読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

自分を客観的にみるためには? 読書日記『素直な心になるために』松下幸之助 著①

今日の読書日記は『素直な心になるために』から、自己観照について。

 

 

人はよく 「自分のことは自分が一番知っている 」といいます 。たしかに自分の思いは 、他人にはうかがいしれない場合が多いのですから 、他人よりも自分のほうがよく知っているはずです 。

 

しかし 、自分の考えや行ないがはたして独善でなく 、道理にかなっているのかどうか 、社会的に正しいことかどうか 、また人情の機微に適したものかどうかを評価する段になると 、これはまた別だと思うのです 。

 

 

自分自身にとらわれた自己本位の考え方を押し通そうとしたら 、やはり物事が円滑に運ばないでしょう 。他人が傷つくか 、あるいは自分が傷つくかするでしょうし 、ましてその考えが社会正義なり共同の幸せに反することならば 、やがては自分の身を滅ぼしてしまうことにもなりかねません 。

 

 

それではどうすれば自分自身にとらわれない素直な心になれるのかといえば 、その一つとして 〝自己観照 〟を心がけたらどうかと思います 。これは 、いわば自分の心をいったん外に出して 、その出した心で自分自身を眺め返してみる 、つまり客観的に自分で自分を観察することを心がけたらどうかということです 。

 

昔から 〝山に入る者は山を見ず 〟とかいいますが 、山の本当の姿は 、あまり山の中に入りすぎるとわからなくなってしまいます 。

 

山の全貌を正しく知るには 、やはりいったん山から離れて 、外から山を見るということもしなければならないと思うのです 。

 

要は 、そういう自己観照によって 、みずからのとらわれに気がつき 、これを正していくということです 。つまり正しくおのれをつかむことによって 、自分本位に陥らず 、物事を判断することができるようになると思うのです 。

 

したがって 、この自己観照は 、とらわれのない素直な心を生むことに通じますし 、その素直な心をしだいに高めて 、つねにものの実相を正しくつかむことができるようにもなると思います。

 

 

自分自身にとらわれない素直な心になるために、自分を客観的に観察する。「客観的に」と口で言うのは簡単でも、実際に行うときには、自分で自分が客観的になれているか確かめることは難しいように思います。では、どのように取り組んでいくのが良いのでしょうか。

 

ここでは、私が行っていることを3つ書いてみます。

 

 

①1日の終わりに、その日の振り返り日記を書く

 

今日は、どんなことを行って、その結果はどうだったか。できたことは何で、できなかったことは何か。明日何をしたいか。などを感想ととも書きます。

 

日記といっても何ページも書いたりする訳ではなく、私が書くのは数行程度、手帳の1ページの余白に書ける範囲で書いています。

 

この振り返りを行うことで、少し時間が経って冷静になった頭で、その日の行動を振り返ることができます。

 

また、振り返りを行う時間をとることで1日1日を「完結させていく」ことができます。これは、よくゲームなどで、「ここまでのデータをセーブしますか?」と聞かれて「はい」を選択して、データをセーブする感覚に似ています。

 

データをセーブしておけば、後でその時点からゲームを再開することができます。それと同じように、日記を書いておくことで、後からその日の行動や感情を思い出すことができます。

 

セーブデータを取っていないと、その日の気づきや学び、感情の変化なども、時間経過とともに忘却の彼方に飛び去ってしまいます。

 

逆に、「セーブデータをとろう」、振り返り日記を書こうとすると、「その日1日1日を真剣に生きよう」、「1日の物語を完結させていこう」とするようになってくるのです。つまり、1日の密度を高めようとする意識が生まれてくる、という副次的な効果があるのです。

 

 

②本を読んで他者の視点を取り入れる

 

本にはその著者なりの考え方や方法が説明されています。その中には、既に自分が取り入れているものもあれば、頭を殴られたような衝撃を覚える、自分にとって新鮮な視点も見つかります。

 

自分を客観的に観察するために、こういった視点、言わば他者の「モノの見方の眼鏡」を借りてくるのです。

 

自分にとって「違和感」を感じるような眼鏡で、自分の行動を振り返ってみた時、果たして自分の行動はどのように映るでしょうか。

 

自分では良いと思った行動でも、他者視点では焦点がずれているかもしれません。自分が「白い」と思っていたものが、他者視点のカラーレンズ越しだと「青色」に見えるかもしれません。

 

この著者がもし自分だったなら、自分のこの行動をどう考えるだろうか、と内省するために、本を読んで得た、「その著者から取り入れたい考え方の眼鏡」をいくつも用意しておくという方法です。

 

できれば、立場の違う複数の視点の眼鏡を通して自分を見つめた方が、より客観視できるでしょう。

 

 

③人に聞いてみる

 

文字通り、自分の行動について身の回りの人に直接意見を求めてみる、という方法です。職場の同僚や上司、あるいは家族や友人でもよいと思います。もちろん人それぞれのバイアスは入ってきますが、「そういう考え方もできるのか」という気づきを得ることもできます。

 

あるいは何かの目標達成に向けて行動している場合で、あまり周囲の人にそれを知られたくない場合は、「プロに頼む」というのもあります。

 

どのくらいの人が利用されているのかは分かりませんが、個人向けのコンサルタントやコーチといった方々がいらっしゃいます。

 

私もこのようなサービスを利用させて頂いたことがあります。自分の現状について話したり、質問されたことに答えていくことで、頭の中が整理されていきます。また、目標からずれた誤った行動をとっていた場合に軌道修正してもらえるなどの効果もあります。

 

こういったプロの方に現状を見てもらうことは、全く別の方向から光を当ててもらうことに似ています。それまでは暗く影になっていた部分に光を当ててもらうことで、自分の考え方や行動の問題点に気づかせてもらえることがあるのです。

 

 

素直な心になることを目指して、自分を客観視するための取り組み3つについて、最後にまとめておきます。

 

 

①1日の終わりに、その日の振り返り日記を書く

②本を読んで他者の視点を取り入れる

③人に聞いてみる

 

 

 

 

〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・素直な心になるために取り組むべきことを

     知りたい。


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・自己観照という考え方は

   日々、意識しておきたいと思った

 

3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・毎日の振り返りに合わせて

    他者視点の振り返りを継続していく

 

4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・自分の考えに固執しない

    柔らかい頭の持ち主になっている

 

・物事の実相を正しくとらえて、

    適切な行動が取れるようになっている

 

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