読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

ブロックチェーンが普及するとどうなるのか? 読書日記『ブロックチェーン・レボリューションーービットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして社会を変えるのか』ドン・タプスコット,アレックス・タプスコット 著

 

 

 

今日の読書日記は、『ブロックチェーン・レボリューションーービットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして社会を変えるのか』から、ブロックチェーンが変えていく世界について。

 

 

時代の変わり目には、知識の普及と新たな法律や機関の整備に長い時間がかかるのが常だった。ときには数世紀かけて、大きな衝突や革命を繰り返しながら徐々に変化は進んできた。

 

しかし現在では、変化のスピードがおそろしく速くなっている。それだけでなく、変化の加速度自体もどんどん増大している。

 

 

その結果として政治や監督機構は現実と大きく乖離し、デジタル時代のニーズに応えられなくなった。

 

テクノロジーの奴隷にならないためにも、デジタル時代に合わせた新たな社会契約を考えるべき時期が来ているように思われる。

 

ブロックチェーンのガバナンス・ネットワークは、そうした変化の時代に新たな光を投げかける。政府と民間、社会と個人のつながりあいの中から、オープンで自由で、誰もが豊かさを享受できる相互ネットワークのエコシステムが立ち上がってくることだろう。

 

 

世の中には、既存のパラダイムで成功している人ほど新しいパラダイムを受け入れがたいという法則がある。

 

メディア王のルパート・マードックはハフィントンポストをつくれなかった。電話会社のAT&Tスカイプをつくれず、Visaはペイパルをつくれなかった。自動車業界からUberは出てこなかったし、ホテル業界からAirbnbは生まれなかった。

 

過去の成功者は往々にして、新たな挑戦者に道を譲っていく。

 

この法則はブロックチェーンにも当てはまるのだろうか。

 

インターネットの初期と同じように、ブロックチェーン革命は既存のビジネスモデルをひっくり返し、業界を変革するという使命を負っている。

 

でも、革命はそこで終わらない。ブロックチェーン技術はすごい速さで、僕たちを新たな時代へと運んでいく。世界はオープンで、豊かで、分散的で、真にグローバルな時代へと突入するのだ。

 

次世代のビジネスリーダーたちは、ゲームのルール自体が変化することを覚悟しておかなくてはならない。業界が変わり、働き方も変わるだろう。過去にしがみつく者はパラダイムの変化に取り残される。

 

行く手には希望と危険が待ち受けている。世界は光の側に進むのか、それとも闇に堕ちるのか。それを決めるのは、今の僕たち一人ひとりの行動だ。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

ーーーーーーーーーーーーーーーー

1. ブロックチェーンとは?

2. 世界の変わり目にどうするか?

3. まとめ

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

1. ブロックチェーンとは?

 

「ブロックチェーン」という言葉を見聞きされたことはありますか?

 

最近、人工知能(AI)がよく話題になっていますよね。その人工知能と同じく、ブロックチェーンはこれから「世界を大きく変えていく技術の一つ」だと考えられています。

 

ブロックチェーンとはどういうものなのか?その前に「ビットコイン」という言葉についても知っておく必要があります。

 

ビットコイン」はインターネット上で利用されている「仮想通貨」の一つです。

 

「仮想通貨」というのは、例えば日本銀行などのように、どこかの銀行によって一元管理されている「法定通貨」ではありません。従って、国による「価値の保証」はありません。

 

その代わりにビットコインを流通させている「システム自体」が多数の利用者によって「信用」されているため、「通貨としての価値がある」と認識されているということです。

 

「通貨としての価値がある」とはつまり「何かのモノやサービスと実際に交換可能である」ということになります。

 

そして、このビットコインのような「仮想通貨」の流通を成り立たせている「システム」こそが「ブロックチェーン」にあたります。

 

ビットコインによる「取引」のデータは、「ブロック」と呼ばれるひとかたまりのデータとして記録されます。

 

この取引データの「ブロック」が、取引の行われた時間順にどんどん後ろに追加されていくため、ブロックのつながり、「ブロックチェーン」と呼ばれるようになりました。

 

このブロックチェーンというシステムの主な特徴として、

 

・分散されていること

 

・誰でも見ることができること

 

・セキュリティが高い(データの信頼性が守られる)こと

 

があります。

 

まず、世界中のブロックチェーンの利用者のPC上で分散して管理されているため、データが一元管理されたサーバーのように、ハッキングすることなどはできません。

 

また、集中管理ではなく、分散されているため、この取引データは誰でも自由に閲覧することができます。

 

さらに、取引データが付加的にどんどん増えていくことから、データを改ざんして不正に書き換えることが難しい仕組みになっています。

 

と、ここまで書いてきたものの、私自身も「ビットコイン」や「ブロックチェーン」の概念をよく理解できていると呼べる状態にはほど遠いため、これ以上技術的な詳細に立ち入ることは控えておきます。(というか、できません。)

 

 

ですが、この「ブロックチェーン」をうまく活用することにより、今後、色々な社会変化を起こせる可能性があると考えられています。

 

本書では「ブロックチェーン」により「今後起こりうる社会変化」=「革命」の事例が複数提示されています。

 

この技術の面白い点は、あらゆる「取引」が、「ブロックチェーン」として記録することができるというところだと思います。

 

お金のやり取りだけでなく、出生や結婚の記録、不動産の登記、入院・通院の記録、選挙投票や食品の生産地なども、「ブロックチェーン」に記録として残すことができます。その特徴を活かすことで、「これまでのやり方」が変化していくのです。

 

今回は、一番分かりやすいと思われる「仲介手数料ビジネス」の例をご紹介させて頂きたいと思います。

 

 

2. 世界の変わり目にどうするか?

 

 

日本でもよく聞くようになりましたが「Airbnb(エアビーアンドビー)」という会社があります。

 https://www.airbnb.jp

 

この会社は、ホテルや旅館などの宿泊施設以外の、アパートやマンション、戸建てなどで、「空いている」部屋をその持ち主から募集します。

 

そしてその空いている部屋に泊まりたい人が、希望の部屋を検索して予約することのできるサイトを運営しています。いわゆる「マッチングサイト」です。

 

それにより、「空いている部屋」を提供した側(ホスト)は、宿泊料という収入を得ることができます。宿泊したい利用者側は、ホテルや旅館よりも安い料金で宿泊することができます。ここにWin-Winの関係があるわけです。

 

これは「空いているものの有効活用」ですね。

 

「民泊」という言葉も最近よく聞くようになりましたが、このような既存の宿泊施設以外での民間の空き部屋を利用した宿泊のことを指しています。

 

そして、Airbnbは利用者が支払う宿泊料の中から、何%かの手数料収入を得ることでビジネスを成り立たせています。

 

このようにAirbnbという「会社」が、「部屋を貸したい人」と、「部屋を借りたい人」の間に入ることで、信用を担保しているわけですね。

 

これがもし、個人同士の取引だとどうなるでしょうか?

 

部屋を旅行者に貸し出す場合は、何度も利用するお客さんよりもたった一度切りのお客さん、ということが多いでしょうし、さらに外国からのお客さんの場合は信用という面でも不安があります。

 

そうなると契約におけるトラブルも発生しやすくなるでしょう。

 

そしてここに「ブロックチェーン」の利用価値があります。

 

ブロックチェーンを使った取引の「信頼性が高い」

というのは前述した通りです。

 

つまり、ブロックチェーンを利用した契約(スマートコントラクト)では、Airbnbのような信用を担保する「仲介者」を間に挟まなくても、貸し手と借り手の間で「直接」、安心、安全な商品やサービスのやり取りが行えるようになる、ということなのです。

 

例えば、銀行の場合、貸し付けを行い、返済されるお金に利息を乗せることで収益を得ています。

 

ところが既に海外では、このブロックチェーンの仕組みを利用して、ベンチャー企業が、銀行を仲介しないで、銀行よりも圧倒的に低い利息で融資を行うビジネスを始めています。

 

海外への送金など、銀行を通すと高額の手数料がかかることも、ブロックチェーンによる送金を行えば、より安い費用と、短い時間での送金が行えるようです。

 

商品やサービスの利用者、顧客側としてみれば、当然、安い金額で利用できて、手元に残るお金が多い方が助かります。

 

ということは、上記のAirbnbや銀行の例で述べたような、「仲介手数料」によって成り立っているタイプのビジネスは、今後全て「ブロックチェーン」という技術によって駆逐されていく可能性もある、ということです。

 

今回ご紹介したことはあくまでも一例であり、他の様々な業界もブロックチェーンにより引き起こされる変化の影響を大なり小なり受けることになります。それについては、本書を是非読んでみて下さい。

 

 

ブロックチェーンがさらに普及していけば、今回引用した部分にあるように、

 

「既存のビジネスモデルはひっくり返り」、

 

「過去にしがみつく者はパラダイムの変化に取り残される」

 

ことになるのです。

 

 

私たちは、この「ブロックチェーン」という新たな世界の変化の波に乗っていく方を選び、その上で自分の仕事についても考えていかなければならないのだと思います。

 

 

3. まとめ

 

・ブロックチェーンはあらゆる

   「取引」のデータを記録することができる

 

・その性質から多様な業界の既存の

    ビジネスモデルを書き換える可能性を秘めている

 

・私たち自身も、変化することを恐れず

    新たなパラダイムを手に入れる必要がある

 

  

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
ーーーーーーーーーーーーーーーー

1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・ブロックチェーンの意味と適用範囲について

    学ぶ


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・ざっくりとではあるがブロックチェーンの

    イメージが掴めた

 

・これから起こりうる変化の可能性について

    学べた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・引き続きブロックチェーン関連の情報の

    リサーチを行う

 

・ブロックチェーンを利用したビジネスプランを

    考えてみる


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・今よりもブロックチェーンやビットコイン

    対する理解が深まっている

 

・変化を起こす側に回る準備が進んでいる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 


<お知らせ >

このブログのメルマガ版の配信を希望される場合は、
下記リンク先からご登録をお願い致します。

メルマガ「読書尚友」登録フォーム