読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

ノートを使って情報を整理するにはどうすれば良いのか? 『頭のよさはノートで決まる 超速脳内整理術』齋藤孝 著

今日の読書日記は、『頭のよさはノートで決まる 超速脳内整理術』から、ノートを活用して思考力を鍛える方法について。

 

 

私がよく言うのは、アイデアは頭の中で考えるのではなく、ノートの上で考えようということ。頭がモヤモヤしている状態で、いくら物事を考えても、思考は一向に前に進まない。 

 

それよりも、頭の中に浮かんでいるアイデアの切れ端を、とりあえず片っ端からノートに書き込む。

 

すると、今頭の中で渋滞を起こしている懸案や問題、あるいは、まとめるべきポイントが浮き彫りになってくる。

 

さらに、そこに図や記号などを書き加えてビジュアル化すると、思考の全体像がくっきりと見えてくる。

 

ようするに、頭の中に浮かんだことを文字にしてノートに整理すると、自分が選ぶべき論理的な思考回路が明示された「アイデアの地図」ができ上がるのだ。

 

さらにその際に、まとめるべきポイントを3つに絞って考えてみる。そうすると、「3つにまとめる」という目標に向かってよりいっそう頭がクリアになり、クリエイティブな思考力が加速度的に働き出すのが実感できるはずだ。

 

「悩みを文字にする→問題を整理する」の時点で、「問題が解決する」ところまで一挙に至るのである。

 

 

とにかくなんでも3つにまとめる習慣が身につくと、ものごとを本質的にとらえられるようになる。そのトレーニングは、ノートを活用することで加速する。

 

ノートは単に情報をメモするためのものではない。頭をよくし、心を強くするためのものだ。

 

頭をよくするには、漫然とノートをとっていてもダメだ。もっと攻撃的なノートのとり方が必要になる。

 

一つは、「攻撃的な」意識でもってノートをとること。

 

話を聞いて情報を得たら、その情報は使えないと意味がない。

 

話を聞いている時点で、「次に自分が話すのだ」と思ってノートにしないと、再生することはできない。これが、受動的にノートをとるのか、攻撃的にノートをとるのか、という意識の差だ。

 

意識のあり方によって、話の吸収率が全然違う。

 

もう一つは、話されていることとリンクする自分の経験をメモすることだ。

 

客観情報と主観情報をどちらもノートに書くのである。

 

頭がよいとは、文脈力である。現実の意味を把握することができる力。抽象的なことがらも、文脈に沿って具体的に説明できることが大切だ。

 

そのためには、「たとえば、こういうこと」「似ているものに、これこれがある」と説明する習慣をつける。しかも、瞬時に情報同士を結びつける。

 

このトレーニングはノートでできる。ノートをとることによって、頭をよくすることができる。

 

仕事や人生で成功するには、自己肯定力と客観視を両輪で回すことが大切だ。

 

客観視だけだと、やみくもな野心や自信を持ちにくい。エネルギーが出なくなり、勢いがなくなる。

 

逆に、自己肯定ばかりで客観視できないのは困る。20代までならいいが、だんだんバカに見えてくる。

 

ノートは自己肯定と客観視を同時に行える場所となる。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1. 攻撃的にノートをとる

2. 内と外の結び目を作る

3. まとめ

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1. 攻撃的にノートをとる

 

ノートのとり方、ノートをとる時の意識の持ち方について述べられた本です。ノートをとることのメリットや、仕事・勉強・心の整理を行うためのノート術について書かれています。

 

著者はノートをとることを、ただ板書を書き写すような「受け身」なものではなく、「攻撃的」、「狩猟的」なものだと位置づけています。

 

「攻撃的」にノートをとる、というのは面白い表現です。これはどういうことでしょうか。

 

もちろん、学校の先生や会議での発言者の言葉を、そのまま一字一句、メモする、ということではありません。

 

私個人の感覚で言うならば、「耳をそばだてて、全ての情報を食らいつくして我が物としてやる」という意識を持って、ノートをとる、ということだと思います。

 

昔、大学の授業では、難しい物理学の講義の板書を、授業中必死になって書き写していました。(先生の板書のスピードが速い上に、書いたものをどんどん消していく方だったのです)。

 

ところが、試験前になって数式を見返しても、その数式が何を意味しているのかさっぱり分からない、ということがありました。

 

これは私がノートをとる時の「心の姿勢」にそもそも問題があった、ということです。

 

 

自分が理解できているかどうかを測る方法として、「人にそのことを説明できる、教えることができる」というものがあります。

 

ただ漫然とノートをとっていただけでは、人に説明することはできないでしょう。自分の理解とはかけ離れた場所にある情報しか、そのノートには残されていないからです。

 

引用した部分にある通り、この本では、ノートに「客観情報」だけでなく、「主観情報」も書いておくことが推奨されています。

 

理解するためには、自分が何を理解していて、何が理解できていないのかを知る必要があります。

 

「分かる」ことは「分ける」こと、という言葉もあります。

 

聞いた話、読んだ本、なんでもよいですが、自分の血肉とするためには、新たに得た情報(客観)だけでなく、そのことに対する自分の現状の理解や感想(主観)なども「同時に、同じ場所に」書いておくようにする。

 

そうすることで、「無味乾燥」で「モノクロ」の情報でしかなかったものが、俄然、「みずみずしく」「カラフル」なものに変わってくるのです。

 

自分のエピソードと絡めることは記憶として定着させる上でもきっと役に立つでしょう。

 

2. 内と外の結び目を作る

 

私が 打ち合わせなどで人と話をする時には、「話した内容を後で自分1人でも再現できるようにする」ということを意識してメモを取っています。

 

自分の記憶なんてものは全くあてになりません。セミナーで聞いた良い話。今日読んだ本で参考になった部分。そういったものは、記録しないとすぐに抜けていってしまいます。

 

セミナーや本、人との話から得られる情報は「広い海のようなもの」だと思って下さい。

 

話を聞いて、メモも残さないで「良い話だなぁ~」とただ聞いているだけ、というのは、情報の「海水」を手ですくいあげることと同じです。

 

指と指の間から流れるように、すぐに記憶の彼方に消え去ってしまいます。

 

ノートやメモを取る、ということは、それに対する「ささやかな抵抗」です。

 

全ての情報を保存しておくことはできませんが、それでも「バケツ一杯分」の情報くらいなら、すくい取って、残しておくことができるのです。

 

例え自分の頭からきれいさっぱり消えてしまっても、バケツの位置さえ覚えておけば、そこにある情報を見返すことができるのです。

 

この本では「客観情報」と「主観情報」の両方をノートに記録しておくことを、「外の世界と内の世界の結び目をつくる」と表現されています。

 

本書の中で、著者は三色ボールペンでノートを色分けすることを提唱されています。

 

それによると、外の情報を青色、自分のことを緑色、そして情報と自分が結びつく、「あ、ここだ!」と思えることを赤色で書くようにする、とのことです。

 

そうすることで、自分の中の吸収力が高まっていく、情報と心の両輪が回り出す、と述べられています。

 

言わば、「外の世界」と「内なる自分自身」をつなぐものこそがノートであると。

 

外と内を結びつける「接点」が多くなればなるほど、その情報が自分の血肉となっていく、ということになるでしょう。

 

話や本の「情報」と「自分」の接点をどれだけ増やせるか、という「一期一会の真剣勝負」の舞台、それがノートだということですね。

 

たかがノート、たかがメモ。されど、どれだけの「覚悟」を持って臨むのか?

私たちは、日々その姿勢を問われているのです。

 

 

3. まとめ

 

・「攻撃的に」ノートをとるためには

 客観情報と主観情報の両方を記録する 

 

・ノートに「外の世界」と「内なる自分」の結び目を作ることで

 情報と心の両輪が回り出す

 

・ノートは一期一会の真剣勝負の舞台

 自分の生きざまを示す覚悟が問われている

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・生産性の高い人のノートのとり方を学ぶ

 


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・攻撃的なノートのとり方という切り口が面白かった

 

・ノートをとることの重要性を再確認できた

 


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・ノートをとることで、自分と世界の結び目をたくさん作っていく

 

・覚悟を持ってノートをとる

 


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・情報はノートの中に全て整理されている

 

・自分の考えや感情もノートの中に整理されている

 

・世界と自分の接点が増え、思考が拡張されている

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