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読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

自分をよりよく知るためには? 読書日記『アンドロイドは人間になれるか』石黒浩 著

 

アンドロイドは人間になれるか (文春新書)
 

 

 

今日の読書日記は、『アンドロイドは人間になれるか』から、自分をよりよく知るための方法について。

 

 

画家には、二通りの描き方がある。計算し尽して描くタイプと、いきなり完成形が「見えて」しまって描けるタイプだ。

 

たとえばシャガールは後者だろう。計算ゼロの落書きのように描ける。

 

僕はシャガールのようには描けない。なぜこんなに適当に描いてバランスのいい絵になるのか、よくわからない。あれは天才だ。

 

シャガールのように「なぜこんなふうに描けるのか。なぜ自分はこういうものを描けないのか」と感じさせる絵には、異様に興味がわき、いつまでも見ていたくなる。

 

自分のなかにも本当はあるかもしれないのに、まだ発見できていない部分のように感じるからだ。

 

もちろん、自分にそんな才能はないのかもしれない。ただ僕は負けず嫌いだから、「トレーニングしたらできるかもしれない」と思いながら、絵や造形物を見ている。

 

自分ができそうにないもののなかに、自分がまだ知らない自分をみつけようとする。自分の内面はそうやって発見していくものなのだ。トレーニングをして作っていくものなのだ。

 

自分のなかに種さえあれば、がんばって掘り起こせば芽は出てくるはずなのだ。

 

こうした感覚、こうした努力は研究者にとって重要である。

 

 

いまの自分の内側を見て、あるいは他人を見て「自分にはこれがない」とあきらめるのではなく、「きっと自分もできるはずだ」と思って掘ってみることが大事なのだ。

 

たいていのことは、あるていどまでは後天的にできるようになる。いま自分のなかにないものは、他者から学習して取り込むか、自分で作ってしまえばいいのだ。他者のなかに知らない何かがあり少しは自分でも興味があるなら、近づいて取り込めばいい。

 

僕はたいていのものは、そうやってできるようになってきた。

 

ひとつふたつできるようになると、その応用で似たようなことは大概できるようになり、また次の何かを探し始める。そうやって新しいものを発見し、価値を作りだしている分野が、僕の場合はロボット研究である。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1. 自分が今できないことのなかから、自分を探す

2. 問いを突き詰めて、掘り起こす

3. まとめ

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1. 自分が今できないことのなかから、自分を探す

 

 

この本は、人型ロボット(アンドロイド)の世界的な研究者である大阪大学の石黒教授が、自身の開発してきたロボットと、それを通して「人間とは何か」という問いについて考えてきた経緯について述べられたものです。

 

様々なロボットを実際に人と触れ合わせる実験を行い、その様子を観察する中で得られた、「人間というものの本質」に関する知見が紹介されています。

 

そして将来、アンドロイドが普及した社会でのアンドロイドの位置づけがどのようになっているか、どのような可能性があるかについても考察されています。

 

宗教とアンドロイドの関わり方の話や、接客アンドロイドの売上が人間よりも良いことの話など、非常に興味深い話が盛りだくさんなのですが、今回は私たちの成長に関わりそうな一節を引用しました。

 

 

私たちは、つい、人と自分を「比べてしまう」生き物です。 

 

そして、「自分はダメだ」「あの人にはとてもかなわない」などと「勝手に」落ち込んでしまうことがよくあります。

 

しかしながら、負けず嫌いだというこの本の著者、石黒先生は違います。「徹底的に対象を観察」して「どうすれば自分にもこれができるのか」を考えているのです。

 

 そこにあるのは、「今の自分にはないけれど、眠っているかもしれない才能があることを信じる」という姿勢です。

 

 最初からあきらめてしまうのではなく、自分に足りない部分、「彼我の差」を徹底的な観察によって、明らかにしたら、今度はそれを自分でも突き詰めてみようとするのです。

 

 絵画にしても、人にしても、ただ「この絵うまいなー」「この人凄いなー」と感じて、そこで終わらせてしまうのではなく、そこまで真剣に対象を観察している人は、中々いないのではないでしょうか。

 

  

2. 問いを突き詰めて、掘り起こす

 

 

私たちは「自分とは何者か?」という問いと一生を通して向き合っていきます。

 

そして私を含めて多くの人は「自分自身の可能性を信じたい」とも思っているはずです。

 

自分自身が何者かを知り、自分の可能性を信じるための行為が、「今の自分ができないことの中に自分を探す」ことだと思うのです。

 

別に最近ではなくても、子供の頃でも構いません。何か「それまではできなかったけれど、ある時からできるようになったこと」はありませんか。

 

鉄棒の逆上がりでも良いですし、掛け算の九九が全て暗唱できるようになったことでも良いです。

 

それらのことができる前の状態と、できるようになった後の状態を思い出せますか。

 

例えば鉄棒の逆上がりなら、体育の得意な友達に鉄棒の持ち方、足の蹴り上げ方などのコツを教わったりしたのではないでしょうか。そして一生懸命練習したのではないでしょうか。

 

「周りの友達がみんなできているんだから、きっと自分にもできるはずだ 」

 

そう信じきって、「どうすれば」と考えて、練習を続けていたのではないかと思うのです。

 

そして、 「逆上がりができる自分」という新たな才能を掘り起こすことに成功したのではないかと思うのです。

 

今、大人になった私たちがこれから挑戦を始めようとしていることも、あの頃の逆上がりと本質的には何も変わっていません。

 

自分の可能性を信じて、自分の内面を深掘りしていくだけです。

 

才能を掘り起こすのに必要なスコップは1つだけです。

 

「どうすればできるのか」

 

この「問い」さえ持っていれば、何処までも、どんな畑でも荒地でも掘り進んで、「新しい芽」、つまり「自分が知らなかった新たな自分」を知る喜びを見つけていけるのだと思います。

 

「自分という存在を知り尽くす」ことは叶わないにしても、「たくさんの自分自身を知っている」ということは単純に嬉しく、満足感も得られるでしょう。

 

アンドロイドのように観察対象を外側に置き、それについて徹底的に考えるという行為は、結局のところ、自分自身を客観視して、自分自身を知るということになるのだ、ということを改めて教えてもらいました。

 

 

 

3. まとめ

 

・今の自分にできないことの中に

    新しい自分自身が見つかる

 

・「彼我の差」を徹底的な観察で明らかにして、

     真剣に突き詰めてみたい

 

・私たちの挑戦は子供の頃一生懸命

    取り組んで、できるようになった

 鉄棒の逆上がりと本質的に何も変わらない

    

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・アンドロイド開発の最新状況についての

    知識を得る


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・アンドロイドは指導者の教えをリアルな

   記録として後世に伝えることができるという

   点が面白かった

   

・アンドロイドは現実と仮想の境界の存在

    であるため、人との距離感が近いという

    ことが分かった

 

 ・アンドロイド普及後の世界について考える

     きっかけが得られた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・アンドロイド普及後の世界について

    もう少し考えてみる

 

・自分のできないことの中にある可能性の種を

    掘り起こしてみる


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・アンドロイド普及後の世界に対して、

    今よりもクリアな予測ができるようになっている

 

・自分が今できないと思っている可能性の種を、

    最低3つ、掘り起こしている

 

 

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アンドロイドは人間になれるか (文春新書)