最短でゴールに辿り着くためには? 読書日記『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCAーーー終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術』三木雄信 著
孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術
- 作者: 三木雄信
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/02/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今日の読書日記は、『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCAーーー終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術』から、「期間を決めて、すべての方法を同時に試していく」ことについて。
孫社長の「すべてのことを試す」におけるスタンスは徹底しています。
普通は成功する可能性がありそうなこと、これまでの業界の流れから勝算が判断できることを試して、とても成功しそうにないこと、業界の常識から考えてやってもダメそうなことは試さないと思います。
ところが、孫社長は、業界の非常識であっても、可能性がなさそうに思えても関係なしで、目の前のすべての方法を必ず試します。
「一度にすべての方法を実行する」
これが鉄則であり、ソフトバンクが他の会社と大きく異なる点です。
このルールを重視するのには三つの理由があります。
①スピードでライバルに勝てる
②最善の方法を探せる
③各方法を正確に比較できる
ゼロから正解を見つけるのは困難でも、とりあえず仮説を立てて、「より良いものは何か」を試していくことが、結局は最短で答えに辿り着く唯一の方法だということです。
何が本当に正しい答えなのかを最初から見極められる人は誰もいません。
だからこそ、考えつく方法はすべて試してみて、少しずつより良い方向へと改善し、正解へと近づいていくしかありません。
一見すると遠回りのようでいて、これがゴールへ最短で辿り着く近道なのです。
「同時にすべてを試す」というルールを、個人が仕事で使っていくためにはいくつかコツがいります。
①期限を決めて、可能性ある手法をすべて一斉に試す
②一番効果がある方法を見極めたら、あとはそれだけを実行する
③スタートからある一定期間は成果が出ないか、マイナスになることを想定内とする
実行のための方法が出揃ったら、今度はそれを実行していく段階です。
私は毎日の記録を表でつけるように言いました。
そこには次の三つの項目を設けてもらいました。
①毎日の目標
②毎日の結果
③勝ち負け
私は、「毎日、なぜ勝ったのか、負けたのかを必ず分析しなさい」と言いました。
毎日の記録を細かくとってもらったのは、目標を達成する戦略を考えるためです。
「先月はだめだったが、なぜか今月はうまくいった」
「今日の打ち合わせは、珍しくうまくいった」
こんなふうにしか考えられない人は、自分の仕事が見えていません。仕事が見えている人は、自分の行動の結果をきちんと説明できます。それは、自分の仕事を見える化しているからです。
〈今日のコンテンツ〉
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1. すべてを同時に行う
2. 振り返り、検証する
3. まとめ
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1. すべてを同時に行う
この本は、ソフトバンクで孫正義氏の社長室長となり、ナスダックジャパンの開設や「Yahoo!BB」の立ち上げなど、数々の新規事業の立ち上げを行われた著者が、孫氏からの無茶な要求に応える中で確立した仕事術についてまとめられたものです。
その仕事術を「高速PDCA」という言葉で表されています。
「PDCA」はご存じの通り、P(Plan:計画)→D(Do:実行)→C(Check:検証)→A(Action:改善)というサイクルを回すことで、仕事の質、量、スピードなどを上げていこうとするものですね。
本書で提唱されている「高速PDCA」の流れは以下の8つのステップを踏むそうです。
Plan(計画)
① 大きな目標を立てる(週、月単位など)
②小さな目標を立てる(1日が原則)
③目標達成に有効な方法をリストアップする
Do(実行)
④期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
Check(検証)
⑤毎日、目標と結果の違いを検証する
Action(改善)
⑥検証をもとに、毎日改善する
⑦一番すぐれた方法を明かにする
⑧一番すぐれた方法を磨き上げる
そして今回の引用は、Do(実行)の「期間を決めて、すべての方法を同時に試していく」を取り上げました。そこが一番私にとっては面白かったからです。
私はエンジニアとして開発の仕事を行っているため、仕事として日々、「実験」を行っています。
実験では、様々な条件を変更して、どの条件の時に、最もよい結果が得られるか、ということを探っていきます。
そしてその場合、複数ある変更可能な条件の内の、どれか「特定の一つの条件だけを変更」して実験を行う、ということが多いです。
その理由は、得られた結果を他の実験結果と比較する時に、もし複数の条件を一度に変えてしまうと、結局どの条件の影響でその結果が得られたのか?という「切り分け」が困難になるからです。
従って、一つ一つの条件を変えて、結果を確認しては、より良い結果が得られるように調整していく、ということを行うことが多いのです。
そういう背景がありましたので、「全ての方法を一斉に試す」という考え方は驚きを感じるとともに新鮮でもありました。
そして、「自分はそこまで徹底して全ての行動を実行できているだろうか?」と反省するきっかけにもなりました。
もちろん、この手法は、それぞれの方法(実験の条件)がそれぞれ「独立した事象」であり、ある実験条件の変更が、他の実験条件や得られる結果に相互に影響を与えない、という前提があるからこそできることだと思います。
ただ、それを抜きにしても、「全部やってみる」というのは、確かに、結果が出るのは速いです。
何も純粋な科学的な「実験」でなくてビジネスにおいても、私たちは、「あれをやってみてダメだったら次はこれをやってみよう」という思考回路に陥ってることが多いのではないでしょうか。
これは「一つずつ、行動しては検証する」というパターンの思考回路です。
それを「思いついたことを全部、同じタイミングで試して全部検証する」というパターンの思考回路に切り替えられたとしたらどうなるでしょうか?
もちろん手間も増えますし、失敗の数も増えるでしょう。ですが、手元には膨大なデータを蓄積することができるのではないでしょうか。そして、多くの失敗は、成功への道を切り拓くのに確実に役に立ってくれるはずです。
2. 振り返り、検証する
一斉に大量の行動を行って、多数の結果とデータが手元に溜まったとしましょう。次に気を付けないといけないのはそのまま、「振り返らない」ということです。
Checkの項目に入りますが得られた結果に対する「検証」が必須です。
この実験は「なぜ、うまくいかなかったのか?」あるいは上手くいったとしても、「なぜうまくいったのか?」その原因を分析しておくのです。
そして記録しておきます。これを日々続けていると、自分の思考や行動のパターンがだいたい把握できるようになってきます。
記録しておかないと、うまくいかなかったパターンは「繰り返します」。(再現性を持ちます)
そして、うまくいったパターンは「繰り返しません」。(再現性を持ちません)
逆だったら良いのですが、振り返りを行わないと、このような「泥沼」にはまって抜け出せなくなってしまうのです。
振り返り、記録することで気付いた自分の「勝ちパターン」は「ルール化」してしまうのがよいでしょう。そのルールに従えば、自然と成果に繋がるからです。
一方で、負けパターンの方は繰り返さないための「対策」を作って、それを「強く意識」して、実行を「継続」していくことです。
書くと簡単ですが、実際には中々大変です。本書で述べられている「高速PDCA」の仕組みを「無意識に自動で実行」できるようになるまで、日々の改善と仕組み化を行っていきたいと思います。
3. まとめ
・ゴールに最短で辿り着くためには、
「一度に全ての方法を実行する」
・うまくいってもうまくいかなくても
必ず原因を分析する
・成果が出るまでにはある程度の時間がかかることを
最初から見込んでおく
〈今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい
・PDCAに対する理解を深め、
良いところを取り入れていく
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・「取り得る全ての行動を一斉に試す」、
という点が非常に参考になった
・「6:3:1の法則」が参考になった
・人の力を借りるための3つのコツが参考になった
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・「一度の全ての方法を実行する」に取り組む
・毎日の振り返りを確実に行う
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・「高速PDCA」の手法が身につき、意識せずとも
回せるようになっている
・成長と成果が他者から見ても明らかなくらい
進化している
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