読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

負の感情をコントロールするためには? 読書日記『面倒だから、しよう』渡辺和子 著①

 

面倒だから、しよう

面倒だから、しよう

 

 


 今日の読書日記は『面倒だから、しよう』から負の感情をコントロールする方法について。

 

 

人間は誰しも怒ったり、喜んだり、恐れたり、不安がったり、悲しんだり、憎んだりすることがあります。

 

感情を持つことは決して悪いことではありません。しかしながら、ある程度感情を抑えることができるようになりたいものです。

 

私たちは、自分の内部にある、さまざまな感情を自分のものとしてまず認めることが大切ではないでしょうか。「私は今腹が立っている」と認めること。認めた上で、もちろん動揺はするけれども、適当に処理して大事にしない。それが大人のすることだと思います。

 

「もうこのことは考えるまい。考えてもしょうがない。考えてもしょうがないのならば、時間がもったいない」と自分である程度、理性的に、冷静に処理できることは、大事だと思います。

 

さらに自分が感じていることを十分に言葉や態度に表せることも、大人の一つの証拠なのです。

 

「私はこのことで、今とても腹が立っているんです。でも腹を立てても仕方がないので抑えています」、または、「自分はこのことで非常に悲しんでいます」と、口に出してはっきり言えるかどうか。

 

泣いている幼児に「泣いていてもわからないじゃない、いってごらんなさい」といっても言葉にできない。それに対して大人であるということは、今心の中に起きているさまざまな感情を、人間らしく言葉にして表すことができる、そして言葉にすることによって、ある程度それを抑えることができるのです。

 

母は、私が幼い時に、「あなたが心を悩ますことの大きさが、あなたの心の大きさだ」と言ってくれました。これは「小さなことで悩むな、小さなことに心を奪われるな」という教えでもありました。

 

事柄の大きさを、自分で判断する。感情をコントロールする上で、それも一つの大切なことだと思います。

 

もう一つの方法として、行動する前にリハーサルをすることが有効です。

 

例えば、「これからあの先生のところへ行かないといけない。自分はあの先生のところへ行くと、つい無礼な態度をとってしまう」と思ったら、前もっての先生のところへ行ったつもりになって、自分の振る舞いをリハーサルする。そうすることによって、それほど失礼な態度をとらないで済むことがあります。

 

そして、何より大事なのは、自分の体と心が疲れていないということです。感情の起伏が甚(はなは)だしいのは、疲れている証拠でもあります。だから朝きちっと食事をし、夜は休んで、体と心を健康にして毎日を過ごしましょう。

 

 

 怒りや悲しみといった負の感情を他人やモノに対してぶつけてしまうのではなく、自分の中で抑制できること。それが成熟した大人であることの条件の一つだと述べられています。

 

 例えば、怒りを感じた時に、それが自分よりも立場が上の人間であれば、ぐっとこらえることができても、自分よりも立場が弱い人間に対しては瞬間湯沸かし器のように怒ってしまう。それをしている限りは、いくら歳を重ねていても、人間として「未熟」で「幼稚」だということです。

 

私はこのことに気がつかされて以来、子供に対して怒ることをほぼ止めました。稀に怒ってしまうことはありますが、理不尽に怒ってしまった場合は、後で子供に対して謝るようにしています。

 

そもそも両親が二人とも、子供に対して怒っていては、子供は逃げ場がなくなってしまいます。それに、怒った後の感情は長く尾を引き、決して気持ちの良いものではありません。

 

 

今回引用した中で、感情をコントロールする方法として述べられていることをもう一度整理すると、

 

 

①怒り、悲しみを言語化する

②「時間がもったいない」と考える

③「悩みは心の大きさを規定する」と考える

④リハーサルを行う

⑤体調を整える

 

 

 以上の5点が挙げられると思います。順番に見ていきましょう。

 

 

①怒り、悲しみを言語化する

 

「私は怒っています」と、自分の怒りを相手に伝えられる人は、相当に「自制」ができる人だと思います。普通は、怒りに我を忘れて、怒鳴り散らしてしまうのではないかと思うからです。

 

直接相手に伝えることができなくとも、「紙に今の気持ちを書き出す」ことだけでも、かなり自分の感情を鎮めることができると思います。

 

殴り書きのようになってしまっても構いません。自分の気持ちを紙という「外部」に一度出してしまうことで、その感情を冷静に見つめることができるようになるからです。

 

もやもやした感情を言語化する、それだけでも落ち着きを取り戻し、自分が次にどうするべきかを考えることができるようになります。

 

 

②「時間がもったいない」と考える

 

「怒りに我を忘れる」とよく言いますが、我を忘れている時間がもったいないですし、しかもその時間は返ってきません。その時間をもっと他のことに使いたいですよね。

 

 

③「悩みは心の大きさを規定する」と考える

 

今回、私が一番ハッとさせられたのはこの部分です。

 

「あなたが心を悩ますことの大きさが、あなたの心の大きさだ」

 

②の「時間がもったいない」とする考え方とも繋がりますが、「怒り」などという負の感情に、心の全てが支配されている状態なんてつまらないです。そんなちっぽけな自分で良いのでしょうか。良くないですよね。

 

ですから、「怒り」にとらわれずに、さっさと手放してしまいましょう。そしてもっと大きくて楽しい夢で自分の心を満たしてやりましょう。その方が、自分にとっても社会にとっても何倍も生産的です。

 

④リハーサルを行う

 

自分の感情がどうなるかが事前に想像できる場合は、リハーサルを行っておくことで当日の不安を和らげて、感情がコントロールしやすくなると思います。

 

例えばプレゼンテーションを行う前には、何回も練習したりします。練習の回数を重ねれば、ぶっつけ本番よりも、緊張や不安を感じることは少なくなるでしょう。

 

それと同様に、怒りを感じた場合にそれを抑制するためのリハーサルを「事前に」行っておくことで、もし怒りを感じることが起こっても、自分の中の「抑制機構」が働きやすくなると思います。

 

おそらく、リハーサルの結果として、①番のように「私は今、怒っている」と、怒った時に思えるようになるだけでも「勝ち」です。これが考えられるということは、自分の感情を「外側から見つめることができている」ということに他ならないからです。

 

 

⑤体調を整える

 

①〜③番までの方法は、負の感情を感じてしまった後で抑制するための対策でした。それに対して④番とこの⑤番は、「負の感情」が発生することを「未然に防ぐ」ための方法だと考えることができます。

 

そして、引用でも述べられている通り、一番大切なことはこの「体調を整えておく」ことだと思います。

 

自分や他者に対する怒りは、「集中力の欠如」から発生することが多いです。どうして集中力が散漫になるかというと、十分に体と頭を休められていないからです。

 

適切な食事をとることに加えて、「よく寝ること」。これにつきると思います。睡眠不足の日と、熟睡できた日では、判断力や行動力といったパフォーマンスが全く違います。些細なことでイライラすることも少なくなるでしょう。

 

また、よく寝ることは、負の感情を鎮めることにも役立ちます。あれこれ悩んで夜を明かすよりも、一晩寝たらスッキリしている、ということがよくあります。ですから、負の感情を鎮める事後対策としても有効です。

 

 

もっと自分の感情をうまく取り扱えるように、日々これらの方法の練習を重ねていきたいと思いました。

 

 

〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・人間として成熟するための考え方と行動を知る


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・負の感情のコントロール方法は参考になった


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・他者に対して怒りを感じても

   それを抑制できるようになる

 

・体調を保てるよう、十分な睡眠時間を

    確保する


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・人間として、心と行動の両面において、

    今よりも成熟している

 

・万全の体調で、毎日「全力疾走」していると

    感じることができる

 

 

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