読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

生産性を高めるには? 『生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』伊賀泰代 著

 

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

 

 

今日の読書日記は『生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』から、

 生産性を上げるためのタイマーの徹底活用について。

 

マッキンゼーで新人育成を担当していた頃、パフォーマンスが上がらないと悩む新人コンサルタントによく与えていたアドバイスが、「キッチンタイマーを買って作業時間を可視化するように」というものでした。

 

ほぼすべての新人コンサルタントが最初に直面する問題は、生産性が低すぎるということです。

 

キッチンタイマーを使うよう勧めるのは、彼らに「今は何にどれだけの時間がかかっているのか」を自分で正確に把握させるためです。

 

仕事の遅い新人は、最終的な成果にはつながらない不要な情報を大量に集めて読み込むことに何時間も使っていたり、付加価値がほぼゼロに近い「グラフをキレイに整える」といった作業に多大な時間をかけています。

 

自分が、そういった付加価値の低い作業にどれほど長い時間を(知らず知らず)費やしているか=どれほど仕事の生産性が低いか、ということを実感させるためにキッチンタイマーはとても役立ちます。

 

頭で正しい方法を理解しても、まだまだ新人の生産性は極めて低いレベルにとどまります。そこでそれを少しずつ上げていくためにも、タイマーが役立ちます。

 

何をどう変えれば、どれほどスピードがが変わるのか、ひとつひとつ効果を計測することで、さらなる改善が可能になるからです。

 

タイマーを使わずに生産性を上げようとするのは、体重計に載らずにダイエットをするようなもので、効果が測定できなければ手法の正しさも確認できません。

 

調査・分析と資料作成に関していえば、新人は一年かけて、その生産性を五倍以上に上げていきます。その時点とマネージャー昇格時を比べると、さらに三倍以上は生産性を上げる必要があります。パートナーを目指すなら、そこからさらに数倍の生産性の向上が必要でしょう。

 

マッキンゼーにおいて成長する、昇格するとは、仕事の生産性を上げることに他なりません。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1.成長とは生産性が上がること

2.事前に完成図をイメージしておく

3. まとめ

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1. 成長とは生産性が上がること

 

 

マッキンゼーの人事部門でマネージャーをされていた方の本です。組織として、特に工場のブルーカラーではなく、ホワイトカラーの生産性を高めていくためにはどうすれば良いかが述べられています。

 

自分の成長というものをこの本では、「生産性が上がること」と定義しています。

 

そして生産性を上げるための分かりやすい方法として、「キッチンタイマーで時間を測る」ということが挙げられています。

 

どんな仕事でも慣れがありますから、経験を積むうちに、同じ時間内に行えるアウトプットの量や質も変わります。

 

また、同じ仕事であれば、それをこなすのにかかるスピードは短時間で済むようになるはずです。

 

ただ、1つ1つの作業を細かく分解して、その時間を常に測り続ける、というような「徹底」はなかなか行えていません。

 

工場の場合は、生産効率を高めるため、作業者一人一人の1つの動作あたりの時間をストップウォッチで測定して、改善点を見出すことも行なわれています。しかし、事務的な仕事ではそのようなことはほぼ無いのではないかと思います。

 

でも、引用部分にダイエットの例で挙げられているように、確かに「時間を測定する」ことで意識づけを行わない限り、自分の今の仕事の生産性は高められないように思います。

 

一例として挙げると、私はこの文章を2000字書くのに今はだいたい1時間くらいかかってしまっています。

 

でも、もっと速く書ける人だって当然いるわけです。字数だけが生産性を示す指標ではないでしょうが、目安にはなるでしょう。

 

当面の理想としては、30分で3000字くらいは書けるようになりたいと思っています。

 

理由は、それができるようになれば、今、1時間かかっているところの残りの浮いた30分でさらに生産性を上げるための活動を行うことができるからです。

 

 そしてそのためには、タイマーで時間を測ることにより、時間に対する自分への意識づけが欠かせません。

 

2. 事前に完成図をイメージしておく

 

 

タイマーで時間を測ることの効用は、単純にその仕事のスピードが上がるだけに止まりません。

 

タイマーで仕事の時間を測り続けることで、自分の中での時間に対する意識が変化していく、ということが起こります。

 

タイマーを使って時間に対する感覚をすりこむことで、日々の様々な活動に自分がどれくらい時間を使っているのかに注意が向くようになります。

 

すると、この時間はうまく使えていた、でもこの時間は不満が残った、というように自分の時間の使い方の見直しができるようになるのです。

 

私はその日にやることを手帳に書き出した時、それぞれの項目について、必要だと予想する時間と実際にかかった時間の両方をメモするようにしています。

 

すると、振り返りを行った時に、大抵の項目について、如何に自分の見積もりが甘かったかということが分かります。

 

 また、自分がさばける仕事の量、というのもつかめるようになってきます。例えば、ある日において、自分が自由に使える時間が計2時間しかないのに、そこに4時間かかるタスクの計画を入れていたら、それは最初からできるわけがありません。

 

使える時間が限られているのに、その時間内には実行不可能な項目まで書いていると、消化不良による不満が鬱積して精神衛生上にもよくありません。

 

逆に、例え数や量は少なくても、限られた時間内にやるべきこと、やりたいことを確実にこなすことができたなら、満足感は高くなります。

 

そしてその満足感は、生産性が高まったことにより生み出された余剰時間におけるさらなるチャレンジへの意欲にも変化するのだと思います。

 

 

この本では時間測定以外にも仕事の生産性を高める方法が紹介されています。それが「ブランク資料」を作る、というものです。

 

どういうことかというと、例えば、何かについての報告資料を作らないといけないという時に、最初に必ず、資料の完成した状態のイメージ図を作っておく、ということです。

 

最初に資料の完成図をつくっておけば、どういう情報を集めればその資料が完成するかが分かるので、余分な情報をひたすら集めるだけの手間が省けます。

 

また、完成状態をイメージした「ブランク資料」を上司(顧客)に見せておけば、資料が出来上がってから上司のコメントをもらう場合に比べて、後戻りの手間と時間を減らすことができます。この結果、生産性が高まるのです。

 

この「完成状態を先にイメージしておく」ということは、資料作成の場合に限らずどんな仕事においても役に立つでしょう。

 

この仕事(目標)を達成するにはどういう状態になればOKなのか?

 

を最初にできるだけ明確にしておいて、それから

 

では、その実現のために自分に出来る行動は何か?

 

を明確にする。

 

後は、行動あるのみです。

そして、行動するためにはいくらかの「心理的ハードル」を乗り越える「覚悟」が必要になってきます。

 

このあたりの話はまた日を改めてお伝えさせて頂きたいと思います。

 

3. まとめ

 

・成長するとは生産性が上がること

 

・生産性を上げるには作業を細かく分解して、

 タイマーで、一つ一つの作業にかかる時間を測定することを

 繰り返す

 

 ・仕事に取り組む前に、完成図を作って上司(顧客)と合意形成しておくことで、

 情報収集や後戻りの手間を削減し、生産性を高めることができる

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・生産性を高める方法を知る


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・時間を測ることを徹底して行うことが

 生産性を高める道であることを再認識した

 

・いきなり始めるのではなく、完成図を作ってから

 仕事を始めることが結果的に仕事のスピードを速めることを学んだ

 


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

スマートフォンのタイマー、バイブレーション式のキッチンタイマー

 フル活用してみる

 

・完成形を描いてみてから、目標への一歩を踏み出すようにする


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・現状の1時間で2000字の文章作成から30分で3000字の文章作成まで

 文章作成の生産性が3倍高まっている

 

・事前に完成形を描くことで、後戻りのないスムーズな

 業務進行が行えるようになっている

 

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