自由を得るための心の持ち方は? 読書日記『哲学ってなんだ -自分と社会を知るー』竹田青嗣 著①
今日の読書日記は『哲学ってなんだ ―自分と社会を知るー』から、自由の概念について。
ヘーゲルは近代哲学最高のチャンピオンと言われるが、それには理由がある。彼は、先行する近代哲学者たちの考え方をすべて受け取ってまとめあげ、近代の人間と世界の原理を、きわめて本質的な理論の体系へと仕上げた。
人間はもともと「自由」な存在なのだという言い方は、人間は被造物だとする既成の権威や権力に対してはたしかに有効である。しかし思想としては十分本質的でない。人間が本来「自由」なのではなく、「自由たろうとする本性」をもつという「原理」を出したときに、それははじめて本質的なものとなる。
「人間は本来自由な存在であり、したがってまた自由な存在でなくてはならない」、という思考は、しばしば、単に「なのに人間が自由でないのは、世の中が根本的に間違っているからだ」といった素朴な思考へと帰着する。
これに対して、「人間はこれまで真に自由だったことは一度もないが、自由たろうとする本性を持っている」という考えは、「人間がほんとうに自由であるためには、どのような条件が必要か」という考えへと進む可能性を生む。
ヘーゲルはつぎのように主張する。人間は「自由」であるべきだ、というカントの考え方は悪くなかった。でもそれだけでは人間は「自由」にはなれない。それは人間は自由であるべきだという理想のイメージ、単なる「表象」にとどまる。
むしろ、各人が「自由」であるための現実条件は何であるのか、人間はその条件をいかに手にすることができるか、これをしっかり考えることで、「自由」の概念は、はじめて本質的な「概念」(=深い了解)になると。
10月は多忙であったため、約1カ月間、意図的にブログを書くことはお休みしていました。今月からまた再開していきたいと思います。よろしくお願い致します。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 他責と自責
2. 問いを持つ
3. まとめ
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1. 他責と自責
引用した部分の文章を読んだ時に私が思い出したのは次のようなことです。
自分がうまくいかないのは「あいつのせいだ」とか、「いま働いている職場のせいだ」など、自分を取り巻く環境に自分の幸福(自由)を任せてしまうのか。
あるいは、「なるほど確かにあいつのことは好きにはなれないし、今の職場で働くのも憂鬱だ。では、自分が幸福(自由)になるためにはどうすればいいのか」と自分に主体をおいて考えることができるのか。
この2つの視点は、現状が自分の思う通りに「うまくいっていない」という同じ現象に対する捉え方が違うため、その後の行動が全く異なってくると思います。一言でいうなら、「他責」にするか「自責」にするかということです。
今、自分が幸せ(自由)でない原因を自分の外部の人や環境にもとめるのが「他責」の考え方、一方、その原因を自分の内部に求めるのが「自責」の考え方です。
「他責」の思考は、精神的にはラクなのですが、いつまで待ったところで、自分を取り巻く状況が良くなることはありません(悪くなることはあっても)。そのため、極論すると、あまり救いがありません。
それに対して「自責」の思考は、自分を取り巻く状況の原因を自分に求めるため、向き合いたくない自分の弱さも見つめる必要があります。精神的にラクなことではありません。
ですが、本当に今の状況から一歩でも抜け出して前に進みたかったら、「自責」の思考の方を選ぶしかありません。
2. 問いを持つ
では「自責」の思考を持とう、と決断したら、それからどうしていけばよいのでしょうか?
引用部分には、「自由であるための現実条件は何であるのか、その条件をいかに手にすることができるのか、これをしっかり考えること」とありました。
つまり、自分がどのような状態にあったら幸せ(自由)であり、「どうすれば」その状態に近づくことができるのかを考え、行動していくということになります。
とくに大切だと思うのは、「いかに幸福(自由)を手にすることができるのかを考えること」という部分です。
例えば「時間がない」とか「お金がない」、「人間関係がつらい」とか「うまくいかないこと」があったとして、「時間(お金、良好な人間関係)を得ることができるとすれば、そのためにはどうすればよいのか」という「問いを立てる」ということです。
そして自分に対する問いを立てて、思いつくことを全て書き出してみたら次は「行動」です。
書き出したことは全てやってみます。何も思いつかなければ、関連した本やセミナーなどでを情報収集をしたり、誰かに相談したりして、その中から自分がやるべき行動を書き出して、全てやるようにします。
行動してみると、「本に書いてあったから」、「人がアドバイスしてくれたから」やってみたけど、それでもうまくいかないことがたくさんあります。その際、気をつけたい点は、そこで本や人のせいにしないことです。これを行うと幸せ(自由)が空から降ってくるのを待つ「他責」の思考に逆戻りしてしまうからです。
自分が幸せ(自由)な状態を得られるとすれば、その条件は何なのか?「どうすれば」その条件を達成することができるのか?
このことを日々、もっと言うなら時事刻々と考え続けて、行動を積み重ねていかないといけないのだと思います。
3. まとめ
・幸福(自由)を得るためには、他責ではなく、
自責の考え方が必要
・自責の考え方は、「どうすれば今の状況を自分は
打破することができるのか?」を問いかけ続ける
こと
・行動してうまくいかなくても他責にしない
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・哲学の勉強を始める前の土台作り
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・近代哲学の考え方をざっくりと予習することが
できた
・哲学の考え方に触れることができた
・自責に対する認識を深めることができた
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・さらに入門的な哲学の本を読み進める
・日々、時事刻々、自分のありたい姿を問い続け
行動を重ねる
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・哲学の入門的な知識が身についている
・決断と行動のスピードが日増しに高まっている
・自分のありたい姿の方向性が今よりもさらに
明らかになっており、それを言語化して
人に伝えることができる
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