読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

自分を際立たせるためには? 読書日記『自己プロデュース力』島田 紳助 著①

 

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

 

 

今日の読書日記は、『自己プロデュース力』から、自分を際立たせる方法についてのメモ。

 

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本書は、2007年3月にNSC吉本総合芸能学院)大阪で一度だけ開催された、島田紳助による特別講義の内容をまとめたもの。

 

NSCのお笑い芸人志望の若者たちを前に、情熱をもって語りかけた

「人生」「仕事」「成功」「カネ」「夢」に関する知恵が、ここにはぎっしり

詰まっている。

                    ―――――「はじめに」より

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<この本を読む目的>

島田紳助の自己プロデュースの「方法」について学ぶ

 

→(矢印)は本文の内容。

*(アスタリスク)は感想。

 

 

 

 

・「X+Y」の公式の確立

→自分たちが誰を笑わせたいのか、どの世代のどんな人たちなのか、そのためにどんなネタをつくるのか、というのが、まず最初に考えること。そのためには、とにかくたくさん漫才を観ないといけない。たくさん漫才を見ていくと、「面白い!」という漫才には大きく分けてふたつ種類がある。ひとつは「面白いけど、自分にはできないな」というもの。もうひとつは「これ、俺と一緒だ、俺が友達を笑わす時のパターンだ」というもの。


→前者はどんなに面白くても、自分にはできないんだからいくら研究してもしようがない。後者は、自分の喋りのテンポや、オチの付け方のセンスが自分と近いはず。

 
→それからすべきことは、「これ、俺と一緒だ」と思う漫才をいくつも発見していくこと。どれも「これ、俺と一緒だ」という共通点はあっても、実際はそれぞれの漫才は違うはず。要するに、そのそれぞれ違う個性を結び付けているのは、観ている側の個性なんだから、「これ、俺と一緒だ」と思う漫才をいくつも発見していくことで、自分のやれること、やるべきことがはっきりしてくる。

 


*この結びつけ、自分流の確立こそが島田紳助の「方法」だと思う。それを編み出すために、膨大な量のデータを分析して研究している。なんでもかんでも取り入れようとするのではなく、「自分にも再現できそうなこと」をたくさん集めて取り入れ、それを磨いて尖らせるようにする。そこに自分のオリジナリティ、強みが生まれてくる。

 

 

→今の漫才だけを観てても駄目。三十年前ぐらいの漫才ブーム以降の映像が残っているもの。それより前のものならレコード。それを全部観られるだけ観る。聴けるだけ聴く。そして、その時代時代にどんな人が売れていたのか、どんな笑いがウケていたのか、それがどういう風に移り変わっていったのか、あるいはずっと共通しているものがあるのか、徹底的に調べる。


→「X+Y」でものを考えろ。「X」は自分の能力。自分は何ができるのか。これは自分にしかわからない。自分自身と向き合って必死に探すしかない。「Y」は世の中の流れ。これまでどんなことがあって、いまどんな状況で、五年後十年後、それがどんな風に変わっていくのか。これは資料が揃っているから研究することでわかってくるはず。


→「X」と「Y」がわかった時、初めて悩めばいい。「さて、俺は何をしよう」「どうしたら売れるんだろう」「X」も「Y」もわからずにどんなに悩んだって、それは無駄な努力。「X」は自分にしかわからない。だからこの「X+Y」の公式は自分たちでつくらないといけない。


一発屋は公式がないから、どうして売れたのか自分でわからず、一発で終わってしまう。成功するのは「X」と「Y」がぶつかった時。売れ続けるには、常に「X」と「Y」がぶつかっていなければいけない。そのためには、動いていく「Y」に合わせて、「X」を変化させなければいけない。


→この公式は長くやっている人なら必ず持っている。世の中の変化に合わせて、少しずつ自分を変えている。傍から見たら同じことをやり続けているように思えるかもしれないけれど、売れ続けているというのは、気付かないぐらいゆっくり変わっていっているということ。そうやっていくと、なかなか一発屋に匹敵するような大事故にはならない。でも慎重に世の中の動きを追って、そこに自分をぶつけていくことが大事。

 

 

*「Y」の世の中の流れを掴むには、その分野における過去から現在までの歴史を押さえておくことが必要。そして世の中の流れに沿って「X」の自分自身も進化させていく必要がある。それは自分が「どうありたいか」や「何をするのか」についても固執するのではなく変化させていくことだと思う。