読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

「全体観」を掴むには? 『ゼロ秒思考[行動編]』赤羽雄二 著

 

ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング

ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング

 

 

 

今日の読書日記は、『ゼロ秒思考[行動編]』から、「オプション」について。

 

 

心理的ブロックをほぼ全て解決し、即断即決、即実行に近づける、1つのヒントを紹介したい。

 

結論から言うと、即断即決、即実行ができない根本的な理由は、対象への正しい「全体観」を持てていないことだと考えている。逆に、「全体観」さえ持てれば、あとは必要なときに、自然と即断即決、即実行ができるようになる。

 

 

正しい全体観を持つとは、自分が取り組む仕事や課題の全ての道筋やプロセスが見えており、どこが重要なポイントかを理解していることだ。

 

どのような問題が起きそうで、それがどのくらい深刻かもしっかりと認識している。道筋やプロセスがどのように選択肢として分かれるのか、それがどのように変化するのかということもつかめている。部分ではなく、一面ではなく、空間的に、時間的に全体が見渡せている。

 

 

では、全体観はどのようにして身につければよいのだろうか。

 

無用な失敗の痛手なく実現できる効果的なトレーニングがある。

 

「オプション」とは、取り得る施策を複数挙げ、比較し評価する思考法を指す。

 

「オプション」は、日常生活での選択からビジネスでの重大な決定まで、我々が何かを決める際には必ず使えるツールだ。

 

例えば、「年末年始の過ごし方」を考えてみることにしよう。

 

・自宅でのんびり過ごす

・実家に帰る

・ホテルで過ごす

 

などの選択肢をすぐに思いつくだろう。それを下図のようにしてみる。これが「オプション」の最もシンプルな形だ。

 

            ーーーーーオプション1:

           |     自宅でのんびり過ごす

           |

年末年始の過ごし方ーーーーーーーーオプション2:

           |     実家に帰る

           |

            ーーーーーオプション3:

                 ホテルで過ごす

 

仕事でも日常生活でも、「オプション」での思考を素早くできるようにしておくと、「最善を尽くせたのか?」という後悔やストレスが驚くほど減り、生産性の大幅な向上が体感できるようになる。これが、全体観の養成につながり、即断即決、即実行のベースとなる。

 

オプションにおいては、大事な選択肢を漏らさず挙げる必要がある。これが第1のポイントだ。

 

また、大事な選択肢を漏らさず挙げることができたら、次はそれを適切に評価する必要がある。これが第2のポイントだ。

 

選択肢をリストアップした後は、思い込みやケアレスミスで大事なものを見落としていないかを、全体観を持って改めて確認する必要がある。

 

このときの見直しのコツは、オプション内での親子関係、兄弟関係に注目することだ。

 

親子関係、兄弟関係への意識があれば、始めからかなり精度の高いオプションを作成できるし、少なくとも見直しの時点で大事な選択肢を見逃すことはない。

 

何より、こうした縦と横への意識の展開が、つまり、どこまでを「全体」とし何を「部分」にするかという思索が、あなたの全体観を育てていく。

 

そして、即断即決、即実行へとつながっていく。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

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1.地図を描いて縄張りを広げる

2. 意思決定を速くする

3. まとめ

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1. 地図を描いて縄張りを広げる

 

「行動のスピード、意思決定のスピードを今よりも速くしたい」というのが、今年の私の個人的に大きなテーマの一つです。

 

それには当然「時間管理」のテクニックのようなものから、アプリなどの「時短ツール」、さらには「マインドセット」のような心の持ち方までが含まれます。

 

今回読んだ本は、「1分間でA4メモに自分の思考をひたすら書き出していく」『ゼロ秒思考』を提唱されている著者のさらに実践編になります。

 

ゼロ秒思考で、頭の中のもやもやはすっきりして、思考が整理できたけれど、それでも何故かまだ、実際の「行動」に移せない、そのような方向けに書かれています。

 

著者は「行動」に取り掛かれない原因を、まだ越えることができていない心理的なハードルがあるからだと考えられています。そして、その原因をこれから取り組もうとしていることに対する「全体観が持てていない」からだと述べられています。

 

例えば、旅行などでこれから初めて訪れる場所のことを考えて下さい。

 

その場所に辿り着くためには、何時に起きて、何時の電車やバス、飛行機に乗らないといけないのか。持っていくものは財布と着替えとスマホとあと何が必要なのか。

 

そういったことを「大体把握できた」状態になると、「明日は何時までに起きたら良い」とか、「持ち物はこれとこれがあれば良い」ということが分かり、「安心」できます。

 

「全体観」を持つ、とはそれに近い状態のことだと思います。目的地までいくために、何をどのタイミングでやらないといけないか、何と何を用意しておく必要があるか。

それが把握できている状態です。やることが分かっていれば、初めて経験することにはドキドキはしますが、「全く動けなくなる」ということはないでしょう。

 

事前に準備して、イメージも出来ていれば、結果として、判断と、その後の行動もそれだけ早くすることができる、ということです。

 

そしてそのような「全体観」を持つためのトレーニングツールの1つとして、今回引用したような「オプション」という方法が紹介されています。(もう1つ、「フレームワーク」というツールも紹介されていますが、こちらについては本書をご参照下さい)。

 

 

これは「何かの状況に対して、取り得る行動の選択肢を考えてみる」ということです。

 

選択肢を複数考える練習をすることと、その親子関係、兄弟関係を考える練習をすることが、その行動を取ることに対する「深い思考」に繋がります。

 

そうすると、「行動に対する地図」が描けることになります。理想を言えば、これをできるだけ早く、できるだけ多く考えて、描ける地図の範囲を広げていくことが、「不安を消す」ことに貢献してくれるのだと思います。

 

何故ならば、考えて、「行動の地図にした領域」は、もう「自分の勝手知ったる縄張り」と言っても差し支えないものに変化しているからです。自分の縄張りですから、自分の自由に動くことが可能です。

 

もちろん、いつまでも「地図」だけを描き続けていても、行動は進まないので、「地図」を描く「制限時間」を設けておくことは必要だと思いますが。

 

2. 意思決定を速くする

 

私たちの行動のスピードを大きく左右しているのは、行動そのもののスピードよりも、その行動を「やる」と決めるまでの「意思決定のスピード」の方だと思います。

 

「オプション」では、複数の行動の選択肢を挙げた後、その選択肢の中から「どれを選ぶか」という評価を行っていきます。

 

本書では、そのために「4個~5個の適切な評価基準を設定する」ことが推奨されています。

 

例えば上記の例の「年末年始の過ごし方」では、「楽しさ」、「目新しさ」、「親孝行度」、「費用の小ささ」などが評価基準になります。

 

そしてそれぞれの評価基準について、

 

◎・・・4点

〇・・・2点

△・・・1点

✖・・・0点

 

として印をつけて、合計得点が高いものを実際に行う行動として選択します。 

 

「オプション」についてまとめると、何か実現したいことについて、いくつかの選択肢を考えて、それについて複数の判断基準を設定して、それに基づき判定して、その結果を元に行動していく、ということになります。

 

そして個人的に何より大切だと思うのは、これを「時間制限を設けて」行う、ということです。

 

私もやっていますが、この練習を繰り返せば、意思決定のスピードは確実に上がります。個人でも使えますし、チームやプロジェクトで打ち合わせを行う時にも使えます。

 

さらには、リーダシップの発揮にもつながり、情報収集の感度も上がり、成長が加速されていくそうです。

 

複数の選択肢を検討することで、「客観視」ができるようにもなります。これが「全体観」を醸成することにもなっていきます。

 

 

オプションを使って「地図を描く練習」をすれば、描いた地図の分だけ、それに反比例して自分の中の不安が減少し、行動までの迷いの時間も少なくなります。

 

行ったことのない場所、見たことのないもの、それらを見に行くために、「オプション」という地図を今から描いてみませんか。

 

 

3. まとめ

 

・行動に対する不安が乗り越えられないのは、「全体観」が持てていないから

 

・「全体観」を持つためには「オプション」を使ったトレーニングが有効

 

・「オプション」を使って「行動の地図」を描けば描くほどに不安や迷いは

 消えていく

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・行動を速くするための具体的方法について学ぶ 

 


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・行動の加速だけでなく、思考の整理と「全体観」を持つために

 役立つ方法について学ぶことができた


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・「オプション」と「フレームワーク」を書く練習を

 毎日続ける


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・不安を感じても「オプション」や「フレームワーク」で

 整理することで、「全体観」を掴み、心理的ハードルを

 短時間で乗り越えて行動に移すことができるようになっている

 

・「オプション」や「フレームワーク」について

 人に教えることができるようになっている

 

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ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング

ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング