読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

仕事に取り組む際の心の持ち方は? 読書日記『絆が生まれる瞬間』高野登 著①

 

絆が生まれる瞬間

絆が生まれる瞬間

 

 

今日の読書日記は、『絆が生まれる瞬間』から、仕事に取り組む際の「心のありよう」について。

 

 

仕事に取り組む際の「心のありよう」は、よく次のように言い表されます。

 

英語で「仕事」を表す場合、おもに三つの単語――「レイバー(Labor)」と「ジョブ(Job)」と「ワーク(Work)」が使われます。それぞれ、仕事をするときの「心の立ち位置」に違いがあります。簡単に説明しますと、

 

・Labor……いやいや言われた業務をこなす

・Job ……普通に業務をこなす

・Work ……にこにこと笑顔で仕事をする

 

といったところでしょうか。同じ仕事をするなら、LaborよりJob、JobよりWorkの感覚で取り組むことが望ましいでしょう。

 

しかしリッツ・カールトンでは、笑顔だけでは不十分で、そのワンランク上の「ワクワク感を持って仕事に取り組む」ことを目指しています。これを英語で表現するなら、

 

「Play」

 

という感覚です。

 

つまり、「レッツ・ハブ・ファン」「レッツ・エンターテイン」を合言葉に、お客様に楽しんで頂くことを考えて、ワクワクしながら働く。言い換えれば「遊び心」を持って仕事をするのが、リッツ・カールトンの信条といえます。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1. 心の持ち方が変われば行動も変わる

2. 行動が変われば成果も変わる

3. まとめ

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1. 心の持ち方が変われば行動も変わる

 

著者はホスピタリティあふれるサービスで知られるホテル、リッツ・カールトンの日本支社長を務められた方です。

 

 

普段仕事に取り組む際、私たちは一体どんな気持ちで目の前のそれと向き合っているでしょうか。それは面白い仕事なのか、つまらない仕事なのか、面倒くさい仕事なのか。あるいは気が重い仕事なのか。

 

日本語の場合、前につく形容詞が変わるだけで、「仕事」という言葉は「仕事」のままですが、英語の場合は、同じ「仕事」を表す場合でも、そもそも違うニュアンスを含むものとしてそれぞれ別の単語で表現されるようです。

 

つまり、自分が「その仕事に対して抱いているフィーリング」まで内包しているというのです。今回引用した箇所の「Labor」と「Job」を「Work」の使い分けには、なるほどと思いました。

 

タスクリストなんかを作って、今日やらないといけない仕事を書き出したりします。それらを今回のような「Labor」と「Job」と「Work」の視点で分類してみるとどうなるでしょうか。ほとんどが「Labor」と「Job」に入ってしまって「Work」が数えるほどしかない、ということはありませんか。

 

今、仮に今日やる10個のタスクを分類してみたところ、いやいややる仕事である「Labor」が6つ。普通にやる「Job」が3つ。笑顔でこなせる「Work」が1つだったとします。

 

ここでちょっと想像してみましょう。もしこれら10個のタスクが全て笑顔でこなせる「Work」だったとしたら?その日1日は幸せと充実感に満ちた仕事ができるのではないでしょうか。

 

おそらく、そういうことなのです。自分のやりたい仕事、面白いと思う仕事を優先するのではなくて、全ての仕事を「Work」に出来るよう、私たちの考え方の方を先に改めるのです。

 

「Labor」や「Job」だと思っていた仕事を「Work」だと思えるようになれば、1つ1つの仕事に対する取り組み方も変わってきます。

 

 

2. 行動が変われば成果も変わる

 

リッツ・カールトンでは、「Work」のさらに上位概念として「Play」を位置づけているそうです。

 

これはもちろん、不真面目に仕事をするとか、仕事をサボるという意味ではないでしょう。あえて仕事と「正反対」の言葉を持ってきているあたりが心憎いですが、「遊び心を持って仕事をする」ということのようです。言わば「職業の道楽化」です。

 

本書では、朝食バイキングで和食の品ぞろえが少ない、という不満を口にしたお客様を驚かせるために、そのお客様が次に宿泊されるまでのそれから3カ月間、スタッフが焼き魚を品揃えに追加して、そのお客様に配膳できる機会を待ち続けたという事例が紹介されています。

 

このときスタッフの中には、今度来られた時には、お客様を驚かせたい、喜んでもらいたい、という気持ちが強くあったのでしょう。

 

「誰かに喜んでもらいたい」というワクワク感が、自分の仕事の質の絶えざる向上に結びついていくのだと思います。

 

すなわち、「Work」を超えて「Play」の域で仕事をするためには、この気持ちが必要不可欠です。

 

これは別に接客業、サービス業に限る話ではないでしょう。製造業でも同じです。モノづくりをしていても、その商品を使うエンドユーザーは必ず存在しています。もっというと、社外はおろか、社内の上司や他部署の人でも、自分にとってはみんな「お客様」です。

 

「驚かせたい」、「喜ばせたい」と思うならば、相手の期待値を上回らなければなりません。そうなると自分の仕事に真剣に取り組み、さらなる質の向上を目指すという選択肢しかなくなります。

 

そのような「Work」を超えた「Play」の仕事は、間違いなく良い成果を生み出してくるものだと思います。

 

 

3. まとめ

 

・仕事に対する「心のありよう」は4段階ある

  

・「Labor」よりも「Job」、「Job」よりも「Work」を目指そう

 

・「Work」を超えて仕事を「Play」にするためには、

 誰かを「驚かせたい」、「喜ばせたい」という気持ちを持つこと

 


〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

リッツ・カールトンのホスピタリティについて学ぶ


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・仕事に対する心の持ち方を4段階で表せるのが

 面白いと感じた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・全ての仕事を最低でも「Work」、できれば「Play」にすることを目指す


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・全ての仕事が「Work」や「Play」で構成されており、

 毎日とても充実した職業生活を送っている

 

・仕事の質が目に見えて向上している

 

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