読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

読書を効率化するためには? 読書日記『[改訂版]ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田和也 著

 

 

今日の読書日記は、『[改訂版]ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』から

本を効率的に読むための方法について。

 

 

本の「あたり」の付け方

 

 

全体をざっと眺めて、気になるところをちょっと読んでみる。それを買う前にやっておくのです。

 

これは、本を効率的に読む上ではとても大事なことです。つまりはだいたいこの本はどういうものか、という感じをつかんでおくわけですね。買う時点で、すでにその本についてのだいたいの見当をつけておく。

 

買って、自宅で読む前に、だいたいの見当をつけておくということは、二重、三重の利点があります。

 

まずは、自分がどのような資料、材料をもっているか、把握できているわけですから仕事の進行の見当がつけられる。

 

さらには、実際に通読するにあたって、何を目当てにその本をよんでいくか、という目的意識を鮮明にもつことができるのです。

 

もう一つの利点として、買いすぎること、さらには死蔵することを、防いでくれます。インターネットの、もっとも大きな欠陥は、ついつい買いすぎてしまうことです。

 

買いすぎるのは、まだいいのですが、買うだけで安心をしてしまって、届くとろくに開封もしないで、そのまま置いておくなどということもよくあります。

 

ですから私は、必ず立ち読みをして、本に「あたり」をつけておくことを、ルールとしているのです。

 

逆にいえば、立ち読みをせずには、なるべく買わない。このルールによって、本を買い、そして読むことの効率を上げることができます。

 

ここで、問題にしているのは、ただ書物を買っておくということではなく、実際に読みこなし、使いこなすことなのです。

 

だとすれば、その点では、立ち読みをして買うということが、一番合理的です。それは、数多くの本を買う人にとってこそ、大事なことだと思います。

 

 


〈今日のコンテンツ〉

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1. ふるいにかける

2. 抽出して、上澄みをとる

3. まとめ

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1. ふるいにかける

 

 

本書は圧倒的なインプット量とアウトプット量を誇る文筆家が行っている読み方と書き方の方法論について述べられたものです。

 

ただし、私のようにこのタイトルに惹かれた読者が知りたいであろう、「早く」、「数多く」読み、「早く」、「数多く」書くための具体的な方法についてはそこまで言及されているわけではありません。

 

そういう意味では、ちょっとタイトルを付け間違ってしまっている感があります。

 

 

今回引用した部分は、インプットの部分、本を効率的に読むためには、どうすれば良いか、という点について述べられた一節です。

 

紹介されている「書店で立ち読みして本を買う前にあたりをつける」というのは、決して斬新な方法ではありません。

 

むしろ、ほとんどの人が当たり前に行っている方法ではないでしょうか。

 

著者も述べられている通り、購入する本の数、所蔵する本の数が多くなるほど、この

「あたりをつける」ことの重要性が増してきます。

 

家の本棚にも容量の限界がありますから、本が増えてくると、処分する量を増やすのと同時に、入れる量も絞ってやらないといけません。

 

そこで事前に本を書店で確認して、自分の今の目的に沿う本だけを選別する。

 

この「ふるいにかける」というひと手間をかけるだけで、買わなくてもよかった本を買ったり、読まなくてもよかった本を読む無駄なコストを削減して読書の効率を上げられる、ということです。

 

そのために、本の購入は「インターネットではなく、立ち読みしてから」をルール化されているようです。

 

確かにAmazonのリコメンド機能(あなたへのおすすめ)を見ていると、際限なく、興味の湧く本が見つかってしまいます。あれもこれも欲しくなります。

 

でも、そこで踏みとどまって、興味のある複数冊の本を一度にAmazonに注文して、結局全てを読みこなすことができないくらいなら、インターネット書店はあくまでも「最初のふるい分け」に使用するだけにとどめておく。

 

そして、ふるい分けされた何冊かの本について、書店で実際に確認してみて、「今、自分にとって本当に必要な本」だけを選び出す。

 

それが、「読みこなし、使いこなす読書」への、一見回り道のようにも見える最短ルートなのだと思います。

 

 

2. 抽出して、上澄みをとる

 

 

そうやって選び抜いた本であっても、その中に書かれている全ての情報が有用というわけではありません。

 

この本の著者は、必要な部分の抽出のために以下のような方法を取られているようです。

 

①1回目の読書では全体に目を通し、面白いと思った箇所にページの「上端」を折る

 

②2回目の読書では上端を折ったページのみ読んでいき、それでも重要だと思った

 箇所だけページの「下端」を折る

 

③ページの「下端」を折った箇所についてノートに抜き書きして、コメントをメモする

 

 

結果的に本に3回は目を通しているということですね。これは「早く」読むための読書の方法ではありません。「使う」ための読書の方法です。(2回目以降は早くなりますが)

 

私がこの文章を書く上で、やっている方法もここに述べて比較してみます。

 

①1回目の読書では(できるだけ)全体に目を通す。同時に面白いと思った箇所にマーカーで線を引いていく

(抽出する)

 

②2回目の読書では、マーカーを引いた箇所だけを再読して「特にここが面白い、参考になった」という箇所を抽出する

(上澄みをとる)

 

③抽出した一節を引用して、その一節を元に構成を考えて文章を書く

(抽出した上澄みのエッセンスを元に料理を作る)

 

ページを折るか、線を引くかの違いはありますが、基本的な流れは変わらないように思います。

 

 

人が「考えている」時、というのは厳密には「書いている」時だけだという話もあります。だから、読書に絡めて、できるだけ自分の思考を深めるために読書の記録を残すようにしていこうと考えています。

 

このように書いていても、自分が1週間前に書いた文章の内容すら、ちゃんと覚えていないということが多々あります。逆に昔自分が書いた文章を見返すと、新鮮な発見があったりすることもあります。

 

そして大切なこととして、書いた文章を「外部記憶装置」としてブログやメルマガなどに記事として上げておきます。これにより、「安心して忘れられる」という状態を作ることができています。一覧性を考えると、もちろんノートに手書きでも良いと思います。

 

もしこういった記録を取っていなかったら、「何も残らなかった」であろうことは想像にかたくありません。

 

 

3. まとめ

 

・本を買う前に、一度書店で実際に見て、「あたりをつける」ことで

 本選びの精度が増し、読書の時間とお金のコスト削減、効率化が行える

 

・使いこなすための読書であれば、ページの端を折る、マーカーで線を引く

 などの方法を用いて、3回はその本に目を通したい

 

・ 書いた文章を「外部記憶装置」に保管しておくことで安心して忘れられる状態を

 作り出すことができる

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

「早く」「大量に」読み、書くための方法が知りたい


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・本を買う前に書店で「あたりをつける」ことの重要性を認識した

 

・「理想」は「月並み平凡」であり、「写生」は「多様多彩」である、

 という正岡子規の考え方に触れることができた

 


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・購入前の本選びの段階にもっと時間をかけて精度を上げるようにする。


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・本の購入前に「ふるいにかける」ことの実践により、

 自分にとって必要な本の目利きの精度が高まっている

 

・今よりもスムーズに流れるようなインプットとアウトプットが

 できるようになっている

 

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