。
どんなときでも 、お客さまを不快にさせない配慮をする … … 。僕が接客をするうえで 、常に大切にしている心がけです 。その一方で 、お客さまと親しくなってくると 、いきすぎた冗談を言ってしまったりして 、お怒りに触れることもありました 。親しくなればなるほど 、お客さまとの距離感には注意が必要です 。
〈会話中にお客さまを不快にさせない 5つの心がけ 〉
1 .話を途中でさえぎらない
2 .どんな話も興味を持って聞く
3 .ミスをいちいち指摘しない
4 .知っている話でも自信満々に 「知っていますよ 」とは言わない
5 . 「知っていますか ? 」 「ご存じですか ? 」と切り出さない
ご年配の方に限らず 、親しくなった人とのコミュニケ ーション全般で使えるヒントですので 、ぜひとも日常生活に取り入れてみてください 。
人間の趣味は多種多様。お客様の興味のある分野が、あなたの興味のある分野と重なるとは限りません。むしろ、違っているほうが多いでしょう。そのような時でも、話題への興味を失ってはいけません。
興味を持って話を聞こうとすれば、おのずと感情がのってきます。楽しい話は楽しい表情で、悲しい話は悲しい表情で耳を傾けるのです。
そんなあなたを見ていると、相手の舌もなめらかになっていくでしょう。だからこそ、興味を持って聞くことが大切なのです。
「だけど、興味の持てない話に、どうやって興味を持つの?」
そのように思われるかもしれませんが、答えは実にシンプル。話の内容ではなく、お客様自身に興味を向ければいいのですから。
お客様はなぜ、そういう考えをお持ちになったのか?お客様はなぜ、その話が好きなのか?そうやってお客様にフォーカスを合わせると、おのずと興味が湧いてきます。話を聞くことで新たな発見もできるのです。
その会話の主導権を誰が握るべきなのか。それを考えた時、それはお客様であり、お客様が「主」であり、私たちは「従」である。上記の5つの心がけでは、その考え方が一貫しているように思います。
ここで述べられているのは、あくまでも「会話中に不快にさせない」という最低限のレベルの話であり、お客様に「会話中に楽しい気分になって頂く」、「会話に満足して頂く」という段階の話ではありません。
ですが、我が身を振り返ってみると、この5つの心がけを全然守ることができていなかったことに気がつきました。
個人的に、1番守れていないと感じたのは、「2. どんな話も興味を持って聞く」の項目です。
例えば、滅多に会う機会のない人(1年に1回くらい会う友人など)に会う時には、その人の性格や興味のあることを、例え昔からの付き合いでよく知っていたとしても、その人の話に興味を失ったり、話が尽きることはありません。
職場での関係性も振り返ってみます。例えば同じ部署に所属していても、担当が異なる人とは普段、あまり話をする機会がありません。だから、飲み会に参加した時に初めてその人の家族構成や好きなことを知ったりする、ということが結構あります。これぐらいの距離感だと、「近くに座っているけど、実はよく知らない」、ということなので、その人の話に興味を持てなかったりすることはあまり起こりません。
私にとっての問題は、自分がその人のことを非常に良く知っており、かつ、毎日のように会う、非常に近しい間柄である「家族」の場合です。親であったり、配偶者であったりの話は、「前にも聞いたことのある」、「起承転結がなく、延々と続く」、「こちらになんらかの行動を求めるような重要性、緊急性のない」ものであることが多く、聞いているこちらの方も、ずっと集中していることができません。そして注意が散漫になってくると「話を聞いていない!」と憤慨されたりするのです。これには困ってしまいます。
ただ、それはひょっとすると、私がこれまでずっと「話の内容」に自分の意識を向けていたからなのかもしれません。もし、「話の内容」ではなく、その「(私にとって)どうでもよいくらい他愛のない話をしている話し手」に注意を向けると何が変わるのでしょうか?
これは、「察する」能力、「気遣う」能力が高まるのではないかと思いました。「なぜ、今、自分に向かってこの話をしているのだろう?」そう考えることで、会話の内容とはあまり関係ないかもしれない、相手が心に抱えている欲求みたいなものに気づきやすくなるのではないでしょうか。
今は、「疲れているんだな」、「嬉しいんだな」、「吐き出すことで考えを整理したいんだな」、みたいなことが分かってくるように思います。
それに気づくことができると、こちらとしても相手の求めていることに寄り添う形で、自分の返事や対応を決めることができます。そうすると関係性がギクシャクするようなことはそうそう起こらないでしょう。
例え家族に対してのものであっても、これもある意味、サービス業に求められるものと変わることのない、おもてなし、ホスピタリティだと思います。なんと、家庭や家族という極めて身近な場所が、仕事をしていく上で必須のスキルである「察する」能力や「気遣う」能力を鍛えるのにこれ以上ないくらい最適な道場だった、ということが分かりました。
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・常連さんができる会話のコツをぜひ学びたい
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・お客様を不快にさせない5つの心がけが
とても参考になった
・靴箱の鍵を無くしたお客様に対する対応の
エピソードが素敵だと思った。
こんなことをされたら確かにファンになって
しまいそうだ
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・5つの心がけを意識して人の話を聞くようにする
・話の内容ではなく、話し相手に興味を
持つようにする
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・家族の話が苦もなく聞けるようになっている
・「察する」能力と「気遣う」能力が高まり、
公私問わず自分のファンが増えている
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