読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

イノベーションを起こせる人になるためには? 読書日記『先生、イノベーションって何ですか?』伊丹敬之 著①

 

 

先生、イノベーションって何ですか?

先生、イノベーションって何ですか?

 

 


今日の読書日記は『先生、イノベーションって何ですか?』から、イノベーションを起こせる人に必要な特徴について。

 

 

レミングの場合のような 、偶然がイノベ ーションを助けている現象のことをセレンディピティというんですが 、そのセレンディピティを手に入れられた人 、それを味方にできた人には共通の特徴があるようです 。

 

パスツ ールという有名な細菌学者は 、いろんな菌の力を発見した人ですが 、この点についていい言葉を残しています 。

 

「準備ある心の持ち主にのみ 、幸運の女神は微笑む 」

 

偶然の幸運の女神は 、じつは多くの人に訪れてくれている 。しかし 、その偶然の幸運に気が付く人と気が付かないで通り過ぎちゃう人がいる 。

 

日頃から問題意識が高いとか 、何かを探し求めているとか 、そういう準備の心のある人だけが 、幸運の女神が来てくれていることに気付いて 、そしてその気付いた人に女神は微笑んでくれる 、ということです 。

 

レミングは 、準備のある人だった 。彼は戦争で感染症で死ぬ兵士たちをたくさん見ていて 、感染症をなんとかしたいという意識が高かった 。殺菌力のある物質を探していたんだよ 。

 

 

イノベ ーションは 、もっといい世の中にしたいという思いが 、多くの人の共感を呼んで 、彼らの助けの手が出てきて初めて成し遂げられるものです 。

 

イノベ ーションの成就には 「多くの人 」という言葉がキ ーワ ードだ 、とこの対話で繰り返してきました 。イノベ ーションの試みに社会が動くというのは 、需要する側の多くの人が賛同して買ってくれるということ 。そして 、供給側でも 、そこまでの製品やサ ービスを社会に提供できるようになるためのプロセスで多くの人たちの助けが必要です 。一人でやれることには 、すぐに限界がきますから 。

 

人はパンのみにて生くるにあらず 。 「世の中をもっとよくしたい 」という思いが 、組織人型のイノベ ータ ーでも創業者型でも共通に必要ですね 、という対話の中の指摘はまことに正しく 、かつ重い 。

 

その思いをどんな人が長く強く持ち続けられるのか 。それが 、どんな人がイノベ ーションの中心になれるか 、というこの章の基本的疑問を言い換えたものでしょう 。

 

答えとして 、新しもの好き 、ポジティブ 、失敗にめげない 、掘り下げる 、大きな地図を描いている 、人がついていきたくなる 。

 

 

冒頭に述べられているフレミングは、「ペニシリン」という世界で最初の抗生物質を発見したイギリスの細菌学者です。

 

アレクサンダー・フレミング - Wikipedia

 

この本では、イノベーションの定義から、それが起きるための条件、イノベーションを起こせる人が兼ね備えている性質、日本企業はどうすればイノべーションを起こせるか、などなど、イノベーションとはどういうものなのかについて、非常に分かりやすく説明されています。

 

 

イノベーションを起こすにはどうすれば良いのか、イノベーションを起こせる人になるにはどうしたら良いのか、そのあたりのことを知りたくて読みました。

 

引用したパスツールの「準備ある心の持ち主にのみ、幸運の女神は微笑む」という言葉は、よく耳にする「幸運の女神には前髪しかない」という言葉とも似ています。

 

以前、運をつかむためにどうすればよいか、について書かれているの本を読みましたが、その本の中でも普段から「準備して備えておく」ことの大切さが述べられていたように思います。

 

では、ここでいう「準備」とは一体どのようなものなのでしょうか。やはり、それは一朝一夕、一夜漬けで準備されたものではないように思います。

 

きたるべき未来を思い描いて、「そのタイミング」で花開くように、はるかに早い時期から種を植えて、丁寧に土を耕し、毎日欠かさずに水やりをしていくような「準備」なのではないでしょうか。

 

そして、幸運の女神に微笑んでもらえる人が、そうでない人に比べて圧倒的に少ないように思われるのは、そういった「準備」をできる人の数がとても少ないからなのだと思います。

 

何故「準備」をできる人の数が非常に少ないのか、というと、その答えははっきりしていて、土から芽が出る前に水やりを止めてしまう人の方が多数派だからでしょう。何故水やりを止めてしまうのかというと、芽が出るまでにどれくらい時間が必要なのかが分からないからです。

 

芽がなかなか出ないから、そのうちに最初のやる気を失って止めてしまうのです。

 

松下幸之助は成功するための秘訣を聞かれた時に、「成功するまでやり続けることだ」と答えたといいます。

 

そんなの当たり前じゃないか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。そうなのです。極めて当たり前のことなのです。その当たり前のことができない人が、世の中では大多数を占めているのだと思います。

 

いつ芽が出てくるのか分からない、そんな「結果待ち」の状態は、不安にもなりますが、非常にワクワクできる「贅沢な」期間でもあります。

 

明日の朝起きたら、緑色の双葉が土から顔を出してるんじゃないか。それどころか、一気に花まで開いてるんじゃないか。

 

小学生の夏休みの宿題で、朝顔やヒマワリ観察の絵日記を毎日つけて、花が咲くのを今か今かと待っている時のような、そんな気持ちを持ち続けられるかどうかが大切なことなのだと思います。

 

そんな心さえあれば、準備する期間の長さは苦になりません。むしろワクワクできる期間が長いなら、その分楽しめて良いと考えるのもアリだと思います。

 

「ワクワクできる気持ち」はイノベーションを起こせる人の特徴として述べられている、「新しもの好き」、「ボジティブ」、「失敗にめげない」、「掘り下げる」、「大きな地図を描いている」、「人がついていきたくなる」などにもつながってくると思います。

 

この本ではまた、イノベーションを起こせる人は、「リアリスティック・ドリーマー」でなければならない、という話も出てきます。まず最初に、夢のようなことを思い描き、その実現への壁を現実的に考えて、なんとか壁を越える努力をするところにイノベーションは生まれるからです。

 

つまり、自分の思い描く未来にワクワクできる気持ちを維持しながら、日々の準備・努力を続けられる、そういった人がイノベーターになれるのではないかと考えました。

 

そう考えるとイノベーターになるために、今からでもできることはたくさんあります。何か思い浮かんだら、それを「始めて」、「続ける」だけです。

 

 

〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

イノベーションを起こすための方法を知る

 

イノベーションを起こせる人の特徴を知る 


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

イノベーションに関する理解が深まった

 

イノベーションを起こせる人の特徴を知ることができた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

イノベーションを起こせる人の特徴を

 身につけられるよう努力する

 

・EQを高める訓練をする

 

・リアリスティックドリーマーになる

 

・幸運の女神に出会える時に備えて準備を続ける


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・リベラルアーツと技術の交差点を見つけている

 

・今よりも大きな地図を描けるようになっている

 

・今よりも多くの人とのつながりが生まれている


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