本を速く読んでいきたいなら? 読書日記『遅読家のための読書術ーー情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』印南敦史 著
遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
- 作者: 印南敦史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今日の読書日記は『遅読家のための読書術ーー情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』から、1日1冊読むことについて。
「1日1冊」読み切ると、はるかに深く理解できる
できれば、本は「1日で1冊読み切る」のが理想的です。毎日違う本が自分の中を通り抜けていく状態をつくるのが、フロー・リーディングの基本的なかたち。
僕自身、ブックレビューを書くための本は、必ず1日で読み切るようにしており、絶対に次の日に「持ち越さない」ように心がけています。
ですから、最初に時間を区切ってしまって、その時間内に味わえる価値だけに集中するほうがいいかもしれません。「熟読の呪縛」に縛られている人はぜひ、「10日間のダラダラ読みより、60分間のパラパラ読み」を意識してみてください。読書体験のクオリティが一気に高まるはずです。
フロー・リーディングは「知識の習得」を本来の目的としているわけではありませんが、学習的な観点からしても、何日もかけてダラダラと本を読むのは効率がよくありません。年間700冊以上も本を読むようになって気づいたことですが意外なことに、1時間ですばやく読んだほうが、本のポイントがしっかりと記憶に残っていることが多いのです。
逆に、ウンウン唸りながら1カ月くらいかけてようやく読み終えた本って、「結局、なにが書いてあったんだっけ?」ということになったりしませんか?
この差はどこから生まれているのか?
「読書密度の違い」と「全体観の有無」だと思います。長期間かけた熟読というのは、単位時間あたりの読書の密度が低いうえ、その本の全体像が見えづらくなりますから、非常に「薄い」読書体験しか提供しません。
これは、音楽を超スローで再生してしまうと、どんな音楽なのかよくわからなくなってしまうのに似ています。それぞれの曲に固有のテンポがあるのと同じように、それぞれの本も適切なスピードで読まれることを求めているのです。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 熟読の呪縛
2. 読書の密度
3. まとめ
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1. 熟読の呪縛
この本は、年間700冊の本を読み、月60件の書評記事を書いている書評家さんが、その読書術について述べられたものです。
最初は読むのが遅かったけれども、書評を書かなければならないため、工夫をこらして早く読めるようになっていった様子が描かれています。そこにあるのは一種の「割り切り」です。
著者は本を読むことで得た知識を貯め込む「ストック・リーディング」ではなく、情報を貯め込まずに流し続ける「フロー・リーディング」を提唱されています。
例えたった1冊の本であったとしても、その内容の全てをずっと覚えていることなど私たちには到底できません。
であれば、自分の心に残った所だけを残しておく。そのための方法として、
・本の中から気になったところだけをA4の紙1枚に書き写す「1ライン・サンプリング」
・書き写した中から最高の1行を選び出す「1ライン・エッセンス」
・その選んだ1行に感動できた「理由」を書き記す「1ライン・レビュー」
を主張されています。
こうして「記憶」ではなく「記録」にほんの少し残しておくだけでも、自分の中への定着度合いは桁違いによくなるでしょう。
今回引用した部分もそのような「割り切って読む」方法のうちのひとつです。
「1日1冊」、制限時間を設けて読み切る。
1冊の本を目の前にしたとき、私たちはどうしても最初のページから最後のページまで目を通したいと考えてしまいます。
でも、その考え方を捨ててしまうのです。何故なら、そうやって全ページを読破したという感慨にふけることはできたとしても、頭の中に本の内容が残っている割合は、驚くほどに少ないからです。
毎日情報の洪水を浴び続ける私たちにとって、情報の取捨選択の意思決定の時間でさえも貴重です。
時間を最優先に考えるならば、「本は熟読しなければならない」という呪縛から逃れることが必要になるのだと思います。
2. 読書の密度
熟読の呪縛から逃れるために大切なこととして「読書の密度」を意識する、ということがあります。
同じ本を10日間かけて熟読した場合と、制限時間1時間でざっと目を通した場合、どちらの方が記憶に残りやすい でしょうか。
10日かけて隅々まで目を通した場合でも、読んだそばから、忘れていってしまうことはありませんか。
そもそも、我々の集中力は10日間も継続しません。もって2時間くらいが限度ではないでしょうか。最高レベルの集中力を発揮していたと考えられる学校の試験などでも、それくらいの時間の集中が限度ですよね。
であれば、最高の集中力を発揮できるその1時間ないし2時間の間に、「必要な情報の摂取を完了する」という意志を持つことです。
それが、結果的に読書の密度を高めることにつながります。
自分にとってあまり馴染みのない分野の本を読んでいる時など、理解できない文章に遭遇すると、何回も同じ文章を繰り返し読んでしまいます。
でもそのような分からない文章はばっさりと切り捨てて先へ読み進めていくのです。
1つの章の中で、「要するにこの章では何が言われているのか」という主張が拾えたら十分だと思います。それも分からなかったら今の自分にとってはあまり重要ではないのだろう、くらいに考えておくことです。
熟読しない、時間内に拾える情報だけ拾っていく、というのは、読書に対する考え方の大きな転換だと思います。
でもこれができると読書のスピードは間違いなく速くなります。
こうやって本の回転率を上げることのメリットは、自分にとって良い本に巡り合える数も自ずと上がってくるということです。
バットを振る回数を増やせば、ヒットの数が増えるのと同じことです。
私も以前は、1冊1冊の本の要約を作ろうとしていた時期がありました。章ごとにマインドマップを書いてまとめてみたりもしました。
でも、手間がかかりすぎて結局続けられませんでした。
なので、本の内容の全てを要約するようなことはやめました。
第一、本の中の全てが自分に必要なことではなかったからです。
それから紆余曲折を経て、今のような、自分にとって面白い一節のみを考えたこととともに抜き書きしておく、というスタイルに落ち着きました。
やってみると、正直自分にはこれで十分である、ということが分かりました。
時々見返したいことは引用した部分を見返せば書いてありますし、そこで他の部分を読みたいと思ったら、本を引っ張り出してくれば良いだけだからです。
わざわざ1冊丸ごと、要約を作る必要はありません。
それよりも今は、新鮮な血を体内に循環させるように、本を摂取して、そして、何よりアウトプットするという形で排出することに重点を置いています。
こうして摂取、消化、排出のリフレッシュを行ない続けることで、脳の新陳代謝が進み、思考力も高めていけるのではないかと期待をしているのです。
3. まとめ
・本は熟読しなければならない、という呪縛から離れてみよう
・制限時間を決めて「1日1冊読み切る」という意志を持つことが、
読書の密度を高めることにつながる。
・新陳代謝を意識して本を読み、排出する
〈今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・速く、大量に読むための読書術を学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・本は熟読しなければならない、という考え方を捨てることができた
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・1日1冊読み切る、ことを意識して集中して読書を行う
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・ 1日1冊の本の摂取から排出までを呼吸するのと同じくらい
当たり前に行えるようになっている
・これまで読んだ本から得た学びが血肉となり、
アイデアが湧き出てくるようになっている
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