客観的な文章を書くためには? 読書日記『書くことが思いつかない人のための文章教室』近藤勝重 著①
今日の読書日記は『書くことが思いつかない人のための文章教室』から、「思う」「考える」「感じる」を減らすことについて。
日本語研究の第一人者だった大野晋先生のベストセラー『日本語練習帳』は、「思う」と「考える」はどう違うのかが最初の問題でした。
大野先生が中心になって作った『角川必携 国語辞典』の小コラム「つかいわけ」でも「思う」「考える」が取り上げられています。ここではその答えを引いておきましょう。
「思う」は、胸の中で単純な、一つの希望・意志・判断を持つ。「数学はむずかしいと思う」。「考える」は、あれこれと比較した上で結論を出す。「数学の問題を考える」。
この「思う」「考える」に「感じる」を加えた三つの言葉を使わないで文章を書いてみようという練習です。
そこで問題です。
問題
次の文例は「思う」「考える」「感じる」を使った文章です。その三語を使わない文章に書き換えてください。
コートを着て家をでたものの、風が冷たく感じられた。今日一日の仕事はほとんど外回りである。風邪気味であることも考えると、オーバーのほうがいいと思い、家に引き返した。
ぼくなりに次のように書き換えてみました。
コートを着て家を出たものの、風が冷たい。今日一日の仕事はほとんど外回りである。風邪気味なのでオーバーにしようと、家に引き返した。
確かに、三語を取ると、文例より客観的な文章になりますね。
文章上、「思う」「考える」「感じる」は多様されています。文末などとくによく使われていて、安易に使われている感さえあります。それらを他の表現に変えてみる。
文章が客観的になり、かつすっきりする効果がありそうです。文章力をつける上からも大いに推奨したいですね。
〈今日のコンテンツ〉
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1. ブログを書く中での気づき
2. 主観と客観
3. まとめ
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1. ブログを書く中での気づき
今日も文章の書き方の本から、タイトル通り、「何を書けばよいか」「どのように書けばよいか」が豊富な例とともに説明されています。
今回、引用した箇所は私がブログを書いているうちに、自分の傾向として、ふと気づき、気になっていた点です。それは、文末に「思います」とか「考えます」とか「感じます」とかを使う機会がやたらに多い、ということです。
2つの文章の文末で連続して「思います」を使うのはなんだかおかしい気がしたので、そういう場合は「考えます」や「感じます」などを使うようにしていました。
それでも、この3つの表現をぐるぐると使いまわすだけではあまりにも芸がない。
個人のブログなので個人の考えたことをそのまま書けばよい、従って、語尾の表現なんてあまり気にしなくてもよいのではないか、という意見にも一理あります。
しかしながら、歯に何かものが挟まっているみたいに、少し気になっていたということです。それをこの本が解決してくれました。
2. 主観と客観
さて、それでは、「思う」「考える」「感じる」 を使わないで書く文章には一体どのような効果が表れるのか。
私はここまで考えが到っていなかったのですが、それは「主観的」な文章から「客観的」な文章に変わる、ということだそうです。
なるほど確かに言われてみればその通り、「思う」も「考える」も「感じる」も自分に付随する、自分から出た動詞です。
これらの動詞を排除してやれば、必然と「自分の色」は薄くなります。しかしながら、自分の感情が伝わらないかというと、引用箇所の例を見ても分かる通り、決してそんなことはありませんし、文意にも大きな変化はありません。
私がこれまでの個人的にとらわれていた考え方は、自分の意見を表明する時には、「思う」「考える」「感じる」などの表現を「使わないといけない」というものでした。
ですが、「その必要はなかった」ということが今回の気づきです。文章の終わらせ方をこの3つの動詞で固定してしまう必要なんてなかったのです。
文学的な流麗な表現ができるようになることまでは目指していませんが、そのように考え方を改めるだけで、ぐっと表現できる幅が広がりました。
学校でも会社でも、なかなか文章の書き方を教わる機会はありません。
折に触れて読み返すようにして、読みやすい、伝わりやすい文章が書けるようになりたいです。
さて、今日は練習の一貫として、最後まで文末に「思う」「考える」「感じる」を使わずに書いてみました。お気づき頂けたでしょうか?
3. まとめ
・「思う」「考える」「感じる」の使用頻度を減らすと客観的で
すっきりした文章を書くことができる
・自分の意見を表明する時に必ずしも「思う」「考える」
「感じる」などの言葉を使う必要はない
〈今日のチャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・文章を書く力を向上させる技術を学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・「思う」「考える」「感じる」の使用頻度を減らすことで
文章を「客観的に」できることを学んだ
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・「思う」「考える」「感じる」の使用頻度を減らしてみる
(ゼロにはしない)
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・客観的な文章、主観的な文章の書き分けのON/OFFが
自由に行えるようになっている
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