仕事の価値を高めるには? 読書日記『起業家のように企業で働く』小杉俊哉 著①
今日の読書日記は『起業家のように企業で働く』から、「最速」か「最高」を目指すことについて。
「最速」か「最高」でないと勝てない
仕事は完成度と時間のかけ算
いうまでもなく、仕事はその完成度が問われる。だから、最高、完璧を目指すことは常に必要だ。
一方、その「完成度」とともにもう一つ重要な軸があるよね。そう「時間」だ。いまさら、と思うだろうが、意外だがビジネスパースンでも、仕事は「完成度」と「時間」のかけ算であることを意識していない人が多い。
どういうことか説明しよう。
仕事は最高のアウトプットであるには越したことがない。しかし、それがタイミングを失していたら何の役にも立たないということだ。
英語では"Quick & Dirty"という。つまり「素早くて雑」だ。それでいいのだ。早いということは何よりも価値があるのだ。もし、上司の意図するものと方向性がずれていた場合、早ければ、上司からそのフィードバックをもらって修正をする余裕も十分にある。
逆に時間をかけるのであれば、相手が唸る位の最高のアウトプットが求められる、ということだ。つまり多大な労力を掛け、エネルギーを注ぎ、相当な覚悟を持って完璧なものを作る必要があるということだ。
これは、お礼状やお礼メールなどでも同様だ。人にお世話になったり、ご馳走してもらった場合は、できれば当日中か翌日にはお礼状かお礼のメールを出す。これができる人に共通した行動だ。
仕事は、もちろん最速で最高、がベストだが普通はまずないことだ。だから、最速であるか、あるいは、最高であるか、そのどちらかでないと価値を生まない。そう肝に命じておくといい。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 完成度を意識する
2. 速さを意識する
3. まとめ
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1. 完成度を意識する
「あそこまでできたら提出しよう」とか、「これだけは終わらせてから連絡しよう」となどと、自分の中での区切りを決めて物事に取り組むことがよくあります。
それなのに色々な言い訳を用意しては、自分で決めたその区切りに昨日も今日も到達することができずに、結局締め切りだけをどんどん後ろ倒しにしてしまっています。
そして気がつけば、やることがたくさん溜まっており、自分に対する自信を失ってしまう。こうなってきたら要注意だと思います。
今の自分は何に指標を置いているのか見つめ直してみましょう。それはもしかしたら「完成度」ではないでしょうか。
「完成度」で仕事の進捗を見積もる場合であっても、既に何度も行なっているような定型的な仕事、いわゆるルーティンワークなら、それほどは問題が発生することはないでしょう。所要時間の見積もりも大体分かっているはずです。
でも、非定型的な仕事の場合、仕事にかかる時間や、目標到達点に辿り着くまでにどれだけの段階を踏まえればよいのかということがわかっていません。ですから、時間も想定以上にかかりますし、仕事の進捗もとてもゆるやかなものになるでしょう。
そうしているうちに求められている、あるいは約束した〆切を守れなくなってしまうのです。
「完成度を上げる」という指標に基づいて取り組むことにはもう1つ問題点があると思います。
それは、自分の中での完成度と、それを受け取る人の中での完成度は異なっている、という点です。
自分の中ではこれ以上ないくらいの素晴らしい仕上がり、100点満点の仕事をした、と思っていても、受け取る上司や顧客からしてみれば40点、という評価を下されることもあるでしょう。
逆に自分ではまだ納得ができないような、55点くらいの仕上がりであっても、相手からすれば70点の評価をもらえることも起こりえます。つまり「完成度」という指標は主観的なものなのです。
いずれにしても、相手からの評価が未知数である以上、必要以上に悩んで持ち時間を消費することにはかなりのリスクがあるということになります。
2. 速さを意識する
それではどうしたら良いのか。今回引用した箇所では"Quick&Dirty"(素早くて雑)を基本方針とすることが述べられています。つまり、完成度は二の次にして「スピード重視」でいきましょうと。
なぜかというと「完成度」を向上させるよりも「スピード」を早くすることの方が簡単だからです。
「完成度」は前述のように、顧客によって評価が異なり、また、自分がどのくらいその仕事に習熟しているかにも依存します。
一方で「スピード」ならば、自分から見ても顧客から見ても、仕事を仕上げて提出した日は同じ日の同一時刻になります。これなら客観的な評価が可能です。
そして、「とにかく何日の何時までにできたところまでで提出する(完成度は問わない)」と決めてしまえば、「誰にでも」達成ができる目標となるからです。
もちろん顧客(上司)からの早めのフィードバックが得られるというのも大きいです。
早めのフィードバックは、自分の認識の間違いによるやり直しの時間を大きく削減してくれます。
完璧主義を目指さずにDirtyにいく。必要最低限の完成度は当然実現しておく必要があります。それでも、スピードを重視することで、後から顧客の望む方向性に沿って完成度を上げていくことは可能になります。
私も依頼されていた仕事について、最初の結果が出た段階で、速報を顧客に送付しました。すると、それでOK、仕事完了となり、自分の中で当初予定していたそれ以降の仕事と結果の送付が必要なくなった、という経験があります。
「速さ」は常に意識しておきたいところです。結果的に質と量にも繋がってくることだからです。
3. まとめ
・完成度は主観的な指標、スピードは客観的な指標。取り組むならまずはスピードを速くすることから
・スピードを速くすることで、結果的に仕事の質と量も高めていくことができる。このため成長も速くなる
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・起業家のマインドを学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・企業の中で働いていても起業家としての
心構えと力は養うことができることが分かった
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・いつ会社を出ても生きていけるような、
精神力と実力を今のうちにつける
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・会社に頼らずに生活していけるような収入源を
得る
・助け合える友人・知人が増えている
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