リーダーが「素直さ」を身につけるためには?『ビジネスマンのための「リーダー力」養成講座』小宮一慶 著
ビジネスマンのための「リーダー力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 小宮一慶
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/10/13
- メディア: 新書
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今日の読書日記は、『ビジネスマンのための「リーダー力」養成講座』から、「素直さ」という資質を身につけていくための方法について。
リーダーに求められる条件の最後は、やはり、これで締めたいと思います。松下幸之助さんがもっとも大事だとおっしゃっていた資質、「素直さ」です。
松下さんは、『素直な心になるために』という本まで出し、朝な夕なに素直になりたい、今日は素直だっただろうか、と毎日反省されていたそうです。
でも、素直さをもちなさい!といきなり言われても困りますね。
そこで、わたしなりの「素直の3ステップ」というのを考えました。
素直の3ステップ
ステップ①人の話を聞く
かたくなな人というのは、相手がどんなに素晴らしいことを言っていたとしても、目の前で全部はじき返してしまいます。だから、人の知恵を活かすことができません。なかなかむずかしいのですが、人の話を素直に謙虚に聞くことがまず最初のステップです。
ステップ②いいなと思ったことでリスクの小さいことはやる
聴いたふりをしているだけの人が結構いますが、あれがいちばん、たちが悪いと言えます。ちゃんと聴いていたかどうかは、聴いたことを何かひとつでも実行するかどうかで分かります。
つまり、いいなと思ったことで、リスクの小さいことはやってみる、ということです(ただし、転職や結婚・離婚などリスクの高いことは、他人がいいと言ってもよく考えてから決断、実行するべきであることは言うまでもありません)。
ステップ③結果が出るまでやり続ける
そして、結果が出るまでやり続けます。本当にいいことは死ぬまでやり続けるのです。わたしは、寝る前に日記を書いたあと、松下幸之助さんが書かれた『道をひらく』(PHP)を読むようにしていますが、『道をひらく』も日記も一生続けると思います(もう、25年は続いています)。
「散歩のついでに富士山に登った人はいない」と、先に述べました。その代わり、富士山に登ろうと決めて、計画し、少しづつ実行すればきっとある地点までは至ることができると。つまり、完璧な人間などいませんが、理想像をもち、それに少しでも向かっていくことが重要だと思うのです。
あなたの理想のリーダー像をいつもイメージしていてください。そして、少しずつでもいいから、毎日、それを実践する。
「正しい努力」や「正しい考え方」を知ったうえで、「紙一重の積み重ね」をしていけば、きっと成果が出るものです。
〈今日のコンテンツ〉
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1. 素直になるという「願い」と「問い」
2. 稲穂のように
3. まとめ
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1. 素直になるという「願い」と「問い」
自分の中になんらかの「問題意識」があって、それを解決しようと思い、そしてその答えが自分の中には見つからない。そのような時、私たちは身の回りの信頼できる人に相談してその解決策を得ようとします。あるいは手に取った本の中に、今、自分が解決したい問題の「答え」や「ヒント」を探そうとします。
大抵どちらの場合も、抱えている問題が自分にとって「切実」なものであるほど、より本質的な解決策やヒントが得られることが多いです。
ただし、人の話を聞いたり、本を読むことで、「今、自分が直面している問題を解決するには、確かにこの解決策が必要だ」ということが分かっても、それをすぐに、素直に、実行することはなかなか難しい、ということがあります。
何故、すぐに実行ができないのでしょうか。それにはいろいろな理由が考えられます。例えば、実行するための「時間がない」ということもあるでしょう。あるいは「自信がない」など、自分にとっての「心理的なハードル」が高くてなかなか越えられない、ということもあると思います。
そして、心理的なハードルが高いと感じる原因としては、それが「面倒で大変なことであるためにやる気が湧いてこない」ためであるとか、「やったことがなくてやり方が分からない」からとか、「もし失敗してしまったら恥ずかしい」などということが考えられます。
私の経験の範囲内では、そのような心理的な抵抗を感じる問題に対しては、結局、「覚悟を決めて」、「正面から」向き合って取り組まない限り、問題が解決に向かうことはありませんでした。
でも、いざ、問題と正面から向き合い、問題の解決に着手してみたとしても、やはり自信のないことや不慣れなことには時間がかかります。
そのため途中で投げ出してしまいたくなることもあります。息抜きのつもりで始めた「現実逃避」ばかりが捗ってしまうこともよくあります。
従って、問題の解決策として、人から教わったことや本に書いてあったことを「素直に」実行することは、とにかく難しいものです。
引用した文中でも少し触れられていますが、松下幸之助は、囲碁を10,000局くらい打てば、初段くらいの実力に到達する、というのになぞらえて、毎朝、「今日も素直になりたい」と10,000日間願い続ければ、「素直さの初段」くらいには誰でもなれるのではないかと言っています。これはざっくりいうと約27年くらいになります。それくらいの時間をかけてやっと、道を間違わない程度には「素直」になれるといいます。
「素直さ」について同じく思い出されるのは、スティーブ・ジョブズの逸話です。彼の場合は、毎朝、鏡の前で、「今日が私の人生の最後の日だったとしたら、今日これからやろうとしていることをやりたいだろうか」と、問い続けたといいます。そして、その問いに対する答えに「ノー」が相当続いた場合は、何かを変えなければならないと考えていたそうです。
松下幸之助の「願い」とスティーブ・ジョブズの「問い」が、形こそ違えど、どちらも、
「自分は素直に生きることができているか?」
ということをテーマにしているのは、とても興味深いことだと思います。それくらい「素直さ」を身につけることは人生において大切だということです。
2. 稲穂のように
彼らが「素直でありたい」「自分は素直に生きているか?」を毎日、自分に誓い、自分に問いかけていた、ということは私たちが素直に生きていくために、とても参考になります。
ただし、いきなり、彼らのような大人物と同じくらい素直になれるわけではないでしょう。そこで、この本の著者は、私たちが素直さを身につけていくための方法を3段階に分けて説明してくれています。
もう一度確認しておきますと、一つ目は、「人の話を素直に謙虚に聴くこと」。二つ目は、「いいな、と思ったことでリスクの小さなことはやってみる、ということ」。最後の三つ目は、「結果が出るまで(本当にいいことは死ぬまで)やり続けるということ」でした。
おそらくこのブログのような比較的長いと思われる文章を、ここまで読んで下さるような方は、本がお好きで、勉強熱心な方だと思います。私自身も勉強が好きな方なので良く分かるのですが、勉強好きな方というのはどうしても「インプット」に偏る傾向があります。
本を読んで、たくさんの「学び」や「気づき」を得ると、また、次の本を読んで、さらに「学び」や「気づき」を得ようとするのです。それをただひたすら続けてしまうのです。
摂取したものは「アウトプット」していかないといけません。つまりは「行動」です。尊敬できる先生や、定評のある本から「インプット」しただけで満足していても、私たちの人生は、ゼロとは言いませんが、あまり(劇的には)変わりません。
そこで、素直さを身につけるための3ステップの第2段階「いいな、と思ったことでリスクの小さなことはやってみる」というのが生きてきます。
人との会話や読んだ本の中から何かひとつでも「これは!」と思うことを見つけたら、とにかく「やってみる」のです。その時、その行動によって引き起こされるリスクが小さなものであったならば、迷ったり、意思決定までに時間を取られてしまうこともないでしょう。
1人の人の話の中から、あるいは、1冊の本から何か1つでも、自分の抱えている問題を解決するための行動のヒントを得ることができて、「小さな1つの行動」を実際に起こすことができたとしたら、それはもう、その人に会いに行った分の、その本を読んだ分の「元を取った」と言ってしまっても良いのではないかと思います。
何故ならば、良い話を聞いたとしても、ためになる本を読んだとしても、それで満足して終わる人の方が世の中では圧倒的に大多数だと考えられるからです。仮に知識を得ることだけが目的のセミナー参加や読書であったとしても、それを何とかしてアウトプットしてやろう、行動に繋げようとすることで、その知識を、より自分の「血肉」とすることができるでしょう。
そして、そこからさらに前に進んでいくためには、第3ステップの「結果が出るまでやり続ける」ということが必要になってきます。
継続の大切さについては疑う余地のないところでしょう。中国の格言に「10年、偉大なり。20年、恐るべし。30年、歴史なる。50年、神の如し」というものがあります。
継続において、自分自身の力で自分の行動を完全にコントロールできる、という人は少数だと思います。これに対する解決策としては、行動が促進されて、自分を律することができる「環境」に身を置く、ということが望ましいと思います。
例えば、私の場合は、会社から仕事を持ち帰っても、自宅では全く集中ができません。従って、近所のカフェや図書館などの、多少なりとも周囲の目を意識する場所にあえて身をおくことで、自分を「集中モード」に持っていく、ということを時々やっています。
もし、上記の格言のように、何かの行動を10年、20年、30年、そして50年と続けることができたなら、素直さが身につくと同時に、偉大になり、人から恐れられ、歴史となり、神の如く崇拝される境地に達することができるのかもしれませんね。
例え、「神」と称えられるまで素直に継続ができたとしても、もう一つ、忘れてはいけない大切なことは「謙虚である」ということだと思います。
人や本から素直に学び、それを素直に実行してすくすくと成長して、やがて成熟した実りの時期を迎える。それでもなお、素直であり、そして、謙虚である。それはそのまま「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のことわざの通りです。
朝には「素直に生きよう」「謙虚に生きよう」と願い、夜には、今日の自分は果たして「素直」に生きられたか?「謙虚」に生きられたか?を問いかける。
「素直さ」と「謙虚さ」の初段を目指して、自分を見つめ直すようにしたいと思います。
3. まとめ
・ 素直さを身につけるための3ステップ
1.人の話を素直に謙虚に聴く
2.いいな、と思ったことでリスクの小さなことはやってみる
3.結果が出るまで(本当にいいことは死ぬまで)やり続ける
・松下幸之助やスティーブ・ジョブズも毎日、朝や夕方に
「素直に生きられたか」振り返りを行っていた
・稲が成長するように、素直にすくすくと育ち、それに伴い、
謙虚さも身につけていきたい
〈今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・リーダーシップを身につける、発揮するためのヒントを得る
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・自分に足りていない点が明確になった
・自分が比較的得意な点も明確になった
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・決断の数を増やし、決断のスピードを上げる
・測定可能な目標を設定する
・朝のマインドセットと夜の振り返りを行う
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・仕事でもそれ以外の場でも必要な時には意識せずとも
リーダーシップを発揮できるようになっている
・人や本から学び、ぐんぐん成長しながら、
いつも感謝と敬意を忘れない
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