学んだ情報を記憶するための方法は? 読書日記『脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める』築山節 著①
脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2008/04
- メディア: 新書
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今日の読書日記は『脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める』から、記憶を強化するための「出力」の重要性ついて。
本や資料の中にある情報、人の話の中にある情報は、あくまでも「他人の脳」の中にある知識です。それを見ただけ、聞いただけで、自分の知識にできると思ってはいけません。意識的に情報を覚えようとする努力が必要です。
他人の脳の中にある知識を自分の知識にするための分かりやすい方法は、出力することです。
自分がその知識を持っていなくても、見たり聞いたりすることはできますが、自分なりの言葉で書いたり話したりすることは、情報が脳に入っていなければ絶対にできません。
つまり、出力してはじめて、情報を自分の脳に入力できているかどうかが分かるのです。
しかし、それを正しく覚えているかは別問題ですから、出力した情報と元の情報が本質的な部分で一致しているか確認してみる必要があります。
話をしてくれた本人が目の前にいるなら、「こういうことですよね」と確認してみてもいいですし、書かれた本や資料があるなら、自分が出力したものと比較検討してみてもいい。
行動を支持する情報であれば、それに従って実践してみて、説明通りの結果になるかを確かめてもいいですし、勉強であれば、問題を解いてみて、正解できるか、どんな問題に応用できるかを確認するのもいいでしょう。
逆に言えば、そういうプロセスをまったく経ていない情報を自分が正確に覚えているとは思わない方がいいのです。
その意味で、
・記憶は入力ではなく、出力をベースとして考えた方がいい
と私は考えています。
いくらたくさんの本を読んだり、インターネットでたくさんの情報に触れていたりしても、それを自分の脳から自由に引き出すことができなければ何もなりません。
自分が出力した情報を読んだ人、聞いた人からの反応が返ってきたり、実践した結果が現実の問題解決に結びついたりする。それによって、記憶がさらに強化されると同時に、その知識の有効性も確かめることができるのです。
また、情報を自分の脳から出力しているときには、同時に「再入力」もしています。書くという形で出力すれば、その情報が目から再入力されますし、音読したり人に話したりするという形で出力すれば、耳から再入力される。
入力はただの入力ですが、出力は常に「出力+再入力」です。出力をベースとして記憶を捉え、その機会を増やそうとしていれば、結果的に再入力の機会も増やすことになります。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 触れた情報を自分の血肉とするために
2. 出力とは同時に再入力すること
3. まとめ
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1. 触れた情報を自分の血肉とするために
現在、試験勉強中であることもあり、記憶力を高めることには非常に興味があります。以前読んだ資格試験の勉強用の本では、「試験本番当日の朝にどのような状態でなっていれば良いかを考え、設定しておく」ことの重要性について書かれていました。
目指すべき試験当日朝の状態のゴールとしては、「テキストや問題集などで学んできたことが、いつでも自由に頭の中から取り出せる」という状態になることだと考えています。 この状態であれば、未知の問題、予想外の問題が出題された場合でも、ある程度落ち着いて対応できると考えられるからです。
そのような状態を達成するためには、ただテキストや問題集の解答を読むだけでは足りません。テキストの重要箇所にマーカーを引くことなどもやっていますが、それでもそれは、基本的に「入力を繰り返しているだけ」ということになります。
「記憶した」という状態は、テキストや問題集を閉じた時に、書かれていた内容を口頭で、あるいは紙の上に書くことで再現できるかどうか。それが判断基準となります。 それができないなら、そのページや項目については、まだ頭の中に入っていない、ということになります。
出力が一通り完了したら、テキストや問題集に書かれていた内容と、自分の書いた内容との整合性を確認します。それを繰り返し繰り返し行えば、徐々に自分の頭の中に、その内容に関する記憶の回路が形成されるということです。
ただ、一気にテキスト一冊丸々を読み切ってから、その内容を紙に書きなさい、というのは困難です。ですから最初は、テキスト「1冊全体」ではなく、「1章」ごと、あるいはさらに細かく「1節」ごと、「1つの見出し」ごと、などの細かい単位に分割して、その一つ一つについてまとめを作ってみたり、紙に書いて再現してみることが推奨されています。
1冊分の記憶を完成させようとすると、とても時間がかかりそうな気はしますが、細かくした単位で着実に記憶していく方法は、結果として時間のロスが少なくなるそうです。
2. 出力とは同時に再入力すること
記憶の定着を図る上で、出力を意識して実行することのもう一つの大きな理由が、「出力=再入力になる」ということです。
引用箇所にも書かれている通り、出力が書いたものであれば、同時にそれを見ることでまた入力が行われています。また、声にしたものであれば同時にそれを聞くことで再入力が行われています。
つまり、出力とはグリコのキャラメルと同じで「一粒で二度おいしい」ものだということです。
学習用の教材としては、本のように目から入力するものの他に、音声教材など耳を通して学ぶものもたくさん発売されています。語学学習用の教材などではCD付きの本が当たり前です。
英語の学習の場合、シャドウイングという、聞き取った内容のすぐ後からその音声を自分でも口に出していく方法や、ディクテーションという、聞き取った内容を書き出していく方法などがよく知られています。
これらの方法は、出力を行っている分、「読んでいるだけ」、「聞いているだけ」よりもはるかに高い学習効果が見込めるのではないかと思います。
また、「出力を意識することで入力の質が高まる」という効果もあります。
例えば、上司から「1時間後の会議に出席できなくなったから、自分の代わりに出席して、後で内容を報告してくれ」と言われたとします。その場合、もし上司から何も言われずに会議に出席した場合と比較して、会議に対する真剣度合いが桁違いに上がるのではないでしょうか。
単純な入力1回を行うだけだと、文字通り「入力1回分」の効果。それに対して、出力を1回行う場合は、「出力1回分+入力1回分」の効果が得られます。そう考えると、どちらに重点を置いた学習がより効率的で効果が高いかは明白ですね。
むしろ、頭の中が白紙で何の入力もされていない状態から、「いきなり出力から始める」くらいの感覚でやっていった方が学習が捗りそうです。からっからに乾いた土のほうが、湿った土よりも水をよく吸収する感じでしょうか。
「出力が先、入力は後」。この気持ちで今後も学習を行っていこうと思います。
3. まとめ
・記憶するためには、入力よりも出力が大切
・小さな単位での出力を繰り返し、少しずつ記憶を定着させていく
・出力=出力+再入力 になるので、出力は入力するだけの場合よりもお得
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・脳科学的に記憶を強化する方法を学び、実行する
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・出力の重要性について学べた
・出力をどのように行っていくのが脳の性質的に良いのかを学べた
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・学習内容について、小さな単位に区切って出力を繰り返す
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・試験当日の朝にテキストや問題集の内容を
自由に頭の中から取り出し、書き出すことができるようになっている
・読んだ本の内容の多くが記憶に残り、いつでも活用できるようになっている
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