利他に生きることの効用は? 読書日記『「信用」を武器に変えるマーケティング戦略』 平久保仲人 著①
今日の読書日記は『「信用」を武器に変えるマーケティング戦略』から、利他とそれにより生まれる幸せについて。
客の痛み苦しみをわからずに、顧客サービスを提供することはできません。また、部下の気持ちを受け止められずにリーダーを務めることもできません。感情を持った人間を指導するには、その部下と同じ気持ちになる能力が必須なのです。社員力に欠かせない第二の条件が人に慕われる人格であり、そのために求められる資質が共感力(エンパシー)なのです。
共感力が高い人は顧客の気持ちや悩みを理解できますから、商品開発や接客にも優れた力を発揮します。
どのような仕事であっても最もやりがいを感じるのは、人に喜ばれたときです。
客の喜びがマーケティングの目的であり、そのためにも常に客のことを考え利他的な行動を取ることが求められます。
利他的行動は長期的な幸福をもたらすことがわかっています。
人の役に立てることを喜びと感じるのは、そのように我々の脳がプログラムされているからなのです。
親切はまさに自分の幸せのために行っているのです。ですから、利他的な行動の見返りに報酬を期待するのは大きな間違いです。
仕事の目的は客を喜ばせることで、収入を得ることではありません。仕事の目的を生活の糧を稼ぐこととしては、喜びを得ることはできません。
顧客を喜ばせることを目的とすれば、より多くの幸せと喜びを得られ、その結果が収入となるのです。収入は顧客満足の副産物であって、それ自体を目的としてはなりません。まず、このメンタリティを変えることで職場での充実感はずいぶんと変わるはずです。
大切なのは「お客様を喜ばせる」という信念です。これがベースにないと、いくらテクニックを学んでも成功はありません。
人は成功したから幸せになるのではなく、幸せだから成功します。幸せな人は、モチベーションが高く、困難なプロジェクトに挑戦する意欲があり、物事を俯瞰的に捉え、創造力を発揮する傾向があります。
また、心がオープンで、まわりに気配りをするから一緒に働きやすいのです。豊かな人生を送るにも、ビジネスで成功するにも、人から好かれる人格を身につけることが最も重要な課題です。
好感度が高いということは、人を幸せにしているということです。スマイルは正しく生きる美徳の証明なのです。
〈今日のコンテンツ〉
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1. あとさきを間違えない
2. 幸せはいつも
3. まとめ
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1. あとさきを間違えない
成果を、特に収益につながる成果を出したいということは、働いている人なら誰でも考えることではないでしょうか。 もちろん私もそれを考えています。どうすれば収益に繋がる成果を出すことができるのか。
そして、収益を出すためにはそれに「直接的に」影響を及ぼす行動をとる必要があります。見込み客を訪問したり、広告宣伝をしたり、実際に商品を販売してみたりしないといけません。
いくら良い習慣だからといって例えば「早起き」を続けたとしても、それが「間接的に」成果に影響を及ぼすことはあったとしても、「直接的な」行動を変えない限りはいつまでたっても自分が求める成果にはつながらない、ということになります。
行動の結果は私たちがコントロールできないものです。しかしながら結果に対してコミットしてそれに向けて行動することは非常に大切です。
この本では「コミットメント」という言葉を「自己犠牲を払ってまで物事に従事する姿勢」と定義しています。いわば、その物事に取り組む「覚悟」や「真剣さ」の度合いのことです。
成果や収益を上げるためには「覚悟」や「真剣さ」が求められるのは当然ですが、前提となる考え方の部分を間違っていないかどうかを確認しておきたいところです。
それは「目的」をどこに置いているのか、ということです。「成果・収益を上げること」を目的においてしまうと、短期的にはうまくいくかもしれませんが、長期的にはお客様は離れていってしまうことになると思います。
そうではなくて、引用箇所に述べられているように「目的」を「お客様を喜ばせること」に設定するとどうでしょうか。
お客様に感謝して頂ける。笑顔と「有難う」の言葉を頂ける。その状態をイメージすると、そして、それが叶うとしたら、とても温かい気持ちに満たされてくると思いませんか。自分に向けられた感謝の気持ちはまごうことなき自分の幸せです。
私たちが人と人との関係性の中で生きている以上、この小さな心の交流こそが仕事への活力を生み出すのだと思います。
ですから、目的のあとさきを間違えないように十分気を付ける必要があります。
収益はあくまでも「副産物」だということを忘れないよう、気をつけておきたいです。
2. 幸せはいつも
そして、「目的のあとさき」と同様に、「幸せのあとさき」も取り違えないようにしたいと思います。
ここで重要な考え方は、
「うまくいった!」→「幸せ」
の順序ではなく、
「幸せ」→「うまくいった!」
の順序である点。
うまくいったことに対して「喜び」「嬉しさ」「幸せ」を感じるのも事実です。でもそれに拘りすぎると上手くいかない状態はずっと「不幸せ」ということになってしまいます。そしておそらく、「成功したから幸せ」という流れだと、長い期間で比べた時には「不幸せ」である期間の方がずっと長くなってしまうのではないでしょうか。
それに対して、「幸せが先にある」状態だとするとどうでしょうか?この場合、「幸せ」は「成功」・「失敗」には依存していません。ですから、同じ期間内で見ると、「幸せ」の期間の方が「不幸せ」な期間よりもずっと長いでしょう。
「幸せ」な状態にあるから成功する。私たちもよく知っている「笑う門には福来る」ということわざは、まさにこの状態を表しているのですね。
自分は先に「幸せ」な状態になんてなれない、そんな状態作れないとお考えの方もいるかもしれません。でも大丈夫です。「幸せ」を感じる状態は作れます。
それは引用箇所にも述べられていた「利他」の行動を行うことです。電車で席を譲るのも、あるいはもっと小さなことでも、見返りを特に期待しない誰かのための何かの行動によって、私たちは「幸せ」を感じることができるようになっています。
ですから整理すると、「利他の行動」→「幸せ」→「成功」の順番で訪れるのですね。
まずは自分の行動を見直すところから始めていこうと思います。
3. まとめ
・仕事の目的は「収益を上げること」ではなく、
「お客様に喜んで頂く」こと
・「うまくいった」から感じる幸せは長続きしない
それよりもいつも「幸せ」がある状態を目指そう
・「利他の行動」が「幸せ」に、そして「成功」に繋がる
という順番を間違えないようにしたい
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・顧客と長く信用・信頼関係を築くマーケティングの考え方と
手法を学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・自分のこれまでの考え方を見直すきっかけを得た
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・「利他」の行動を心がける
・自分の仕事において「お客様に喜んで頂くこと」を
一番の目標とする
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・「利他」の行動が無意識に行えるようになっている
・「幸せ」を感じられる期間が今よりも長くなっている
・身の回りの人達に「幸せ」を伝搬させることができるようになっている
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