行動できる確率を高めるには? 『ハーバード・ビジネス・レビュー2015年02月号』
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2015年 02月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/01/10
- メディア: 雑誌
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今日の読書日記は『ハーバード・ビジネス・レビュー2015年02月号』から、「条件付け」により行動を促進する方法について。
チームや組織が実際に達成できる目標を策定するには、何をすべきかを明確にするだけでは足りない。それをどう実現させるかを具体的に定めることも必要である。なぜなら、目標をどう実現すべきかを関係者全員がわかっているとは限らないからだ。
グループの目指すべきものを的確に表現し、実行に移すには、モチベーション科学の専門家が呼ぶところの「条件をつけた計画」(if-then planning)を活用するとよい。そうすれば、実行に移せる可能性が高まるからだ。
条件をつけた計画が有効なのは、条件に付随する行動が脳神経系に組み込まれるためである。
人間は「Xならば、Yを実行する」という形で情報をコード化し、(えてして無意識にではあるが)、この条件を行動の指針として活用することに非常に長けている。
いつ、どこで、どのように目標を達成するかを具体的に決めておけば、頭のなかで特定の状況―――「もしXになったら」あるいは「Xが起きた時に」というきっかけーーと、その後に取るべき行動(「私はYを実行する」)とが結びつく。このようにして、行動の引き金を引く強力なトリガーが確立されるのである。
条件をつけた計画を作成することで、目標を達成する可能性が約三〇〇%高まることが、二〇〇件を超える研究結果から明らかになった。
条件をつけた計画の「~ならば」の部分をキャッチすれば、意識は「~する」という部分の引き金を引く。すると人は、計画について考えるまでもなく実行し始める。
<条件をつけた計画の組み立て方>
Step1. チームの目標を設定する
Step2. 目標を、明確かつ具体的なサブゴールに分解する
Step3. 各サブゴールを達成するための詳細なアクションを特定し、「だれが」「いつ」「どこで」も定める
Step4. アクションの引き金となる、条件をつけた計画を策定する
とても簡単なことなのですが、「~だったら~する」というふうに「~だったら」という「条件」をつけるだけで、その行動を実行できる確率が飛躍的に高まるらしいです。
これを使えば、例えば「夜23:00になったら、消灯して布団に横になる」とか、「朝、通勤電車に乗ったら、テキストを開いて英会話の勉強をする」とかそんな風に有効活用できそうです。
「いつ」「どこで」「どのように」という行動の引き金となる条件をあらかじめ設定しておくだけです。紙に書いて視覚化しておくとなお良いかもしれません。
脳の条件反射を「行動」に対して応用するようです。もちろん100%の確率で行動できるわけではないでしょうが、それでも「意識付け」しておくだけで大幅に行動できる確率が上がるでしょう。
こんな簡単なことで?本当に?と半信半疑になってしまいますよね。
でも、ここは、「できるわけない」と決めつける前にまずは騙されたと思ってやってみましょう。
これはノーリスク、手間もコストもかからない上に、個人的な思い付きとかではなく、多数の人に対して調査が行われているという、学術的な研究成果の裏付けがあることです。
万人には当てはまらないかもしれません。それでも私たちが、なかなかやりたいことを行動に移せなくて悩んでいるならば、今度から「条件付け」した行動に取り組んでみることで、これまでに比べたらいくらかの改善効果は見込めます。
個人で取り組む場合も、会社のような組織、チームで取り組む場合も、上に引用した「条件をつけた計画の組み立て方」が参考になります。
まずは目標を設定して、それをより小さく、近い目標であるサブゴールに分解します。それからその目標を具体的な行動に落とし込みます。最後に「条件付け」を行います。
最初は行動に「条件付け」してみて本当に行動できるか、しばらくの期間、試してみてもよいと思います。でも、できれば目標を設定しておいた方が、その目標を思い出す度に自分の意欲も駆り立てられるため、行動を起こしやすくなると思います。
行動して、結果につなげてこその学びです。「条件付け」により行動が促進されるという知識を得たわけですから早速使い倒してやりましょう。学びも研究成果も誰かの役に立てられないともったいないです。