読書尚友

先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

感情の波を乗りこなすには?『自分を操る超集中力』DaiGo 著

集中と感情は密接に結びついています。一般的に「集中している」と聞くと、じっと机に向かい、静かに活動している姿を思い浮かべますが、これも集中力にまつわる誤解の1つです。

 

実際は喜怒哀楽の感情をうまく組み合わせることによって、集中力をより高めることができます。

 

フロー体験の場合は、「喜び」の感情がベースとなっています。

 

同じように喜怒哀楽それぞれの感情を上手く使うことで、集中力を高めることができます。残念ながらフロー体験ほどの強烈なパワーはありませんが、それでも感情と集中の関係を知ることは、集中力を自在に発揮する助けになります。

 

たとえば、怒りの感情を抱えているときは、解決の糸口が見えなかった課題や企画に向き合うと、集中して取り組むことができます。

 

喜怒哀楽のなかでも、怒りは「目標指向行動」を強く促します。

 

目標指向行動とは、ある目的や目標を持って行う行動のこと。人は目的や目標があり、それが具体的であればあるほど、行動が積極的になっていきます。

 

ただし、怒りの感情のピークは短いので、「なにくそ」「頭にきた」「腹が立つ」というテンションのまま、すぐにバッグからメモを取り出し、解決策を書き出す……といった流れがベスト。怒りを感じたときは、その直後に自分が一番やるべきこと、目標にしていることに取り組むべきです。

 

深呼吸して落ち着いてから……ではなく、怒ったままの短期勝負。それが怒りを上手に使った集中力の高め方です。

 

 

哀しいときというのは、何も手につかないようなイメージがあります。ところが、社会心理学の研究では哀しんでいるときほど、人は冷静な意思決定ができることがわかっています。

 

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の社会心理学者ジョー・フォーガスは、「哀しみが人を注意深くし、細部に関心を持たせ、焦点を合わせやすくする」と指摘しています。

 

冷静かつ公平な意思決定ができるというのが、哀しみの感情の効果なのです。

 

とはいえ、哀しみの中にある間、行動力は落ちてしまうもの。そこで、投資に関する判断やビジネスでの新しい取り組みなど、最近の自分の意思決定を見直す機会にしていきましょう。

 

 

喜びの感情は、人をクリエイティブにし、目の前の出来事に対する意思決定を速くさせる力を持っています。

 

頭の中にあるアイデアを次々と出していくような時間として使うと、普段は「くだらない」と切り捨ててしまうようなヒントから、意外なプランを導き出せるかもしれません。

 

逆に気分が乗っているとき、喜びを感じているときにやってはいけないことがあります。それは人の話を聞くこと。とくにセールスは危険です。

 

「〇〇がある生活をイメージしてください」といったセールストークを受けて、活発になっている想像力が刺激され、素早い意思決定を下してしまう……つまり、勢い良くYESと言ってしまうからです。

 

いいことばかりが起こりそうな気分のときほど、物事の判断に関しては集中力が落ちていると覚えておきましょう。

 

 

〈今日のコンテンツ〉

 

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  1. この本はどんな本か?
  1. 感情の波に乗ろう
  1. エモーショナル・プランニング
  1. まとめ

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1. この本はどんな本か?

 

メンタリストDaiGoが集中力を高める方法についてまとめた本です。集中力を生み出すためには、場所、姿勢、食事、感情、習慣、運動、瞑想などの諸条件について、どんなことを意識して、実行すれば良いのかが解説されています。また、疲れを取るための方法や集中するための時間術なども多数紹介されています。

 

ノウハウのかたまりみたいな本ですが、書かれていることを全部やろうとすると、軽く1年くらいかかりそうなので、気に入ったところから徐々に取り入れて、集中力を高めるのに利用するのが良いのではないかと思います。

 

 

 2. 感情の波に乗ろう

 

 

本書でテーマとなっている「集中力を高める」とは、つまり「生産性を高める」ということでもあります。安定して高いパフォーマンスを発揮するためには、雑念が入らない状態で仕事なり勉強なりが行えることが望ましいでしょう。

 

 

しかしながら私たちは、常にやる気に満ちあふれているわけではありません。どうしても気分が乗らない時や、何か気がかりなことがあってそちらに気を取られてしまい、仕事をする手が止まったり、あるいはうっかりミスをしてしまったりすることもあるでしょう。

 

高いモチベーションで仕事や勉強に向かえる時は問題ありません。でも、そうでないとき、気持ちが沈んでいる時や、あるいは欲求不満のような、はけ口のない怒りにも似た感情を胸に抱いている時などは、どうしても生産性が低下してしまいます。

 

 

このような場合、やらないといけないことに対するモチベーションが再び高まってくるまで待つという方法もあります。あるいはモチベーションが高まるように自分をコントロールするという方法もあります。

 

ですが大抵のタスクには「締め切り」があるため、モチベーションが高まらなくても、締め切りギリギリや試験前日になって、否応なしに仕事や勉強を始めざるをえない、という状況に陥ってしまう。そんなご経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

 

どういう状態が望ましいかというと、当然、「感情の波に左右されずに安定して高い集中力を発揮して行動できる」ということです。

 

理想としては、常にモチベーションが高い状態を維持することができればよいのですが、実際問題としてそれは難しいでしょう。

 

 

そこで、著者が紹介しているのは、「喜怒哀楽の感情に合わせた行動を取る」というものです。怒りを覚える時には、その怒りのエネルギーで問題解決を、哀しい時には、冷静に今の自分の状況を見つめ直すことを、そして楽しい時には創造性を発揮できることを行なうのが良い、と述べています。自分のその時の感情に合わせて、やることを変えようという提案です。

 

 

確かに言われてみると、私の場合も、同じ仕事でも全然気持ちが入らずに進まない時と、怒涛の勢いでかたがつく時があります。

 

この集中力や生産性の差が発生する原因として、「自分の感情」の占める割合は大きいでしょう。

 

そして感情は完全にコントロールすることは難しいものです。おだやかな時もあれば、上がることもありますし、当然下がることだってあります。

 

本書で提唱されているのは、感情の波を一定にしよう、つまり「凪」の状態にして集中力を高めよう、ということではなく、「感情の波が高い時には高い時の波の乗り方があり、そして感情の波が低い時には、低い時の波の乗り方がありますよ」ということです。

 

 

つまり、感情の波の高さが違う(楽しい時もあれば落ち込んでいる時もある)のに、いつも同じ乗り方で波に乗ろう(仕事をしよう)としても、サーフボードから海に落ちてしまう(集中力を発揮できない)のです。

 

 

従って、私たちは、今の自分の感情がどのような状態であるのかを紙に書き出すなどして、把握しておくのが良いと思います。

 

「今の自分は少し気持ちが下がっている状態にある。理由は~~」

 

「今の自分は超ハッピーな気分。なぜなら~~という嬉しいことがあったから」

 

 

などなど、その自分の感情を把握しておけば、それに合わせて、仕事や勉強の優先順位を入れ替えることで集中力を高めて、生産性を高めることもできるでしょう。

 

 

 3. エモーショナル・プランニング

 

このように「感情の変化と集中力を連動させる」ための方法として「エモーショナル・プランニング」が紹介されています。

 

これはどういうものかというと、例えば、

 

・仲良しの友人と遊んだ後に仕事を入れる(喜び・楽しみの感情の利用)

 

・午後に企画会議がある場合は、その前においしいと評判のランチを食べに行く

(喜び・楽しみの感情の利用)

 

・満員電車に乗った後に、難題となっている問題の処理を行う(怒りの感情の利用)

 

・泣ける映画を見た後に一日の振り返りや日記を書く(哀しみの感情の利用)

 

 

など、イベントごとに「変化する感情を先取りして、1日のスケジュールを立ててしまう」というものです。

 

 

仕事をこなしていくために、感情を自分でコントロールするのは難しい、と先ほどは書きました。でもこの「エモーショナル・プランニング」のように、「あえて意図的に怒りや哀しみの感情を発生させる」ことで、集中して仕事を進めることができるようになる、というのは面白いと思いました。

 

 

おそらく、前者の場合は、自分の中に発生している怒りや哀しみといった感情を、仕事をする上では「ネガティブ」なものだと捉えて、「打ち消そうとしている」から上手くいかないのであって、後者の場合は、それらの感情を「ポジティブ」なものだと捉えて、「最大限有効活用しようとする」から、上手くいくのではないかと考えます。

 

 

想像してみて欲しいのですが、私たちの中に沸き起こるネガティブな感情も、全てポジティブに活用することができるとしたら、「向かうところ敵なし」だと思いませんか?高い集中力を維持して安定したパフォーマンスを発揮することも、決して夢物語ではなくなってきます。

 

 

この「エモーショナル・プランニング」を行うことは、自分の感情とのつき合い方を変える、ということにも繋がってきます。それは「セルフコントロール」ができる、ということでもあります。光をあてる方向を変えてやれば、外側の物事と同じく、自分自身の内側の見え方も変わってきます。そのためには、一歩引いて、自分を客観的に見つめる視点を持つようにしていきたいですね。

 

 

 4. まとめ

 

・感情の波が高い時には高い時の波の乗り方があり、

 感情の波が低い時には低い時の波の乗り方がある

 

・エモーショナル・プランニングは感情の変化と集中力を連動させる

 スケジュールの立て方

 

 

・私たちの中に沸き起こるネガティブな感情は、ポジティブに活用できる

 それができるのが、「セルフコントロール」ができて集中力が

 発揮できている状態

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための

 個人的チャレンジシート〉

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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・集中力を高めて生産性を上げる方法について学ぶ

 

2.  読んでよかったこと、感じたこと

 

・エモーショナル・プランニングの考え方は面白い

 

・やはり早起きは大事

 

・午前中はインプット、午後はアウトプット、夜は復習が良い

 

3.  この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・エモーショナル・プランニングの考え方を取り入れ、

 「意図的に」自分の感情を創り出して仕事を進める

 

・疲れをとる方法3つは全て取り入れる

 

4.  3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・感情の起伏に合わせた上手な波乗りが行えるようになっている

 

・感情の波を自分で役者のように自動発生させて、起きてから眠るまで

 高い集中力を発揮することができるようになっている

 

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