読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

高いモチベーションで楽しく働くには?『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』青野慶久 著

ここから始まるのは、全産業を対象にした社会変革です。技術革新とディスラプターによって、ビジネスモデルの変化と業界再編が進み、巨大企業と無数のベンチャー企業が誕生し、人工知能によって既存の仕事の代替が進むでしょう。都会と地方の差、そして収入の格差は広がるかもしれません。そんな時代に、私たちはどんな考え方を持っておかなければならないのでしょうか。

 

それは「自分は何をやりたいのだろうか」と自問自答し、それに沿って行動していくことだと思います。私たちがモチベーションを高く働き続けるには、自分が「やりたい」ことを把握し続ける必要があります。我慢することに慣れてしまうと、自分が本当にやりたいことが見えなくなってしまいます。

 

これからの時代は、やりたくないことはどんどん機械に任せていくことになるでしょう。今までは、やりたくないことでも我慢してできる人が重宝されました。フルタイムで働いてくれる。残業してくれる、転勤してくれる、年功序列を受け入れてくれる、定年で退職してくれるなどなど、人間を我慢させる仕組みに従う人たちが、仕事ができる人だと考えられていました。

 

しかし、これからは違います。我慢が必要なことは機械に置き換わっていきます。ですから、私たち人間は、人工知能が思いつかないような、新しい「やりたい」ことを見つけ出す必要があるのです。自分の心の欲求に従って、やりたいことに邁進できる人が必要なのです。

 

やりたいことは一つや二つでなくても構いません。たくさんのやりたいことが掛け合わせられて、ユニークな仕事を生み出していきます。

 

「人生、こうすればうまくいく」という、画一的な勝ちパターンはなくなってしまいました。あるはずのない人生の答えを探すのではなく、今そこにある自分自身に向き合い、個性に磨きをかけていく。そして、その個性を社会に生かしていくのです。

 

今まで閉塞的で進歩が遅かった業界は、一気に発展するチャンスが生まれます。社会の役に立つ前向きな仕事が、私たちを出迎えてくれるでしょう。私たちは、ディスラプターたちによる破壊と創造を歓迎しながら、楽しく働けるカイシャを選ぶ心構えをしておきましょう。

 

現代は、技術革新とその普及のスピードが非常に早く、未来を正確に予測するのが難しくなっています。しかし、どんな状況でも楽しく働き続ける人はいらっしゃいます。

 

「やりたい」ことを探求し、「やれる」ことを広げ、そして「やるべき」仕事に重ねていける人たちです。かれらが二十一世紀に適合した、新しい働き手だと思います。

 

新たに何かを「やりたい」、という感情を持つのは人間です。何かをやってほしいと感じるのもまた人間であり、そこにニーズが生まれるから「やるべき」が生まれます。そして、「やれる」ことは、新技術によって飛躍的に増やせるようになります。今まで以上にモチベーションを高めて働けるようになるはずです。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

ーーーーーーーーーーーーーーーー

1. この本はどんな本か?

2. モチベーション創造メソッド

3. モンスターを倒して「ルール」の外へ

4. まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1. この本はどんな本か?

 

サイボウズの社長による、これからの働き方について書かれた本です。特に会社や組織で働く人向けに書かれています。「カイシャ(会社)」という実体のない「モンスター」に支配されたままでは楽しく働くことはできません。

 

今、勤めている会社で楽しく働くためには「意思決定を行う代表取締役のビジョンと自分のビジョンは一致しているか?」を考えること、これからの仕事は「量」から「質」の時代に変化する、「複業(副業ではありません)」により埋没しない個性を磨くこと。など、これから人口減少時代において、人工知能などテクノロジーの発展による仕事の代替が進展していく社会で、楽しく働くためのヒントがたくさん書かれています。

 

個人的には、

 

・情報は「発信するところに集まる」という性質がある

・人の意見に耳を傾けられなくなったとき、成長が止まる

 

という2点が特に印象に残りました。

 

2. モチベーション創造メソッド

 

本書では、サイボウズで行なわれているという、「仕事内容」や「人」といった外部環境に左右されずに、楽しく働き続けるための思考法として「モチベーション創造メソッド」というものが紹介されています。

 

モチベーションが高いとワクワクして仕事に取り組むことができます。モチベーションを高めるために、「やりたい」「やれる」「やるべき」の3つの条件が重なっている状態を「意図的に」作り出すのだそうです。

 

 

まず、「やりたい」仕事というのはそのままですね。

 

「やれる」仕事というのはその仕事をこなすスキルがあること。またはスキル向上によって乗り越えられると信じられる状態です。

 

「やるべき」仕事というのは、「周囲から期待されているかどうか」です。周囲の期待があると、その仕事を行うことで感謝されたり、評価されたりするのでモチベーションが高くなります。

 

そしてこの3つの重なる部分の面積が大きくなるほど仕事に対するモチベーションが高まる、ということになります。

 

気をつけるポイントとして、まず、自分が「やりたい仕事」は時間の経過とともに「変化する」ということ。従って、「自分が今どんな仕事ををやりたいのか、どんな分野に興味があるのか」を定期的に棚卸してやる必要があります。

 

それから、「やれる仕事」は「拡大していく」ということ。何故なら経験を積むことによってさまざまな仕事を、より短時間で、かつ質も高くこなせるようになっていくからです。

 

そして「やるべき仕事」におけるポイントですが、これについては「何を(誰からの期待を)優先するか?」を選択して、その責任を負うことが求められます。

 

例えば、仕事で遅い時間まで残業していると、帰宅後の家事や育児を行う時間が減少して家族の不興を買います。かといって、締め切り間近の資料を片付けない事には、早く帰りたくても帰れない、、なんてことがありますよね。

 

その時、私たち自身が(仕事か、家庭か)どちらを選んだとしても、その「結果を受け入れる覚悟」をする。この姿勢が求められます。

 

環境のせいにしないで、自分で責任を引き受けるということです。そう書くと重く聞こえて、尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが、自分で決めたことだからこそ、モチベーションが高まるのだと思います。

 

覚悟を決めて焦点を絞り込んだことで、自分の持てるリソースをそこに全部投入して、「なんとしてもうまくやってやろう」という気持ちになれるからです。

 

 

モチベーション創造メソッドは、仕事に限らずとも、自分のモチベーションを高めるために活用することができます。

 

私が一番役立ちそうだと思うのは、「モチベーションが上がらない時」に、この「やりたい」「やれる」「やるべき」の3つに自分の状態を照らし合わせて、どの部分が足りていないのかを発見する、という使い方です。

 

モチベーションが上がらない理由として、

「やりたくない」のが原因だとすれば、それは何故なのか?どうすればやりたくなるのか?

「やれない」のが原因だとすれば、それはどんなスキルやリソースが足りないのか?

「やるべき」については、どうすればその仕事を、人に評価されたり、感謝される仕事に変えられるか?つまり、他者貢献できるものに変換できるか?

などを考えてみることで、たとえそれがどんな仕事であったとしても「最初の一歩」を踏み出せるようになると思います。

 

つまり、「セルフコントロール」にとても有効なメソッドだということです。

 

 

3. モンスターを倒して「ルール」の外へ

 

この「モチベーション創造メソッド」を身につければ、どんな時代、どんな仕事であっても、楽しく、自分らしく働いていけるのではないかという気がしました。

 

今回引用した文章にもある通り、これからは人間が「やりたくない」仕事はどんどん機械による代替が進んでいくと考えられます。裏を返せば人間は自分の「やりたい」仕事だけを追求する環境が整う、ということです。

 

現時点では人工知能は自分の「意思」を持っていませんから、人工知能自身がやりたいこと、というのはありません。私たち人間がやりたいことをサポートしてくれるのが人工知能です。人工知能に自分のやりたいことを見つけてもらうことはできません。(自分の仕事の適性なら膨大なデータを分析することで判断してくれるかもしれませんが)。

 

ですから、私たちは自分自身で自分のやりたいことを「探求し続ける」必要があるのです。

 

これまでの時代、私たちは社会や会社や組織というものに所属して、その場所の「見えないルール」によって縛られており、それを当たり前のものと受け入れてきました。

 

「社会通念」や「常識」、といったものが私たちの心の中に巣くっていたのです。会社や組織の規則も含めて、そういったものはみんな「モンスター」だと考えることもできるでしょう。

 

これからの時代は、「こうでないといけない」「こうしないといけない」という「ルール」の縛りは緩くなります。内と外を隔てていた「境界線」の結び目が緩み始めているのです。

 

私たちは自分の「やりたいこと」、「個性という名の剣」を鍛え上げて、この結び目を「一刀両断」してやりましょう。

 

そうして、外に出てみれば気づくはずです。自分の内なる「モンスター」は実は思いのほか、ちっぽけなものだったということに。

 

そして、目の前には新たな冒険の舞台、広大なフィールドマップが広がっていることでしょう。

 

4. まとめ

 

・モチベーション創造メソッドは、自分の

 「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」

 の交点を見つけてそれを拡大していくことで、

 モチベーションを高める方法

 

・自分の「やりたいこと」を追求していくことが

 これからの時代に楽しく働くための秘訣

 

・個性を磨くことが目に見えないモンスターの支配を

 打ち破る武器となる

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
ーーーーーーーーーーーーーーーー

1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・サイボウズ社長の考え方について学ぶ


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・モチベーション創造メソッドは有用

 

・交渉における「コンセプト」のフレームワークも有用


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・気分が乗らない時にモチベーション創造メソッドを

 使ってみる

 

・自分のやりたいことを定期的に見直す


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・複数の「これから人生をかけてやりたいこと」

 が見つかってワクワクしている

 

・モチベーション創造メソッドをマスターして、

 どんな仕事にも真剣に、かつ楽しく取り組む

 ことができている

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

メルマガでも配信中です。

 

メルマガ「読書尚友」登録フォーム