読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

フロー状態に入ると何が起きるのか? 『これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方』吉沢康弘 著①

 

これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方

これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方

 

 

今日の読書日記は、『これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方』から、目の前の仕事に集中することの大切さについて。

 

 

目の前の仕事に集中するのは、簡単なようでいて、とても難しい。これは、「集中」の水準をどこに置くかによって変わってくるが、ここでいう「集中」とは、「一流のプロスポーツ選手が、シーズン中にその競技に120%集中してすべての時間を使い、自分の限界を超えたところで勝負する水準」を指している。

 

この集中度合いは、いわゆる「フロー状態」と呼ばれる状態を指しており、このレベルに到達する「集中」があって初めて、人の能力は磨かれることになる。

 

「フロー状態」は、アメリカの著名な心理学者である、ミハエル・チクセントミハイの提唱する理論だが、その要諦は以下の通りとなる。

 

・その瞬間の精神的な集中度が1つの内容に100%注がれている状態

・時間の経過感覚がなくなり、気がついたら時間を忘れていたという感覚

・この瞬間、本人の能力は最大限発揮され、卓越された成果を生み出す

・この瞬間の体験そのものが、幸福感や、いわゆる充実感に繋がる

・フローの時間が長い程、本人の能力は成長する

 

 

外資系に転職するために「英語」を勉強する、マーケティングの仕事に移りたいから独学で「マーケティング」を学ぶ、といった、現在取り組んでいる仕事とは直結せず、転職や配置転換などのキャリアチェンジを目的とした勉強に時間を割かないというのが、目の前の仕事に集中するための、1つ目のポイントとなる。

 

ちょっとやそっと、実務ではなく座学で勉強した内容は、実際の一線級の面々と仕事をする上では、使い物にならない。これは、趣味で野球をちょっとやっていても、プロ野球選手には到底なれないのと同じような感覚だ。

 

自分の現在の専門外のことを学ぶことをすべて否定しているわけでない。

 

ただ、座学で学んだことを、自分の新たなキャリアや仕事の軸にしようとすることは、失敗確率が高いし、役に立たない可能性が高く、それよりも自分が現在メインで取り組んでいることについて、深堀する方が、はるかに良いというのが、ここでのポイントとなる。

 

同時に、たとえ実際にはキャリアチェンジをしなくとも、そうしたチェンジに向けた勉強を準備として行っているというのは、心理的に自分自身が別の可能性を持っているという安心が生まれ、結果的に目の前の仕事に対する熱中を妨げてしまう。

 

チクセントミハイによると、人は現在起きていることではなく、将来のこと、時間軸として離れていることに注意を寄せていると、現状に対して高い集中を行うことが難しくなり、フロー状態に入ることを妨げると指摘している。

 

まずは、仕事上での違った未来を勉強によって模索したり、他の勉強に注意をそらされることを防ぐのが、1つ目のポイントとなる。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1. フロー状態を意図的に長くすることで成長する

2.「今の仕事」に集中する?

3. まとめ

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1. フロー状態を意図的に長くすることで成長する

 

時間が経つのを忘れてしまうような「フロー状態」に入ること。極めて高い集中力が発揮されている状態だというのは知っていましたし、能力が最大限引き出される、、望ましい成果も生みだす状態である、充実感、幸福感がある、というのも理解できます。

 

ですが、最後の「フロー状態にある時間が長いほど能力が成長する」というのは知りませんでした。

 

単純に考えて気が散っている状態よりも120%の集中力を発揮できている方が仕事の成果に繋がるというのは納得のいく話です。

 

フロー状態にある時間が長いほど成長できる、というのは何故なのか。

 

1つのヒントとして、「時間を忘れる感覚」というのがあるように思います。

 

「フロー状態」=「夢中になっている状態」です。この時、私たちは私たちの興味の赴くままに自由に、縦横無尽に創造性を発揮することができます。

 

つまり、「フロー状態」のような一種の幸福感の中での行動は、チャレンジに対する心理的なハードルを下げるのではないかと思います。結果として、チャレンジの回数が増え、それに合わせて、成功する確率も上昇し、それにより自信が高まり新たな能力開発がされていくのではないでしょうか。

 

私たちは完全に自由自在に、自分自身の「フロー状態」のON/OFFを切り替えることはできません。(できたら嬉しいですが)。

 

でも、例えば、ヘッドホンで「音楽を聞く」ことであったり、家ではなくお気に入りのカフェで勉強や仕事をするなど「環境を変えてやる」ことで「フロー状態に入りやすくする」ことは可能です。

 

仕事においても、人間性の面でも、もっともっと成長したいと考えるならば、「フロー状態に自分を持っていく」ことを意識することと、フロー状態に入るための「儀式」を用意しておくことはかなり有効な手段なのではないかと思います。

 

 

2. 今の仕事に集中する?

 

今回引用した箇所では、フロー状態に入って120%の集中力を引き出すためには、キャリアチェンジを意識した勉強は行わないことが推奨されています。

 

このことは私にとっては耳が痛い話です。私は大学で研究していた内容と関連性が高い分野の仕事に就きました。それから結構な年月が経っていますが、今でも「果たしてこの仕事は自分の適性に合っているのだろうか」、「本当はもっと向いている天職があるのではないか」という迷いに近い感覚を抱いています。

 

本を読んでいて、著者の考え方に強く魅かれると、その著者の華々しい経歴を見て、「自分もこの著者と同じ仕事に就けば、もっと成長できるだろうか」、などと夢想してしまいます。そして、つまみ食いするようにその分野の勉強を始めてみたりするのです。

 

つまり、どうしても「隣の芝生が青く見える」のです。しかし確かに、生半可な知識をかじっただけでは、その分野で実務経験を積み重ねてきた人にかなうわけがありません。

 

未来の夢の中の可能性に安住していると、「心、ここにあらず」の状態となり、現在の「フロー状態」には入れません。

 

夢を捨てて今の仕事に全力集中し、成長する方がいいのか。今の仕事を捨てて、夢の仕事に賭けるのか。今の仕事を続けつつ夢の仕事を模索するのか。今と夢をつなぐような仕事はできないのか。そんな考えにとらわれます。

 

今の仕事だけに自分の持ちうるリソースをフルで投入すれば、当然今以上の成果も出るでしょう。でも、仮に将来、自分の専門分野の仕事がなくなってしまったら?その時自分は生計を立てることができるのか。家族を守ることはできるのか。会社に残ることが良いのか。会社の外に出た方がよいのか。結論はまだ出ていません。

 

ただ私の場合、まだ頭の中で考えを巡らせているだけで、アクションの絶対量が足りていません。行動しないと、見えない現実があります。ブログを書くように少しずつ行動していくことで、自分の可能性を広げたり、絞ったりして、自分が「120%のフロー状態に入れるぐらい没頭できる仕事」を見つけていきます。

 

 

3. まとめ

 ・フロー状態に入る期間を長くすることで成長を加速できる

 

・フロー状態に入りやすくするための「儀式」や「環境」を用意する

 

・フロー状態に入りたいなら、今の仕事と直接関係のない学習よりも

 「今の仕事」に集中する

 


〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・自分の強みに磨きをかけ、成長するための考え方と方法を学ぶ


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・フロー状態に入る時間を長くすると成長できる、ということを知った

 

・フロー状態に入れない中途半端な自分の立ち位置を自覚することができた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・仕事中は「フロー状態に入ること」を強く意識する

 

・フロー状態に入りやすくなるための「儀式」や「環境」を持つ

 

・1日の内の「やりたいこと」の中から、行うことを絞りこんで確実に実行する

 


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・1日に1回は仕事中に「フロー状態」に入ることができるようになっている

 

・「フロー状態」に入るための自分の儀式が確立されている

 

・自分の「没頭できる仕事」に近づいている感覚が強くなる


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