読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

今より望ましい人間関係を築くためには?『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 アービンジャー・インスティチュート 著

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
  • この商品を含むブログ (418件) を見る
 

 

 

今日の読書日記は『自分の小さな「箱」から脱出する方法』から、箱の存在の認識と、そこから出るための方法について。

 

 

相手のために何かをしたいと思うことがすなわち箱の外に出ることでもあるんだ。

 

 

誰かに対して箱の外に出ていたいと思ったその瞬間、君はもう箱の外に出ている。なぜなら、相手を人間として見ていればこそ、外に出たいと感じることができるんであって、人間に対してそういう感情を抱けるということは、すでに箱の外に出ているということなんだ。

 

 

箱の中にいると、コミュニケーションが上手であろうとなかろうと、こちらに箱があることが、相手に伝ってしまう。そこが問題なんだ

 

 

自分のことを考え続けている限り、箱の外には出られない。箱の中に入っているときは、たとえ自分の行動を変えようとしたところで、結局、考えているのは自分のことでしかない。だから、行動を変えても駄目なんだ。

 

 

相手に逆らうのをやめた瞬間に、箱の外に出ることができる。自分を正当化しようという考え方や感情から解き放たれるんだ。だから、箱から出る方法は、常にわたしたちの目の前にあるということになる。

 

 

目の前にいる人々が常に持っている基本的な『他者性』、つまり相手は自分とは違う一個の独立した人間であるという事実と、目の前にいるのとは別の人たちとともに箱の外に出ているあいだに学んだこととが相まって、相手の人間性が、わたしたちの箱を突然突き通す瞬間があるんだ。

 

その瞬間に、自分が何をなすべきかがわかり、相手を人間として尊重しなくてはならないということがわかる。

 

相手を、自分と同様きちんと尊重されるべきニーズや希望や心配ごとを持った一人の人間として見はじめたその瞬間に、箱の外に出るんだ

 

箱の外に留まり続けるうえで肝心なのは、箱の外にでているときに、自分が他の人に対してなすべきだと感じる、その感覚を尊重することだ。

 

誰かを非難しているときには、その原因は相手にではなく自分にある

 

いったん箱に入ってしまうと、相手をひどい奴だと責めている自分を正当化するためにも、実際に相手がひどい奴であってくれなくては困ることになる。箱の中にいる限り、問題が必要だからね。

 

そして、こちらが箱の中に留まり続ける限り、相手はひどい奴であり続ける。こちらが責めれば責めるほど、相手は責められるようなことをするわけだ。

 

相手が箱に入っていることを責めたりせずに、しかも相手の箱の存在に気づけたなら、そのほうがずっといいと思わないか。

 

こっちが箱から出てしまえば、相手がひどい奴である必要はなくなり、相手をひどい奴にする必要もなくなる。だから、つらい状況を悪化させるのではなく、よい方向に持っていくことができるようになる。

 

みんなが進んで従いたいと思うのは、箱の外に出ているリーダーなんだ。

 

君のリーダーとしての成功は、自分への裏切りからどれだけ自由でいられるかにかかっている。自分への裏切りから自由になってはじめて、他の人たちを病原菌から解き放つことができるんだから。そうなってはじめて、リーダーになれる。人々から信頼され、期待に応えようという気を起こさせ、一緒に働きたいと思わせる、同僚になれるんだ。

 

周りの人のためにも、君は箱から出なくてはならない。

 

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1. 見えない箱

2. 箱の外へ

3. まとめ

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1. 見えない箱

 

 今から11年前の2006年に出版されてベストセラーになった本です。ご存じの方も多いのではないかと思います。今読んでもその内容には深く考えさせられるとともに、改めて自分のあり方を見つめ直すきっかけをくれます。

 

 

「かたくなな態度をとる」とか、「心を開かない」とか、「自分の殻に閉じこもる」といった表現があります。この本では「箱」という表現で、自分が無意識のうちに他者に対して形成してしまっている見えない「心理的バリア」のことを述べています。

 

この「箱」のやっかいなところは、ある人に対しては、箱の外に出て、打ち解けて話すことができるのに、別のある人に対しては、いつの間にか「箱」の中に引きこもってしまう状態になる、そしてそれらの状態は、「並列して同時に起こり得る」、ということです。

 

このため、混乱が生じるとともに、解決策が分かりづらくなっています。

 

例えば、ある特定の人が自分に対して厳しく、自分が「箱の中」に入ってしまったという場合、その原因を「相手の態度や人間性」に置いてしまうということがあると思います。

 

つまり、自分が「箱の中」に入ってしまったのは、相手が「箱の中」から出てこようとしないからだという考え方です。

 

もう一つのパターンとしては、なぜかある特定の相手に対しては、自分がつっけんどんに振る舞ってしまう、というようなことがあるかもしれません。

 

この場合は、自分が「箱」の中に入っていることはうっすらと認識できているはずです。でも、自分が上手くいっていないことによる「イライラ感」「不安」「焦り」のようなもののはけ口を求めて、自分を守るために、「箱」の中にいる自分の状態を正当化するために、相手にきつく当たってしまう、ということではないでしょうか。

 

もちろん結果として、相手も自分同様に「箱」の中に入って関係性はこじれてしまうことになります。

 

私自身も偉そうなことは決して言えません。振り返ると、それと気づかないうちに、日々、自分から「箱」の中に引きこもっていることがよくあります。

 

2. 箱の外へ

 

では、私たちのかえがえのない人間関係を台無しにしてしまいかねない、この見えない「箱」から外に出るにはどうすれば良いのでしょうか?

 

 

まずは自分が「箱の中にいる」ことを認識すること。つまり自分を取り巻く見えない「箱」の存在に気づくことです。

 

「箱の中」にいるということは「自分のことしか見えていない」という状態です。

 

例えば、あの人は「ひどい」、「怖い」、「おかしい」。そういった感情は「自分から見た時の一方向からの視点である」ということに気づくことです。

 

冷静になって、その考え方を受け入れることができれば、「他の考え方もあるのではないか」と考えることができる余裕も生まれてきます。

 

「他の考え方もあるのではないか」と考える余裕ができれば、その人から、あるいは第三者から見て自分がどう見えるか、を考えることもできるでしょう。

 

そうすると、「自分にも非があるのではないか」「やましいところがあるのではないか」と内省することができます。自分を正当化していた考え方から離れることができます。

 

その結果、相手から自分の非を責められることがあった時にも、「そんなことはありません!」と反論するのではなく、「確かにそうですね」と落ち着いて受け入れる心も生まれてきます。

 

今回引用した文章の中で、「誰かを非難しているときには、その原因は相手にではなく自分にある」という一節があります。

 

「非難する」ということはつまり、自分の方が正しいと考えて自分を正当化している、これは「箱の中」に入ってしまっているということです。

 

この時は、当然、自分中心の考え方となり、相手のことを考える余裕なんてありません。そして、相手も「箱の中」へと押しやってしまうことになります。その状態に救いはありません。

 

もしここで一度立ち止まって、自分を取り巻く「箱」の存在に気づき、他者を非難している自分の姿を冷静に見つめることができれば、そして、「箱」に入った自分の姿が相手からはどう見えているかを考えることができれば、「こんな箱からはとっとと出よう」と思えるはずです。

 

「箱の外に出る」とは引用した文中でも書かれている通り、相手も自分と同じく、独立した一人の人間であると認める、ということです。自分と同じように喜び、悲しみ、怒り、笑うことがある存在として「尊重する」ということです。

 

 言い換えると、「自分がその人のためにしてあげられることは何か?」を一生懸命考えるようにする、ということだと思います。そして考えたことを実際にしてあげられるとなお良いでしょう。

 

このような「他者貢献」の意識を持てるようになることが、箱の外に出る、ということだと思うのです。

 

誰に対しても同じように分け隔てなく、そのような「他者貢献」を意識することで、自分が箱の外にいられる時間をほんの少しずつでも長くしていければ良いと思います。

 

 

あなたは今年どれくらい、箱の外に出ることができていましたか?

そして来年はどれくらい、箱の外に出ていたいと思いますか?

 

1年の振り返りとして、一度振り返り考えてみられても良いのではないでしょうか。

 

3. まとめ

 

・自分のことを考え続けている限り、箱の外には出られない

 

・誰かを非難しているときには、その原因は相手にではなく自分にある

 

・「他者貢献」の意識を持てるようになることが、箱の外に出る、ということ

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・自分がうまくいっていないとき、その原因は自分のあり方にある。

 自分のあり方を振り返るためにこの本を読んだ


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・自分の「箱」の存在に気づくことができた

・箱から出るための軸となる考え方を整理することができた

 


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・「自分がその人のためにしてあげられることは何か?」を

 一生懸命考えて実行していく


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・箱の外にいられる時間が長くなっている

・自分が箱の外に出ることで、周りの人達も箱の外に出すことが

 できるようになっている(『太陽と北風』の太陽のイメージで) 

 

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自分の小さな「箱」から脱出する方法

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