読書日記『脳から変えるダメな自分―「やる気」と「自信」を取り戻す』 築山 節 著①
今日の読書日記は、『脳から変えるダメな自分―「やる気」と「自信」を取り戻す』より、やる気が起こらない時の対処法について。
(脳の性質①)
脳は基本的に、変化に対応して動く。
止まっている状態では変化が起こらないので脳の活動も停滞に向かう。
やる気とは、行動することによって蓄積されるエネルギーである。
止まったまま考え込んでいても、やる気が増幅されていくことはない。
→(対処法1-1)
重大なことに対して、良く考えずに行動して失敗することを防ぐため、
まずは、適度な運動や簡単な雑用をいくつかやってみる。
すると、止まったまま難しいことばかり考えているときより、
明らかに「脳が元気になる」ということを実感できる。
→(対処法1-2)
・外に出て少し歩く。
・それから、部屋の片付けなど簡単な雑用をする。
・その上で、これからやらなければいけない仕事や勉強のうち、
一時間以内にできそうなことを一つだけ考えてみる。
(対処法1-2の効果)
・脳を変化に対応させる。
・脳の血流を良くする。
→脳の中で手足を動かす機能は大脳の表面中央付近に分布。
手足を動かすことはその部分に血液を送り込むことであり、
脳全体の血流を良くすることにつながる。音読も良い。
→カントや西田幾多郎といった深く思考する哲学者達はよく歩いた。
・意欲の中枢である側坐核(そくざかく)を刺激する。
・感情系の協力を得やすくする。
(脳の性質②)
大脳辺縁系の中にある側坐核(そくざかく)は意欲の発生に関係している。
側坐核には手を動かして作業をすることで刺激を与えることができる。
やる気が起こらない時に机の片付けをするといつの間にかやる気が湧いている。
→これを「作業興奮」と呼ぶ。この「作業興奮」を利用する。
→(対処法2)
・部屋の中、机の上を見渡して、気になったところを、短い時間で
パッと綺麗にする。(拭き掃除や不要なものの処分)
・簡単に解決できる雑用をいくつか連続して行う。
→側坐核が刺激され、脳内にある種の興奮状態が起こり、やる気につながる。
(脳の性質③)
脳の中で、感情系の機能を担っている辺縁系は、「分析する」ということが
できない。
そのため、やらないといけない仕事や勉強の全体像ばかりみてしまい、
その大きさに圧倒され、「逃げたい」という感情を発生させる。
思考系の機能を担うのは大脳である。
→(対処法3)
・仕事や勉強を細かく砕いて、「これならできそうだ」と思える小さな
課題にしてやる。そしてそれを片付ける「小さなやる気」を起こす。
毎日、1時間、4キロメートル歩くとすると1ヶ月間で120キロ歩ける。
それを30年間続けると約4万3000キロとなり、地球一周分を超える距離を
歩いたことになる。
つまり、
一見すると偉業のように思えることも、
小さな課題の積み重ねによって簡単に成し遂げられる。
それを楽にできるか、苦しむかは、
「1日1時間、4キロ歩く」と小さな課題に分解して考えるか、
「月に120キロも歩かなければいけない」と大きな全体像ばかり見てしまうかに
かかっている。
やる気を起こすのが上手い人たちは、前者のように考える習慣が身についていて、
いつも小さなやる気を出そうとしている。
(脳の性質④)
脳は簡単なことをしようとしている時によく動く。
簡単にできることは脳にとっては快感であり、それを得ようとして体が動き、
思考も動く。
反対に、自分ができそうもないと思っていることに対する意欲は起こしようがない。
→(対処法4)
・いつも簡単な課題を一つだけ目の前に置くことを心がける。
→どんなに大変な仕事でも、細かく分解すれば一つ一つは小さくなる。
小さな課題の解決を積み重ねれば、結果的に大きな仕事も成し遂げられる。
(脳の性質⑤)
脳は思考系だけで成り立っているわけではなく、感情系や運動系と連動して、
それらがバランスを取りながら動いている。
運動系や感情系を働かせる機会が極端に少ないと、思考系の働きまで落ちてしまう。
体と心の運動不足が、思考力の低下を招く場合がある。
→(対処法5)
・例えば、スポーツなどを行うことで、機敏に働く頭を取り戻せる。
<「やる気が起こらない自分」を変えるポイント まとめ>
・やる気は行動することによって蓄積されるエネルギーであると考える。
・適度な運動と作業により、脳の血流を良くし、また作業興奮を起こさせる。
・仕事や勉強を小さな課題に分解し、感情系の協力を得やすくする。