読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

語学学習の本質は? 読書日記『ひらめきをのがさない!梅棹忠夫、世界のあるきかた』梅棹忠夫,小長谷有紀,佐藤吉文 著①

 

ひらめきをのがさない!  梅棹忠夫、世界の歩き方

ひらめきをのがさない! 梅棹忠夫、世界の歩き方

 

 


 今日の読書日記は、『ひらめきをのがさない!梅棹忠夫、世界のあるきかた』から、語学の学習について。

 

 

「猛勉強のかいあって、一カ月もするとわたしはスペイン語が話せるようになった。レストランに食事に行っても、すこしもこまらなかった。あるとき、イギリスからきた青年がスペイン語がわからないのでまごついているところで、わたしがスペイン語と英語の通訳をかってでたこともある。国境をこえたときには、ほとんどスペイン語をしらなかったことをかんがえると、まことにふしぎな気がした」

 

もちろん、語学力を自画自賛しているわけではなく、現地で集中的にまなぶことがいかに優れた学習方法かを実感しているのである。

 

一日三◯◯語程度の単語をおぼえて、一カ月でなんとか実用にいたる、という確信を得た梅棹は、この学習方法を「一カ月語学」と名づけた。

 

 

一九六七年のスペイン調査にひきつづき、一九六九年のイタリア調査でも一カ月語学を実行した。日常生活にはこまらなくなった。

 

調査がおわれば、もう忘れてもよいので、イタリア語の単語カードを捨てた、という話である。捨てたようすは、カラー写真におさめられている。

 

ヨーロッパ調査以降、「一カ月語学」の有効性が確信されてゆくが、実は、『モゴール族探検記』でも馬上で覚えたペルシャ語の単語カードを捨てる話が出てくる。

 

総じて語学については、「一どモノにした外国語を、一生保持してゆこうなどとかんがえると、たいへんなことになる」から、「なに、さびつかせておけばよいのである」というのがウメサオ流であった。

 

 

著者は『知的生産の技術』で有名な方ですね。本書は調査のために著者の梅棹忠夫氏が世界各地を訪れた際に撮られた写真とメモについて、民族学博物館の先生が編集して、解説をつけられたものです。見るだけで、世界を旅している気分になりますし、また、フィールドワークをする際の参考になりそうです。

 

今日はその中から、語学学習について。

 

著者は調査する国に滞在する間、

 

①一日三◯◯語程度の単語を覚えていく

②現地の学生から会話のレッスンを受ける

 

 

という方法で、一カ月でほぼ日常会話には困らなくなる程度、その国の言葉を身につけられたようです。

 

確かにこれほど効率的な語学学習の方法はないでしょう。

 

単語のインプット→先生へのアウトプットとインプット→現地でのアウトプットとインプット

 

この順番で、とても早いペースでインプットとアウトプットが繰り返される環境にあることがわかります。

 

私たちが語学を学ぶ上で、「現地でのアウトプットとインプット」の項目だけは、留学なり、駐在なりしていない限り、すぐには難しいかもしれません。

 

ですが、単語のインプットと、ネイティブの先生に会話を教わることは、日本にいても、努力次第でなんとかできるでしょう。

 

 

今回、私が気になったのは、著者の語学学習の方法もありますが、むしろ、その「手放し方」の方です。

 

著者は「一カ月語学」による集中学習で身につけた語学を、その国での調査が終わって次の調査国に向かうときには、あっさりと捨ててしまう、というのです。

 

なんという思い切りの良さだろう、と思いました。 

 

著者は「京大式カード」というものを発明されたくらいの、情報収集、整理、分類、再利用の達人です。学んだ語学についても、分かりやすく整理したであろう単語カードを保存しておくことだってできたはずです。

 

それなのに、「もう使わないから、必要ない」とあっさりと見切りをつけることができる。

 

 

きっと著者は自分にとって何が大切で何が大切でないのか、明確に理解していらっしゃったのだと思います。

 

現地のフィールドワークにおける写真や、住居や道具などのイラスト、考えたことのメモは後でまとめるためにとても大切なものです。

 

ですが、現地の人達に話を聞く、文章を読む、そのための語学は、あくまでも情報を得るための手段であり、著者にとっての「本質」ではありません。

 

だから、役目を果たし終えたら、躊躇せずに単語カードを手放すことができるのです。

 

1つの国だけならともかく、たくさんの国や地域を訪問して、その全ての言葉を覚えている、なんてことは確かにいくら記憶力が良くても難しいでしょう。

 

目的を達成するために必要だからこそ、語学を学ぶのであって、学ぶこと自体が目的になってしまっていないか。語学にしても、資格試験の勉強などにしても、振り返ってみる必要がありそうです。

 

その勉強をすることで、達成したい目標は何なのか。ただの勉強オタクになってしまっていないか。

 

そして、それに加えて、勉強したことに後生大事にしがみつかずに、未練なく手放して、次に向かっていけるか。

 

 細胞のように、学びからの目標達成を繰り返し、都度新しく生まれ変わるような、「新陳代謝」を行えるようになりたいと思いました。

 

 

〈今日のチャレンジシート〉
ーーーーーーーーーーーーーーーー
1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・フィールドワークの方法の参考にする

 

・広い世界に少し触れる


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・語学学習の方法が参考になった

 

・学習の目的をはっきりさせて

    短期集中することの重要性を学んだ


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・自分の学習の目的を、改めて問い直す


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・目的に焦点を合わせた行動に集中した結果、

    成果が目に見えて増えてくる

 

・今の状態を思い出せないくらい

   「新陳代謝」が進んでいる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー